表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第四章 魔界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

250/714

27話.異世界の魔王と勇者達との出会い⑤

 私達の世界、ミレイユ達にとっても異世界となるラースについて、大雑把にだけど説明をした。

 皆真剣に話を聞いてくれて、その後自分達の世界の話と、どうしてこの世界に来てしまったのかを教えてくれた。


 どうやら、ミレイユ達の世界を創った、イシュタリアという女神に飛ばされたという事だった。

 瞬間移動のように、私達と出会った場所に居て、魔物と出会った。

 そして、その魔物に自分を殺してほしいと懇願されたのだと。


「そっか……。まずは、謝らせてほしい。ごめんなさい、私は勘違いで君達を襲ってしまった。本当に、ごめんなさい」


 頭を下げる。

 私は頭に血が上ると、考えが直情的になってしまう事が多々ある。

 治さないととは思うんだけど……中々上手くいかない。

 そんな私に、照矢君が慌てたように話してくれる。


「いや、ちょ!頭をあげてください!それに、あれはミレイユの言い方にも問題があったって言うか!」

「なんじゃ、テリーは妾が悪いと言うのじゃな?」

「悪いって言うか、もうちょっと他の言い方があったろ!?」

「妾があの者の願いを聞き届け、殺したのじゃ。間違っておらぬ」

「あーもう!そういう所頑固だなミレイユは!?」

「なんじゃと!?」

「あー、まーたはじまったよ。すンませン蓮華サン、兄ちゃんとミレイユはよく口喧嘩するンですけど、すぐ収まると思うンで」

「あはは、仲が良いんだね。……それよりも、その魔物にされた人の言葉が気になるね」


 そう、利用されるって言葉。

 結果的に、彼はキメラと一体化した。

 それは、利用されたという事だろうか。

 彼の近くに転がっていた魔石も、キメラは取り込んだ。

 それから恐ろしい魔力を放つようになった。


「蓮華、あのキメラの死体、アンジェさんに見て貰うのが良いわね」

「うん、そうだね。でもその前に、ミレイユ達を元の世界へ帰す方法……心当たりがあるんだよね」

「「「「!?」」」」


 皆が驚いて私の方を向く。

 先程まで言い争いをしていたミレイユと照矢君も、一緒にこちらを見ていて、思わず笑ってしまう。


「うん、その人は私をこの世界へ呼んだ人でね。その世界を創ったっていう女神の事も、もしかしたら知ってるかもしれないんだ」

「あー……」


 ノルンはすぐに分かったんだろう。

 ちょっと前に、病院の事で戻ったばかりだけど、そんな事気にしていられないし。


「蓮華、良いのか?」

「こうして知り合ったのも、何かの縁だからね。あ、もちろん信じられなければ、自由にして貰っていいと思ってるよ。あくまで、提案だからね?」

「……いや、蓮華を信じるのじゃ。お主からは、精霊の加護を感じる。精霊は、悪しき者に力を貸さぬのじゃ。例外もおるにはおるのじゃが……そこまで数多くの精霊の加護を受けている者を、妾はこれまで見た事が無い。じゃから、お主が妾達を謀ろうとしていない事くらい、分かる。そして、それを抜きにしても……お主らの事は、信じられるのじゃ」


 そう優しい瞳で言ってくれるミレイユに、私も笑みを返す。


「ありがとう」

「礼を言うのはこちらなのじゃがな。レオナ、ケイはまだ起きぬのか?」

「ン、そろそろ強制的に起こすか」

「ちょ、待って玲於……」

「起きな、ケイッ!」


 私は凄い光景を、見た。


「ぎにゃぁぁぁぁっ!?そんな力一杯握っちゃダメですぅぅぅっ!?」


 凄い、あの大きな胸が、歪な形になってる。

 ノルンを見たら、顔が赤くなってる。多分、私もだろうけど。

 高校生の照矢君にも、刺激が強いんじゃないかな……うん、顔真っ赤で横向いてるけど、気になるのかチラチラ見ては顔を振ってる。

 微笑ましくて笑ってしまう。


 地面を割るくらい凄まじい力を誇る玲於奈ちゃんに握られたら、破裂しそうだけど……成程、これが手加減……なんて阿呆な事を考えつつ、目を覚ました彼女にも説明をした。

 名前はハルコ=ケイさんと言うらしい。

 なんでも、彼女の種族は魔狐族といって、特徴の一つに他種族から美味しそうに思われる匂いを出しているんだそうな。

 これがまた物理で食べるではなく、比喩的な意味での頂いてしまうという事で。

 つまり、伴侶というか(つがい)と言うか、そういう意味での、ある種の魅了してしまうらしい。

 だから、キメラはハルコさんを奪おうとしたみたいだ。


「サキュバスじゃないの、アンタ」

「あ、それ私も思ってたンよね」

「そんなぁ!?」


 ノルンと玲於奈ちゃんが意気投合してた。

 ハルコさんは涙目になってたけど。


「それで、ミレイユ達をその人の所に連れて行くのは良いんだけど……その前に、一度宿屋に戻りたいんだ。街に居る魔賊の情報を集めてくれてる子達が、戻ってるかもしれないから」

