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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

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73話.ナイトメアに備えて

 ナイトメアの襲撃に備え、街の人達に避難するようにお願いした。

 けれど、流石魔族というべきかな。皆やられっぱなしでいられないと、むしろ防衛するから力を貸してくれと言われてしまった。

 私は守るつもりだったけど、それは違ったんだね。

 皆自分の街に愛着があって、守りたいと思っているんだ。

 だから、私達の方が手を貸す形になるんだね。


 他の街にも魔物は襲っていると聞いている。この街は病院のお蔭で、ギルドの冒険者達が戦線にすぐに復帰できた事もあり、今は落ち着いているけれど、他の街はそうもいかずに被害は大きくなっているはず。

 時々他の街から噂を聞いて来たという方々も居る。

 レヴィはすでに行動を開始しているようで、首都周りの魔物退治に乗り出しているらしい。

 それでも、レヴィアタン領全域を守るには、手が足りないだろう。

 ナイツオブラウンドの騎士達も各街の救援に向かっているらしく、それでなんとかなっている状態だ。

 私達も、この街を守る手伝いをしなくちゃだね。


 冒険者の皆は、街の近くの魔物を退治しに皆出ている為、街の中に冒険者はほとんど残っていない。

 新たな魔物は、倒しても素材を得る事は出来ない。絶命した瞬間に、その体が消えてしまうらしい。

 代わりに、銅貨や銀貨、果ては金貨まで落とす。

 なので、お金を稼ぐという意味では良いかもしれない。

 ゲームみたいに、街に侵入せずに街の外で徘徊してるだけなら、まだましかもしれないけど……この魔物達は街へと侵入してくる。

 どうやら魔力に集まる習性があるらしく、強大な魔力を持つ魔族の多く住んでいる街へ集まってきているのではないか、と意見が出ている。

 いつナイトメアがこの街に攻めてくるか分からないけど、まずは街の防備をやれるだけやる事にした。


 まず街の外側に土魔法で城壁を作り、囲った。

 (やぐら)も組んで、魔物達が攻めて来たら分かるように。

 また、城壁の上から弓や魔法を放てるように、凹凸を作って仕上げに結界を張っておく。

 それから私とノルンは、手投げ式の属性魔力石の作成に取り掛かった。

 これは、起動に魔力を込めて衝撃が加わると爆発する爆弾みたいなものだ。

 使用上の注意を何度も説明して理解して貰った。これを城壁の上から投げて貰えば、安全に魔物を倒せるはず。


 ニガキ君に協力をしてもらって、魔者達も属性魔力石を投げて貰うメンバーに入ってもらう。

 また、病院には人型のアルラウネさんを筆頭に、何名か常駐して貰う事になった。

 アルラウネさんは木属性の魔法と日属性の魔法が使えるらしく、疲労回復の魔法が使える。

 木属性の魔法で樹木を生やし、日属性の魔法で成長促進して一気に成長させたりできるらしいので、街の城壁の外を大きな木で囲って貰った。

 ただ、アルラウネさんはその……上半身は確かに人型なんだけど、下半身が花なので、移動できないみたい。

 なので、病院では定位置に固定で、光の当たる場所に居て貰い、治療を行っている側を回復させる役目を担ってくれる事に。


 魔族の皆も言葉を話すアルラウネさん達に最初は戸惑っていたけど、私達と同じように笑ったり怒ったりするので、すぐに馴染んだみたいだ。

 そうそう、アルラウネさんが出す蜜は凄く甘くて、美味しい。

 出す場所はどこでも出せるらしいけど、見た目的な意味もあって、花から出して貰う事にした。

 いやだって、最初口から出したから。蜜と分かっていても、あれなんだよ……。


 そんなこんなで、皆が出来る事をして一日が過ぎた。

 そして翌日早朝、櫓で見張りをしてくれていた方々から、魔物達の襲来が告げられる。

 巨大なゴーレムを筆頭に、街道を埋め尽くすように魔物が居るとの事だった。

 そのゴーレムの肩に、ニガキ君から聞いていた風貌の女が腰かけているらしい。

 何故こんな事をするのか、理由を聞いて、止めさせないと。

 恐らく指揮者である彼女を倒せば、魔物達も散り散りになるだろうし、話して引いてくれればそれがベストだ。

 甘い考えかもしれないけど、やる前から諦めたくはないから。

 病院もこれから違う意味で戦場になるだろう。

 ロジャー君達騎士の皆には、病院を守ってもらう事にした。


「ノルン、私はゴーレムの居る北側出入口に周る。ノルンは南側出入口を任せて良い?」

「いえ、私も北側に行くわ。多分そいつを倒せばこの戦いは勝ち。なら、戦力は集中させた方が良いわ。城壁の上から援護もあるし、冒険者達もそんなすぐにやられたりしないでしょ」


 ノルンの言葉に、同意する。


「……そうだね。分かった、行こうノルン!」

「ええ!」


 私とノルンはシャイデリアの街の北側出入口へと向かう。

 シャイデリアの街攻防戦が、今始まろうとしていた。

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