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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第一章 オーブ編

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20.蓮華vsアーネスト

 アーネストと共に広場に出る。


「久しぶりって程でもないけどさ、なんかちょっと楽しみだよ蓮華」


「楽しみ?」


 アーネストがニヤっと笑って言う。


「俺さ、異世界にきて、外の奴らの強さに期待してたんだけど……」


 ああ、そういう事か。


「でさ、多分蓮華も同じだろ?」


 頷く。


「だよな。だから……蓮華と戦いたかったんだ」


「アーネスト、手加減したら、怒るぞ?」


 言いながらソウルを構える。

 アーネストが不敵に笑う。


「それはこっちのセリフだぜ蓮華」


 二人、武器を構える。

 静寂が訪れる。

 アーネストが叫んだ。


「行くぜ!蓮華っ!」


 瞬間、アーネストが消えた。

 だが、私の剣界に入ってきたので反応する。


 ギィィィン!!


「つぅっ……流石、やるなアーネスト!」


 腕が痺れる。

 凄いパワーだ。

 刃を払い、アーネストが後ろに飛ぶ。


「へへっ……やっぱ蓮華はすげぇ!そうこなくっちゃな!」


 またアーネストが消える。

 だが、今度は追える。


「そこ……だぁぁっ!」


 ギィィィン!!


「うぉっ!?マジかよ蓮華、もう追いつくか!」


 刃を鞘へ。

 魔力を込める。

 アーネストが身構える。


「喰らえアーネスト!『地斬疾空牙』!!」


 風の刃がアーネストを襲う。

 だが。


「相殺してやるよ!『空破裂空斬』!!」


 ズバァァッ!!


 私の『地斬疾空牙』を容易く斬り裂いた。

 思わず、体が震えた。

 そうだ、こうでなければ。

 こうでなければ、面白くない。

 私はきっと、笑っている。

 アーネストも、笑っているのだから。


「やるな、アーネスト。やっぱ、こうでないとな」


 私はソウルを再度構える。


「蓮華、お前はやっぱ強いよ。少しの間旅をしたけどさ、どいつもこいつも相手にならなかった。お前もそうだろ?」


 私は無言で肯定する。


「俺さ、お前を守る為の力を求めてる。だけど同時に、矛盾だけど……お前に勝ちたいんだよな」


「良いんじゃないか、それで」


 アーネストが驚いた顔をする。


「私はお前に守ってほしいなんて思ってないし、私だってお前に何かあったら、全力で守るぞ。だから、お互い様だ。それを踏まえて、私もお前には負けたくないからな」


 そのセリフに、アーネストはキョトンとした顔をしてから、笑い出した。


「ははっ。ははははっ!そうだな、そうだよな。ああ、そうだった。だってお前は俺なんだもんな、そりゃそうだよな」


 なんか一人で納得してる。


「さぁ、やろうぜ蓮華。どっちかがぶっ倒れるまで、勝負だ蓮華!」


「望むところだ、アーネスト!!」


 お互いの姿が一瞬で目の前から消える。

 流石にアーネストは速い。

 私はアーネストを追うが、中々追いつけない。


「なら、動きを止めてやる。『フォレストバインド』!』


 一時で良い、止めてやると放った魔法だが……。


「おせぇっ!そんなもんに捕まるか!」


 と、アーネストは避ける。

 あの魔神をも捕まえた魔法なのだが、アーネストにはかすりもしない。

 体が震える。

 恐怖からじゃない、嬉しさで。

 やはりアーネストは強い。


「取ったぜ、蓮華!」


 と後ろから剣を振るってくる。


 ギィン!


「分かってるさアーネスト」


 振り返らず、ソウルで受け止める。


「チッ……けど、俺の武器は二刀だぞ蓮華!」


 言ってもう片方を振り下げようとするアーネスト。

 だが、私の方が先に唱えている。


「『フレアトルネード』」


 私を中心に炎の嵐が吹き荒れる。


「ぐぁぁっ!?」


 アーネストが吹き飛ばされる。

 魔法を消す。


「どうだアーネスト、熱いか?」


 って聞いてやる。


「あっちち、このやろう、自爆技とか性質が悪いぞ」


 自爆技?


