表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

263/714

39話.水の街レヴィアス

 魔界のロッテンベリクの街へと戻った後。

 私達はそのまま街を出て、レヴィアタンさんの住む街であるレヴィアスへと向かった。

 途中で何度か集落を通り過ぎたけど、よくある貧乏な暮らしをしているというわけでもなく、皆表情は明るかった。

 少し前までは戦争で荒んでいたらしいけど、リンスレットさんの政策のお蔭なんだろうな。

 ダンジョンが近くにあるらしく、集落間での交流もあるみたいで、物流も盛んのようだった。

 小さな集落にも小さなギルドがあって、酒場と兼業みたいになっていたよ。

 この世界ではお酒は二十歳になってからとかないみたいで、小さな子も飲んでたのには驚いたけど。


 ギルドに途中で狩った魔物を渡して、ギルドポイントを少し貯めたりしながら、数日かけて首都レヴィアスへと辿り着いた。


「凄い!水の街だ……!」

「ええ、綺麗ね」


 街の中心には大きな女性の像があって、その手に掲げたツボから水が流れ出ている。

 その水は道の下を流れて、街全体へと流れているようだ。

 道は透明で、下に流れる水が直に見える。

 よく見ると魚も見えるし、人が泳いでいると思ったら、人魚だった。

 ここが、大罪の悪魔、嫉妬のレヴィアタンさんが居る街か。

 レオン君やリタちゃんも初めて見るらしく、楽しそうに街並みを見ている。

 さて、街を見て回るのは後だ。

 まずはレヴィアタンさんに会いに行かないとね。


「ノルン、レヴィアタンさんの居る場所は分かる?」

「さぁ?どうせ一番大きい屋敷じゃないの?」


 成程、確かにそうかな。


「というか、レヴィアタンに会うのは大精霊と契約した後にしなさいよ。アンタ絶対に面倒事に巻き込まれて、結局大精霊に行くのがまた遅れるかもしれないわよ」

「そ、そんな事……」


 ないよ、と言おうとしたんだけど。


「ここまで来るのに、どれだけ寄り道する事になったのか、忘れたとは言わせないわよ?」

「それ私のせいだけじゃないよね!?ノルンだって一枚噛んでるよね!?」

「だからよ。私とアンタが一緒に居るんだから、レヴィアタンと会って手紙を渡して、話をして何事もなくはいさよなら、なんてなる可能性は低いでしょ」

「うぐっ……」


 何も反論が出来ない。しかも、さりげなく自分も含めて言ってるから切ないよノルン。


「それじゃ、まずは大精霊の元へ行こうか。レヴィアスが一番近いって聞いたけど、どれくらい掛かるかな?」

「アンタなら一日も掛からないでしょ。私達は街を見て宿も取っておくから」

「え?一緒に行かないの!?」

「当たり前でしょ。大精霊と契約するのはアンタなんだし、私達が居たら邪魔になるかもしれないでしょ」

「そ、そんな事あるわけ……」

「ああ、言い方が悪かったわね。アンタとその大精霊は初めて会うんでしょ。だったら、大精霊の為にもアンタが一人で会ってあげなさいって事よ」

「!!」


 そっか、そうだよね。

 私にとって、ノルンやレオン君、リタちゃんは信頼できる。

 けど、大精霊にとっては初めて会う事になるんだ。私も含めて。

 ヴィーナスの時は、母さんがすでに知り合いだったから含めないにしても……自分との契約なんだ、ちゃんと一対一で話をしに行く方が良いかもしれないね。


「……ありがとうノルン。そうだね、一人で行ってくるよ」

「そうしなさい。その間に、私は私で情報を集めておくから」

「というかそれなら、ノルンがレヴィアタンさんに手紙を渡してくれても良いんだよ?」

「アンタが伝えた方が良いって話をもう忘れたの?」


 あ、そうだった。


「ま、私達は楽しませてもらうから、アンタは契約頑張りなさい。それじゃレオン、リタ、行くわよ」

「はいノルンお姉ちゃん!蓮華お姉ちゃん、頑張ってくださいね!」

「うん!蓮華お姉ちゃん、気を付けて行ってきてね!待ってるからね!」

「あはは、ありがとう二人とも。それじゃ行ってくるね!」


 と言って別れようとして思い出した。

 去ろうとする三人を追いかけ、ノルンの肩に手を置く。


「どうしたのよ蓮華」


 振り返って不思議そうに聞いてくるノルンに、私は真面目な顔をして答えた。


「場所、知らないんだけど」

「アンタね……他の大精霊召喚するとか、方法はあるでしょうが!」

「い、いやでもね、地上の時ディーネ……ウンディーネは知らないって言ったんだよ?」

「……そうなの?」

「う、うん。私がオーブの祠の場所までの道って分かる?って聞いたら、私が人間の世界の配置など、詳しいわけがないでしょう?って」


 口をあんぐりとあけるノルンが面白いとか思っちゃダメかな。


「はぁ、それじゃこの辺りの地図を買うわよ。地図は読めるわよね?」

「大丈夫。母さんからそのあたりの事は叩き込まれたよ」

「本当にアンタに関係する知識はしっかり身に付けさせてるのね。もうちょっと常識を身に付けさせて欲しかったけど」


 ノルンに言われて、苦笑するしかない。私の普通が普通じゃないってずっと言われるし。

 意外にも道具屋というか、地図を売ってるお店は入口のすぐ近くにあった。

 そこで地図を買ってから、今度こそノルン達と一旦別れる事に。

 この地図、レヴィアスの周りの詳細が描かれていて、近くにどんな魔物が生息してるとかびっしり書いてある。

 これなら迷うことなく進めそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