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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第三章 学園編

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205.弐の頭と六の頭

-カレン視点-



 ヴィクトリアス学園へと馬を走らせる。

 一秒でも速く、疾く!

 そう思いながら馬を走らせていると、ヴィクトリアス学園の方からまた一つ、頭が這い出るのが確認できた。


「カレンお姉様……!」


「ええ、分かっています。まずあちらに向か……」


 そうアニスに言い終える前に、スマホに連絡が来る。

 それは、アーネスト様からの連絡。


”明は助けた!今出た頭は、俺達が対処する!”


 そう簡潔に書いてあった。

 流石です、アーネスト様。


「アニス、私達は最初の頭の元へ」


「はい、カレンお姉様!」


 再度馬を走らせる。

 もう少しでヴィクトリアス学園の敷地内に入る、という所で、すぐ近くで大きな地響きが起こる。


「これはっ!?」


「ヒヒィィィンッ!?」


 地面から”何か”が這い出てくるのを、馬から飛び降り避ける。

 馬はそのまま”何か”に食われてしまった。


「大丈夫ですかカレンお姉様!!」


 駆け寄るアニスに大丈夫と告げ、出現した頭を見上げる。

 これが、八岐大蛇の頭の一つ……!


「倒しますわよ、アニス!」


「はい、カレンお姉様っ!」


 私は剣を、アニスは大鎌を構える。


「「ハァァァァァッ!!」」


 その大きな首に一撃を入れる。


 キィィィィンッ!!


「くっ……!か、硬いですわねっ……!」


 凄まじい強度を誇るその首に、傷一つ入らない。


「カレンお姉様!」


 アニスの呼びかけに頭を見ると、その口を広げ、火の塊が見えた。


「確か弐の頭が、煉獄の頭と書いてありましたわね。地獄の火炎という広範囲ブレスですわね、避けますわよアニス!」


「はいっ!」


 瞬間、凄まじい炎が辺りを焼き尽くす。


「この大蛇、狙いを私達に定めておりませんわねっ!?」


「舐めてくれますね。全て、凍らせるですよ!『アブソリュート・ゼロ』」


 凄まじい冷気を発し、アニスが唱える最上級氷魔法。

 先程まで炎に包まれていた大地が、一気に氷の大地へと変わる。

 それには驚いたのか、大蛇の視線がこちらへ向く。


 ゴゴゴゴゴゴゴッ!!


 再度、大きな地響きが起こる。


「「まさかっ!!」」


 ドオオオオオオオッ!!


 二頭目の大蛇の頭が、出現した。

 私達は、巨大な大蛇に挟まれる形となる。

 アニスと背中合わせに、大蛇を睨む。


「カレンお姉様、あの炎の大蛇は私に任せてください。必ず、私が倒して見せます」


「ええ、任せますわアニス。私は今出たこの頭を始末しますわ。早々に倒し、蓮華お姉様にお会いするのですわ!」


「はいっ!」


 私達は、大蛇に向かい駆ける。

 目の前の大蛇は、口から氷のブレスを吐いてきた。

 成程、私達炎と氷の姉妹に、氷と炎で挑みますか。

 その傲慢、死をもって償わせて差し上げますわっ!

 蓮華お姉様から頂いたこの力、研鑽を積まなかった日はありません!

 氷のブレスを避け、首を駆け上がる!

 途中、氷塊を幾度となく生み出してくるが、それらを全て炎を纏わせた剣で薙ぎ払う。


「しゃらくさいですわっ!その程度の氷の魔力、私の自慢の妹の足元にも及びませんわよっ!!」


 そして、頭に到達する。

 その巨大な眼に、私は全力で一撃を入れる!


「弾けなさいなっ!『ソード・エクスプロージョン』!!」


 ドゴオオオオン!!


 炎を最大に纏わせた剣の一撃。

 それを直撃させる。


「ギャァオオオオオオン!!」


 凄まじい音量に、耳を塞ぎたくなる。

 暴れる頭に、私は体を支えきれず、空に投げ出されてしまい、地面に降下し始める。

 ふふ、私としたことが、これは考慮しておりませんでしたわね……。


「カレンお姉様っ!?」


 アニスの叫び声が聞こえる。

 ごめんなさいアニス、まさかこんなあっけなく、終わる事になるなんて……。

 最後にもう一度、蓮華お姉様にお会いしたかったですわね……。

 そう目を瞑った私に、落下する重力が消え、浮遊感を感じる。

 え……?

 そう思って瞳を開く。

 そこには、美しく、優しげに微笑む、待望のお方が居た。


「大丈夫?凄いよカレン、あの頭を一撃で弾き飛ばすなんて」


 そう、笑って言って下さる蓮華お姉様に、私は感情を抑える事が出来なかった。


「蓮華お姉様……!私、私、頑張りましたのよ……!蓮華お姉様に認めて貰えるくらい強く、強くなりたいって!ただそれだけを想って……!」


 そんな私の言葉に、蓮華お姉様は言って下さった。


「本当に強くなったんだね、ビックリしたよ。今度は、私が力を貸してもらっても良いかな?カレン、アニス」


 地面に着地し、アニスが駆け寄ってくる。


「カレンお姉様っ!良かった、良かったです……!!私、カレンお姉様が、死、死んでしまうのではないかって、良かったです……!」


 目に涙を浮かべ、アニスがそう言ってくれる。

 ああ、私は最愛の妹を残して、何を考えていたのか。

 私は、死ねない。

 簡単に生を諦めるなんて、してはいけない事だった。


「蓮華お姉様っ……ありがとう、ございます……!」


 泣きながらそう言うアニスに、蓮華お姉様は微笑んで、頭を撫でてくださっていた。


「うん、無事で良かった。二人とも強くなったね。さぁ、戦いはこれからだ。まだこの二頭は生きてる。一緒に、戦おう!」


 そう言って、刀を構える蓮華お姉様。

 私達は、こんな時だと言うのに心が湧き上がるのを感じた。

 あの憧れた、蓮華お姉様から……共に戦おうと、言ってもらえた。

 蓮華お姉様と、一緒に戦える……!


「「はいっ!蓮華お姉様っ!!」」


 私達は、言葉を揃える。

 敵が誰であろうと、今の私達は負ける気がしない。

 だって隣には、最愛の妹が。

 そして、蓮華お姉様が居てくれる。

 八岐大蛇、覚悟なさいませ。

 私達を敵に回した事、後悔させてあげますわ!



-カレン視点・了-



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