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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第二章 大精霊編

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29.王都案内

 王覧試合に出る事になったのはひとまず置いておいて。

 私は今、かねてからの約束だった、王都を案内して貰っている。

 にしても、道行く人全員が、一度はこちらを振り向くのはどうにかならないものか。

 やっぱりロイヤルガードが案内なんてしてるから、どうしても悪目立ちするんだろうなぁ。


「蓮華様、王都は広いですから、とても一日では案内しきれませんし、明日も宜しければご案内致しますよ」


 なんて言ってくるんだけど。


「あ、ううん。シリウスもロイヤルガードの仕事があるでしょ?基本的な所は今日シリウスのお蔭で覚えられたから、大丈夫だよ。ありがとね」


 とやんわり断ったら、凄く残念そうにされた。

 なんでだ。


「うぅ、蓮華様の真摯さが辛いですけど、そう言われたら仕方ありません。今日は時間一杯、案内させて頂きますね蓮華様!」


「う、うん。お手柔らかに……」


 なんで案内でこんなに張り切っているのか、私には理解不能だった。

 そうそう、ディーネは屋敷でお留守番をしている。


「お二人で楽しんでらしてくださいね」


 との言葉だった。

 何故かシリウスはその言葉で喜んだような、気のせいかな。


 その頃。



-アーネスト視点-



「蓮華が王覧試合に?」


「はい。毎年行われている催しですが、今回レンの行った国が、参加国の一つだったのです」


 なんて、俺が元の世界の皆に別れを告げてから、戻ってきていきなり聞いた。


「蓮華、厄介事に巻き込まれる速度が尋常じゃないな」


 もはや苦笑するしかない。


「ならばアーネスト、君も参加したらどうだい?」


 なんて兄貴が言ってくる。


「え、俺も?っていうか、出れるもんなの?」


 母さんが微笑んで言ってくれる。


「大丈夫よアーちゃん。確か、今回の開催国は二人とも行った事が無い場所だけれど、参加国の2つは、二人ともそれぞれ行っている国だからね」


「俺も行っている国?」


「確か、アーネストは王都・テンコーガに行きましたね?」


「うん、行ったよ兄貴。あれ?でも確か、あそこのインペリアルナイトは今2人だった気がするんだけど」


 そう、確か1人は遠征に出て、帰ってきていないと聞いた。

 インペリアルナイトの一人は俺と同じくらいの若い奴だったけど、もう一人、老齢のインペリアルナイトは、かなりできる印象だった。


「だからこそ、出れるというわけだよアーネスト。幸いにも、オーブの件で知らぬ仲じゃないだろう?それに、マーガリン師匠が口添えしてくれるでしょう」


「そうねぇ、レンちゃんも出るんだし、アーちゃんも出るなら楽しそうだから、人前に出るの苦手なんだけど、頑張っちゃおうかなぁ」


 なんて母さんが言ってる。


「そういえば、自然に蓮華の居る国に助っ人するんじゃなくて、敵対する側に入る流れだけど、良いの?」


「そりゃぁねぇ、レンちゃんの圧勝じゃない、そのままじゃ」


「ですねぇ。どうせなら、蓮華とアーネストの戦いが見たいですからね」


 流石の二人だった。

 息が揃いすぎだろう、俺はこの二人が大好きだ。

 多分、いや絶対蓮華もそうだろうけど。


「っていうか、ウンディーネも良い性格してるよな。絶対蓮華に黙って教えてくれたんだろ?」


 ニコッと笑って。


「はい」


 というウンディーネが割と本気で怖い。

 味方に地雷抱えてるぞ蓮華。

 まぁ、それに乗っかる俺、いや俺達もあれだけども。


「母さんは国王全員と知り合いなんだっけ?」


「うん、そうだよ。まぁ、私人前だと極度に緊張しちゃって、硬くなっちゃう時期が長くてね……今はそんな事ないんだけど、もうそれで通してるから、雰囲気違っても嫌わないでねアーちゃん」


「当たり前の事言わないでくれよ母さん。でもそっか、なら参加の話をつけに行くのに、母さんもついてきてくれるかな?俺だけだとすんなりいかないと思うし」


「うん、良いよアーちゃん。それじゃ、今から行こっか」


「了解!」


「それでは、私はこれで戻りますね。帰って私が居ないと、レンに怪しまれますので。当日は楽しみにしていますよ」


 と言って消えるウンディーネ。

 そうだ、先に言っておかないと。


「母さん、兄貴。俺、本気で蓮華に勝ちに行きたいんだ。だから、試合前日まで、俺に修行つけて貰ってもいいかな?」


 その言葉に。


「うん、良いよアーちゃん。当日は、両方応援するけどね」


「ええ、良いですよアーネスト。私はテレビで観戦させてもらいますが、頑張りなさい」


 温かい二人の言葉に嬉しくなる。

 蓮華、こんな機会中々ないからな。

 俺はお前に勝ちに行くぜ。



-アーネスト視点・了-



 夕方、シリウスの家に着いたら、ディーネがソファーで座って寝ているようだったから、声を掛ける事にした。


「ディーネ、帰ったよ。起きて」


「……レン、お帰りなさい。シリウスもご苦労様。楽しめましたか?」


「はい、ありがとうございますディーネ様」


 と笑顔で答えるシリウス。

 私達は王都の宿で良いと言ったのだが、是非家で泊まっていってくださいと言われるので、厄介になる事にしたんだ。

 いや、最初は断ったんだよ?でも凄く悲しそうにするんだよ、仕方ないじゃないか。


「ディーネ、祠には先に行く?」


「いえ、もし間に合わなければ目も当てられませんし、終わってからで良いのではないですか?」


「そっか、そだね。それじゃ、そうするよ。明日からまた王都を散策しようと思うんだけど、ディーネも行くよね?」


「ふふ、分かりました。付き合いましょう」


 その言葉に羨ましそうにシリウスがしているように見えたが、シリウスは暇じゃないでしょ!


 そして、王覧試合当日がやってきた。



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