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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第三章 学園編

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202.伝わる情報

-カレン視点-



 国王陛下を直接お守りしているセシルと会話し、無事を確認後場内の一掃を図る。

 仮面の兵達が多数侵入していたが、私の率いる騎士団で軒並み排除できた。

 そんな折、アリスティア様の連絡があった。

 ヤマタノオロチ……。

 巨大な化け物が、地上を襲うと。

 すぐに国王陛下に話を通し、騎士団を使って民の避難を命じて頂いた。

 ユグドラシル領はとてつもなく広い。

 しかも、全ての国から隣接しているのに、結界により中に入る事はできない。

 その結界の外周を、解いて頂けるとの事だった。

 私も騎士達に民達の避難誘導を命じた。


「ローガン、貴方が私に変わり、指揮をお取りなさい。良いですわね?」


「ハハッ!」


 ローガンは、私はどうするのか、と聞きはしない。

 私が何をするつもりなのか、理解しているのだろう。

 そんな忠臣の部下であるローガンに微笑み、私は馬を走らせる。

 もう決着はついているかもしれない。

 その時、立っているのは貴女でしょう?アニス……!


 アニスと別れた場所へ辿り着く。

 現場には騎士も民もおらず、瓦解した住居の数々が、大きな欠片となって散らばっている。


「アニス……!」


 私の言葉に、返事が聞こえる。

 愛しい双子の妹の、優しい声が。


「カレンお姉様、お帰りなさいませ。少し時間が余りましたので、仮面の兵達もいくらか捕縛しておきました」


 そう、微笑みながら言うアニスに、私も笑みが零れる。

 後ろには、"ウロボロス"十傑の一人、剛毅と名乗っていた男が鎖で縛られ、地面に転がされていた。


「お疲れ様アニス。後の事は騎士達に任せましょう」


「はい。それよりも、ヴィクトリアス学園、ですねカレンお姉様」


 そう真剣な表情で言うアニスに、相槌を打つ。


「ええ、そうですわ。ヤマタノオロチ……放置するわけにはいかないですわ」


「はい。カレンお姉様、私はどこまでもお供致します……!」


 そう言ってくれるアニスの頭を撫でる。

 アニスは目を瞑って、そのまま撫でられる。

 可愛い妹を愛おしく思いながら、言葉を続ける。


「それにきっと、蓮華お姉様もヴィクトリアス学園に向かうはず。私達の強くなった姿を、蓮華お姉様にお見せするのですわ!」


「はい、カレンお姉様!!」


 自国は私の部下達とセシルに任せておけば、もう大丈夫だろう。

 元凶を叩く為、私達はヴィクトリアス学園へと馬を走らせる。

 その先に、私達が憧れ……尊敬し、目指したお方が居るのだから。



-カレン視点・了-



-春花視点-



 街を襲っていた仮面の人達は、大方捕縛したと思う。

 今はバニラ様が指揮をとっているのを、ぼけ~っと見ている。

 相変わらず、別人みたいにキビキビと指示を出すバニラ様は、凄くカッコいい。

 そんな風に眺めていたら、バニラ様がこちらへと笑顔で来た。

 うわわわっ!?


「ありがとう春花ちゃん。春花ちゃんのお陰で、この国の被害は本当に小さかった。後で国王陛下からも下賜を賜れると思うわよぉ」


 ひぇぇ、王様となんて会ったら、気絶しちゃいますぅ!?

 総理大臣とか、アイドルグループの方達とかと会うみたいなものなんですけどぉ!?


「あらあら、春花ちゃんは苦手そうねぇ」


 なんて頬に手を当てて苦笑するバニラ様。

 はぅ、絵になるんですー!


 ゴゴゴゴゴゴッ!!


 なんて呆けていたら、突然の地響きに驚いちゃいました。

 バニラ様はスマホを確認されて、笑みを消し、真剣な表情をされていた。

 ど、どうしたんだろう。

 きっと、良くない事が起きたんだよね。

 こういう時、漫画でもアニメでも、大抵何かが起こるもん。


「春花ちゃん」


「は、はい!」


 突然真剣な表情のバニラ様に声を掛けられて、姿勢を正す。

 何を言われても、ちゃんと返せるように。


「ヴィクトリアス学園にね、八岐大蛇っていう巨大な蛇が出現するそうなの」


 はい?山田の卸しってなんです?

 違う、阿呆ですか私は!

 ヤマタノオロチ、八岐大蛇ぃぃぃ!?

 あの、八つか九つか知らないですけど、顔、じゃなくて首があるやつですー!?


「っ~!?」


 ちゃんと返事をしようと身構えていたのに、想像の斜め上をいっていたので、言葉にできなかった。

 そんな私に、バニラ様は言う。


「私は、この国の民達をこれから避難させるわぁ。国王陛下にも知らせにいかなくてはならないし……こんな事を春花ちゃんに頼むのは、本来間違っているのだけれど……その力を、貸してもらっても良いかしらぁ……」


 私を気遣うように言って下さるバニラ様。

 私は、バニラ様のおかげで、この地上で生きてこられた。

 バニラ様が居たから、私は楽しい毎日を送れてる。

 だから、だから!そんな顔をしないで欲しいです。

 そんな気持ちをのせて、精一杯明るい声で返事をする。


「まっかせてくださいバニラ様!そんな蛇、大根おろしにして皆に出しちゃいますから!」


「!!ふふ、ありがとう春花ちゃん。でもね、春花ちゃんも我が社の大切な受付嬢なんだから、無理はしない事。良いわねぇ?」


 そう微笑んで言ってくれるバニラ様に笑顔で返し、私はヴィクトリアス学園に向かう事に……えと、ヴィクトリアス学園って、どこです?

 固まった私を見て、バニラ様は笑う。


「うふふ、春花ちゃん、場所が分からないのよねぇ?」


 ぎゃー!もろばれですぅ!


「春花ちゃんは昔っからそそっかしい所があるからねぇ。ちょっと待っててね、道案内をしてくれる魔道具を用意させるからぁ」


「は、はい!ありがとうございます!」


 そうして、バニラ様の部下の方から魔道具を受け取り、それを使用してヴィクトリアス学園へ向かう。

 え?どうやってって、もちろん走ってです!

 走った方が速いですから!!

 待っててくださいね!今春花が参りますっ!!



-春花視点・了-



 こうして、各国を救助してきた実力者達が、ヴィクトリアス学園へと集おうとしていた。


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