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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

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59話.病院創立

 シャイデリアの街に着いてすぐ、私やノルン、レオン君やリタちゃんを見た街の人達が、気軽に挨拶をしにきてくれた。

 母さんと兄さんには認識阻害の魔法が掛かっているので、別人に見えるかそこに居ると感じられないはずだ。

 結構な人数を連れて移動してるのに、皆邪険にする事も無く、ギルドまで歩いて行けた。

 さて、ここで問題発生である。


「ねぇ蓮華。ギルドの横って、前まで普通の道だったわよね?」

「うん、そんなに利用してる人の居ない道だった気がする」

「たった数日で、なんで大通りになってるのよ……」


 そう、ギルドの横に病院を建てようと思っていた。

 以前来た時は、ギルドの横には確かに道はあったけれど、利用者は少なく、寂れていたんだよね。

 だから、その場所に病院を建てても問題ないと思っていたんだけど。


「おっ!蓮華先生にノルン先生じゃねぇかっ!また寄ってくれたのかい!?」


 ギルドから出てきて、大声で呼んだのはポーション制作に協力してくれたボッグさんだ。


「ボッグさん、久しぶりです。えっと、ギルドの横に病院を建てるつもりで来たんだけど、この大通りいつの間に出来たの?」

「ああ、それなら蓮華先生達が街を出た後すぐさ!これからギルドの利用者も増えるし、どうせなら道を大きくしようってんで、近くに住んでた奴らにも協力して貰って、場所を広げたのさ!」


 そんな事があったのか。

 うーん、これだとギルドの横に病院を建てるのは無理かな。

 これは予め言っておかなかった私のミスだね。

 各街に責任者の方を配置する事にもなったみたいだけど、今は住民でその責任者を誰にするかを話し合っている状態みたいだし、話を通す人が居ない。


「そうだったんですね。教えてくれてありがとうございます」

「なーに、良いって事よ!俺はこれから仲間と狩りに行くから、また何か知りたい事があったら言ってくれよな!」


 そう言って、笑って街の外へと向かって行った。

 相変わらず気の良い方だね。ポーション制作の時も、低級を作っては皆と笑いあってたなぁ。

 さて……どうしようかな。これだとギルドの横に病院は難しいかなぁ。


「なぁ蓮華。エスカレーター作って、道の上に病院を作れば良いんじゃないか?」


 横で話を聞いていたアーネストが、そう提案してきて驚いた。

 成程、その手があるか!


「アーネスト、お前天才か!?」

「自画自賛みてぇで蓮華に言われると空しいんだけど」

「コノヤロウ」


 まぁアーネストは置いておくとして、それは良い案かもしれない。

 陸橋(りっきょう)のように大通りを挟んで、その上に病院を建てれば良いって事だよね。


「ねぇ兄さん、こんな風に病院を建てれる?」


 兄さんに私とアーネストで、イメージの詳細を伝える。

 まずは陸橋と、その上に病院を建てるという事。

 病院への道は、エレベーター(自動で動く床)にして、病院に来る側と病院から出る側で半分にする。

 ずっと稼働は危ないので、エレベーターの最初の位置に足を着いたら魔法でゆっくりと進むように。

 元の世界であった技術を、魔法で更に便利になるように改良できるような提案をしてみた。

 問題となるのは魔力だったけど、大気中のマナを自動で吸収して効果を持続させる魔石を置く事で、解決できるとの事だった。

 流石、母さんと兄さんは私達の話を聞いて、イメージ通り、ううんそれ以上に再現してくれた。


「ホント、規格外よねアンタ達の家族は……」


 なんてノルンが言うけど、リンスレットさんを母親に持つノルンも変わらないと思います。


 病院の外観が完成して、中に入る。

 まっ白い空間で、外観と中の広さが一致してないのはご愛嬌。

 皆がずっと驚きっぱなしだ。


「ふぇぇっ……い、イシスちゃん、凄すぎてもうなんて言ったら良いのかわからないよ……」

「私もですミアさん。聖女だなんだともてはやされますが、この力に比べれば道端の雑草のようなものですね」

「あ、あはは……比べる必要はないんじゃないかな……」


 イシスちゃんのあんまりな言葉に、ミアちゃんも苦笑してしまっている。

 とはいえ、私はもう母さんや兄さんの凄さに慣れてしまっているからあれだけど、目の前でこんな事されたら普通は驚くよね。


「それじゃ兄さん、部屋を色々と作って貰って良い?」

「ええ、分かりました。間取りはどうしますか?」

「ノルンー」

「アンタね、難しい事は全部私に振れば良いと思ってんでしょ!?」

「ふふん、自慢じゃないけど、どの部屋がどれくらいの広さいるとか、分からない!」

「本当に自慢じゃねぇぞ蓮華……」


 アーネストが呆れてるけど、適当にやっちゃ駄目な部分だと思うから、素直に頼ってるんだよ。


「はぁ、ったく……必要なのは治療室と、患者を待たせる場所、それに受付も要るわよね。後、生徒達を住ませる場所も必要ね」

「同じ病院内に作るの?」

「出来るだけ危険から遠ざけないとでしょ。騎士六人で全ての生徒達を、行き帰りも守らせるつもり?」


 うーん、その為に母さんについてきてもらったんだけど……でも、病院で住むのもありかもしれない。

 一応聞いてみようか。


「皆、少し良い?私は皆に、この街でそれぞれに家を……って思ってたんだ。安全の為に、母さんに魔道具のお守りも渡してもらうつもりだった。けど、ノルンの言うように、病院の上に部屋を作る事も可能……可能だよね兄さん?」