「よく見ろアーネスト。私は無傷だろ?」


 そう、魔法壁を張っているのだ。私に私の魔法は効かない。


「おま、卑怯じゃね!?」


 なんて言ってくるが、れっきとした戦法だ。


「アーネストは一対一の戦いに優れてるけどさ、私は多対一の戦いのが得意なんだよね」


 と言ってやる。


「まぁ確かに、魔法はそーいうのに強いよな。蓮華は魔法に溜めがねぇから、気付いたら発動してるしさ、いくら俺でもそう避けられねぇよ」


「でもアーネストだって、強化魔法の重ね掛けしてないだろ。それしたら、私にだって目に追えないはずだし」


「いや、あれしたら俺もダメージでかいんだよ。それこそ自爆技だから、どうしようもないって時以外あんなの使えねぇよ」


「成程」


 それだけ、厄災の獣が強かったという事か。


「はぁ、しっかし、やっぱ蓮華は強ぇなぁ」


「アーネストもな。私が全力を出しても良い相手なんて、限られる事が分かったよ。今後は、分からないけどね」


 その言葉に。


「蓮華の知り合った奴らか?」


 と聞いてきたので、コクリと頷いた。


「そっか、なら俺もうかうかしてられないな。もっと修練積まねぇと。蓮華に離されちまう」


「はは、アーネストは私より強いだろうに、よく言うよ」


 驚いた顔をするアーネスト。


「いや、なんで驚くのか分からないけど。だってアーネスト、母さんの魔術回路があるんだろ?それ今回も使ってないじゃん。それで互角なのに、母さんの力まで使えるアーネストに、まだ勝てる気がしないよ」


 と正直に言った。

 そう、まだ。

 今はまだ、だ。

 いつか、追い抜いてやる。

 アーネストは何か考え込んでいるようだけど……。


「俺、もっと頑張るよ」


 と言っていた。

 よく分からないけど。


「ああ、頑張れ。私を守ってくれるんだろ?」


 って言っておいた。


「もちろんだ!」


 笑顔でそう返してくれた。


「さて、続きやるぞアーネスト。倒れるまで相手してくれるんだろ?」


「おう、今日は寝かせねぇぜ!」


「変態か」


「ちげぇぇぇ!!」


 叫ぶアーネストが面白かった。



-マーガリン視点-



 アーちゃんとレンちゃんの戦いを見守る。

 やはり、二人の実力は高い。

 地上の最高戦力であるロイヤルガードやインペリアルナイトの力を持ってしても、二人には遠く及ばないだろう。

 それほど、二人の力は高すぎるのだ。


「中々の力ですね。あれなら、魔神を相手にしても簡単にはやられないでしょう」


 ロキが言う。


「でも、今回の事で、レンちゃんは目を付けられた。魔神の分身体とはいえ、倒してしまったのだから」


 そう、レンちゃんが言っていた魔神・ゼクンドゥスは、高位の魔神だ。

 本体を残し、分身体を動かす狡猾さもある。

 分身体は本体より力は劣るとはいえ、それでもかなりの魔力量を誇る。

 あの魔神・ゼクンドゥスならば、尚更だ。

 例えロイヤルガードやインペリアルナイトであったとしても、勝てたかどうか分からないのだ。


「その点は大丈夫ですよマーガリン。私が釘を刺しておきましたからね」


 その言葉に安堵する。けれど


「でも、貴方以上の存在は、貴方の言葉を聞くかしら?」


 そう、ロキは確かに最高位の神だ。

 けれど、中にはそれ以上の神も存在するのだ。


「さて、それは分かりませんね。けれど、もし蓮華に何かするようなら……私は私以上の存在を相手にしても、引くつもりはありませんよ」


 そう、言ってくれる。

 あのロキが。

 心底驚いたけれど、それと同時に思う。

 私のした行いが、良い方向に向かってくれた事。

 そして、私の最高に運が良かった事が、アーちゃんとレンちゃんという宝物を召喚できた事。

 今も戦っているアーちゃんとレンちゃんを見る。

 楽しそうに戦っている二人を見ながら、つい微笑んでしまう。

 大好きなこの二人に、何かできる事をしてあげたい。


「ロキ、見ていてあげてくれる?私は二人が疲れた後に、美味しいご飯を食べさせてあげたいから」


 だから、美味しいご飯を作ってあげる事にした。

 ロキは微笑んだ。


「お任せください、マーガリン師匠」


 見る者を魅了するような顔で、そう言うのだった。

 それを見て、つい。


「マーリン師匠って言ってくれても良いのよ……?」


なんて希望を聞くわけがない事を分かっていながら、言ってしまう私だった。



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