「ふむ、ならば妾達も共に行こう。邪魔でなければじゃが」

「ううん、そんな事ないよ。皆の強さはよく分かったし、何かあったら頼りにさせて貰うから」

「蓮華サン達に私らの力が必要とは思えないけど……自分の身くらいは自分で守っから、そこは安心して欲しいンよ」

「ふふ、了解」


 皆には、私が召喚された事は話したけれど、元男だったとかは話していない。

 混乱させるだけだからね。


「にしても、蓮華さんくらい綺麗なら、アイドルとかモデルとか成ってたんじゃないかな?俺はそういうの疎いけど、玲於奈は知ってたりしない?」

「それは私も思ったンだけどさ。私も何回も声掛けられたし、蓮華サンレベルの人が外を歩いてたら、声掛けられないわけないっしょ。でも、見た事ないンだよなぁ……蓮華サンレベルの人なら、絶対忘れねぇよ」


 ノルンがなんか言いたそうだけど、我慢してるのが分かる。

 うぐぅ、いっそ話しちゃおうか……。


「だから多分、蓮華サンとは時代が違うンじゃねぇかなぁ……」

「ああ、成程。確かにそうかもしれないなー。って事は、俺達の先祖の方か、もしくは未来かもしれないのかな?」

「そうかも。つか、蓮華サンは西暦……」

「はい、そこまでよ。そろそろ戻りましょ。もう休憩は十分でしょ?」

「うむ、質問攻めしては可哀相じゃでな」

「ぐっ……悪かったよ。同じ召喚された人で、こンな綺麗な人に会えたから興奮しちまったンだよ」


 そう頭を掻きながら言う玲於奈ちゃんも、女子高生のギャルというか、なんというか可愛い子だと思う。

 話し方もぶっきらぼうだけど、ハルコさんを助けようと、あのキメラに恐れず立ち向かった勇気も凄い。

 普通の女子高生なら、まず体が竦んで動けなかったはずだ。


「気にしないで。それじゃ、私達についてきてね」

「ン、ごめン蓮華サン」

「ふふ、玲於奈ちゃんは優しい子だね。大丈夫、気にしてないよ」


 そう言って微笑んだら、玲於奈ちゃんの顔が赤くなった。

 うーん、可愛い子だなぁ。


「お、お姉様がデレましたぁ!?」

「やかましいっ!」

「ぎにゃー!お姉様の愛が痛いですぅ!?」

「だから愛じゃねぇンだよっ!」


 なんというか、玲於奈ちゃんとハルコさんは、これが普通なんだろうか?

 周りを見たら、皆頷いた。

 うん、何も言うまい。

 

 それから宿へ戻ったら、女将さんが手紙を預かったと言うので、部屋に戻って読んでみる。


――――――――――――――――――――


蓮華お姉ちゃん、ノルンお姉ちゃんへ



魔賊の人達が集まっている場所が分かりました。

この街の外れにある、大きな屋敷です。

魔賊の正式名称はナイトメアと言うそうです。

まだこれくらいしか分かりませんでした、ごめんなさい。

僕達はもう少し、屋敷に潜って情報を集めてみます。


レオン、リタ



――――――――――――――――――――


 レオン君、リタちゃん……!

 これだけの情報を得るのも、大変だったはずだ。

 まだ、あの二人は幼い。

 頑張りすぎないように、言ったつもりだったのに……!

 ノルンにもこの手紙を見せると、顔色を変えた。


「あんの馬鹿はっ!すぐに追いかけるわよ蓮華!」

「うん、当然!皆はここで待っていて、すぐに片づけてくる!」


 そう伝えて、ノルンと共に外へ出ようとした。


「待つのじゃ。何があったのか知らぬが、状況から察するに、人手は多い方が良いのではないか?」

「それはっ……!」


 確かに、もし魔賊にあの子達が捕らわれていたら、助け出す人は多い方が良い。

 だけど、それを今出会ったばかりの人達に……そう考えていたら、嬉しい事を言ってくれたんだ。


「水臭いぜ蓮華サン。蓮華サンは私達の事、信じてくれたじゃン?なら、同郷のよしみってのもあるし、力貸すさ」

「ああ!勇者は人助けするもんだからな!」

「魔王と勇者が今なら超特価の0ゴールドで、雇えますよ~?」

「っ!あはは。そっか、それは買うしかないね。皆、力を貸してほしい!」


 力強く頷いてくれた皆と共に、手紙の場所へ向かう事にした。

 どうか無茶をしないで!レオン君、リタちゃん――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