 確認を忘れていたので、一応聞いておく。


「勿論ですよ。過ごすのに必要な部屋は全て作りましょう。台所に応接間、風呂に寝室、加えて望む部屋があれば聞きましょう」


 流石兄さん、一家に一人欲しい人材だ。

 その言葉を聞いて、皆の顔つきが変わった。なんていうか、目をキラキラさせてる。


「俺、体を鍛えるトレーニングルームとか欲しいんですけど、大丈夫ですか!?」

「私はゆっくり本を読める場所が欲しいです!」


 等々、色々と質問がきたけど、兄さんは一言で解決した。


「どんな部屋でも大丈夫ですよ」


 皆が湧き上がる。


「貴方達がアーネストと蓮華の力に成るのならば、ですが。二人の仇となる場合、この魔法は貴方達の刃へと変わる事を覚えておきなさい」


 一瞬で静まり返る。皆そんな気はないだろうけど、兄さんの殺気というか、圧に押されてる。

 うん、兄さん、その言葉はいらなかったと思うんだ……。


「え、えっと、皆最後の兄さんの言葉は気にしなくて良いからね。協力してくれてありがとう。給金もちゃんと出るから安心してね。部屋は無料で良いから」


 そう言ったら、また皆が騒ぎ出した。

 うーん、皆貧困ってわけじゃないだろうに、そんなに嬉しいものかな。

 まぁ私も元の世界で賃貸料金要らないとか言われたら嬉しかっただろうけど。


 そんなこんなで、病院の上の階に、皆の住む部屋を用意する事で決まった。

 部屋と言っても、扉を開ければ玄関があって、広さは普通の家と変わらない。

 おまけに物理法則を無視して二階まであるよ。病院の外観は普通の大きさなのに、病院の中に更に上の階があって、廊下にそれぞれの部屋の扉があって。その部屋の中に更に二階がある。

 うん、何を言ってるのか分からないかもしれないけど、私も何を言ってるのか分からなくなってきた。

 もうそういうものとして理解してる。多分、望めば三階だろうが四階だろうが作れるんだろうね。もう驚かないよ。


 ノルンが兄さんに部屋の割り当てを説明して間取りを作って貰っている間に、私は母さんと話をする。


「ねぇ母さん、一応この街では安全だと思うけど……魔道具どうしよう?」

「そうだねー。なら三度まで、自分の身を守ってくれるネックレスにして、渡してあげよっか」

「そんな魔道具があるの?」

「私が創ったからねー。一度目で、騎士達に連絡が行くように。二度目で、病院の自分の部屋へテレポートするように、三度目は保険だね」


 凄い、母さんはそんな魔道具まで作れるんだ。


「ありがとう母さん。結構手間だったんじゃない?」

「ふふ、私の研究のついでだから、なんともないよー。それにレンちゃんの為って思ったら、楽しかったよー」


 また母さんは、私の顔が赤くなるような事を平気で言う。


「ねぇレンちゃん。これが一段落ついたら、アーちゃんとロキと一緒に、街をまわろっか?」

「良いの母さん!?」

「勿論だよー。折角魔界に来たんだから、お買いものしよーよレンちゃん」


 そう微笑んでくれる母さんに、私も笑顔で答える。


「お、母さんと何話してんだ蓮華?」


 すると、さっきまで病院の中を見て回っていたアーネストが戻ってきた。


「病院の件が一段落したら、街を見て回ろうって」

「おお、良いなそれ!母さん大丈夫なのか?」

「うん、今日一日くらいなら離れても大丈夫なように調整してきたからね。大精霊の皆も居るからねー」

「うっし!そんじゃ蓮華、さっさと終わらせようぜ!」

「ちょ、引っ張るなアーネスト!というかこっちがメインだからな!?」

「分かってるって!兄貴とノルンのとこに行って、手伝えば早く終わんだろっ!」

「そうだけど、それだけじゃないからな!?」


 病院の事を街の皆に説明しなければならないし、ギルドの横に病院を建てた事を知らせにギルドにも行かないと。

 それだけじゃなくて、ポーションの件や依頼等々、話をつけなければならない事もたくさんある。

 母さんが街を見て回ろうといったのも、多分病院の件で知らせる為だと思っている。

 まぁ、単純に私達と一緒に居たいと思ってくれてるってのも勿論あるだろうけれど。


「会長、買い物に行くならこちらのリストにある物もついでにお願いしますね」

「ああ、任せ……。こ、こんなにか?」

「当面必要な物です。会長は蓮華さんと遊びに行くんですよね?なら構いませんよね?私は事務処理をずっとしているのに、会長は遊びに行くんですよね?」

「だー!分かったよ!つーか、お前もそれなら来れば良いだろ!こんなに買ってたら、見て回れねぇよ!」

「本当ですか!?なら私も行きますね!」


 アスモが頑張ってた。アーネストが項垂れてた。

 私は何も言わないよ、うん。

 買い物は、二人で楽しんでもらおう。アーネストが楽しいかはともかく。

 病院の事を広めるのは、私が頑張ろう。

 この街の配置はノルンから騎士組の皆に伝えてくれてるけど、現場を実際に確認して貰う予定だ。

 魔界には無かった病院という治療施設。

 私や地上の皆は、光魔法のイメージは回復魔法が主だ。だけど、光魔法を攻撃魔法と魔族の皆は思っているから、受け入れられるか不安ではあるけど……こればかりは、実際にやってみなければ分からない。

 怪我で死ぬ人を少しでも減らせるように……上手く行くと良いな。

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