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二人の自分 私と俺の夢世界~最強の女神様の化身になった私と、最高の魔法使いの魔術回路を埋め込まれた俺は、家族に愛されながら異世界生活を謳歌します~  作者: ソラ・ルナ
第三章 学園編

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200.激戦 ☆

「喰らえ!『音速剣(シルファリオン)』!!」


 ノルンの放つ最速の剣技を、大蛇は避けながら魔法を放つ。


「『魔炎粧・轟炎』!!」


「その魔法は前回見たわ!そう何度も喰らうものですかっ!」


 『ワープ』を使い、大蛇の背後を取るノルン。

 大蛇が振り向き、対処しようとするが、アスモデウスの剣撃が襲う。


「隙ありですねぇ。『インスクライブレッドソウル』」 


 凄まじい剣の乱舞を受け、後ずさる大蛇に、後ろからノルンの一撃が襲う。


「もう一度!『音速剣(シルファリオン)』!!」


 ズバァッ!!


「ガッ……!」


 今度は避けきれず、直撃を受ける大蛇。

 アスモデウスとノルンのコンビネーションに、押される大蛇。


「ククッ……良いぞ、お前達は強い!認めよう、私の敵足りえると!」


「認められても嬉しくないですねぇ……さっさと死んでくれる方が、お姉さん嬉しいんですけど」


 そう言いながらも、アスモデウスは手を緩める事はない。

 一方、アリスティアとイヴもまた、互角の戦いをしていた。


 ガン!ガン!ドガガガガッ!!


 ズザァァァァッ!!


「ぷはぁっ!イヴちゃんって言ったっけ?強いねー、私とここまでやりあえるなんて、驚きだよー!」


「アリスティア、ここまで強いのは想定外。さっさと、沈めっ……!」


 二人の少女達は、目にも映らない速度で殴り合う。

 体制を整える為に距離を開けようと片方が飛ぶと、そうさせまいと追いかける。

 それを繰り返しながら、自分の間合いを確保しようと、制空圏を奪う殴り合いであった。

 常人ではとらえきれない速度で放たれる拳の乱打に、避けられた拳は岩を砕き、道を半壊させる。

 拳から放たれる衝撃波は、触れた物を破壊していた。


「そこだぁっ!!」


 ゴスゥ!!


「っ!?」


 ドゴオオオオンッ!!


 アリスティアの一撃を腹に受け、空中から地面へと叩き付けられたイヴは、口から血を零す。

 そこへ、アリスティアは更に追撃を仕掛ける。


「ぶっとべぇぇぇっ!!」


 ゴスゥゥゥゥ!!


「あぐぅっ!!」


 ベキベキベキッ!!


 地面に凄まじい大きさのクレーターが出来る。

 イヴはここにきて、地力の差を感じ始める。


「ゴホッゲホッ……あな、たは……弱ってるって、聞いて、た。なん、で、そんなに、強い……」


 そう血を吐きながら問いかけるイヴに、アリスティアは笑って答える。


「そんなもん、決まってるよー。私が負けたら、悲しむ人が居るの。だから私は、負けられないの!その人の期待を、想いを、守りたいもん!」


「守り、たい……想い……そっ…か、私は、そんなの、ない、や……負けて、当然だね……」


 ドサァ!


 そうしてイヴは倒れる。

 その表情は、どこか晴れやかだった。


「強かったよイヴちゃん。また目が覚めたら、話そうね」


 そう言い、イヴの元を離れ、大蛇の元へ向かう。


「イヴが負けたか。流石はアリスティアという所なのか、それともイヴが大した事は無かったのか……」


「イヴちゃんは強かったよ。さ、後はお前だけだよ!観念しろー!」


 そう言うアリスティアに、大蛇は笑い出した。


「ククッ!ハハハ!ハハハハハッ!!」


「「「……」」」


 ひとしきり笑った後、大蛇は答える。


「そうだな、諦めよう」


「「「え?」」」


「勘違いするな。この体での勝利を、諦めるだけだ。お前達が暴れてくれたおかげで、地下の封が解けかかっている。これならば、俺の精神が入る事が可能だろう」


 その言葉に、反応する者が居た。

 そう、アリスティアである。


「!?学園の地下にって、ま、まさか貴方、八岐大蛇!?」


「「!?」」


「ククッ!そうだ、原初の神であるお前は知っているか。私は封じられている間に、この体を表に出し、力を蓄えた。そして、今度はこの地上と魔界の生物の力を喰らい、神をも超えてやろう……!」


「させるかぁっ!!」


 そう飛び掛かるアリスティアだったが、大蛇の姿は霞み、当たらなかった。


「無駄だ、もう私の精神の大半は移動している。さぁ、恐怖に慄け……地獄の始まりだ……!」


 その姿が消える。

 瞬間、地響きが起こる。

 まるで世界全体が揺れているかのような、そんな揺れ。


「な、何がどうなってるのアリスティアさん!?」


「……怪獣大決戦、かな」


「え?」


 ノルンが素っ頓狂な声を上げる。


「言い得て妙なのが辛い所ですね……八岐大蛇……勝てると思います?」


 半ば呆れているアスモデウスに、アリスティアは言う。


「皆をユグドラシル領に避難させよう!じゃないと、踏み潰されて死んじゃう!全国の皆に知らせないと!」


「「!!」」


 そうして、動き始める。

 鳴りやまぬ地響きに、皆が何事かと不安に駆られていた。



-ウロボロス内部-



「そうか、辿り着けたか、大蛇」


 そう独り言ちているのは、バルビエルだった。


「地上の者達だけならば、表の十傑でもなんとかなったであろうが……やはり、邪魔をするのは奴等か」


 バルビエルは、タカヒロの体に憑依し、戦った者達を連想していた。


「ユグドラシル様の為……そしてウルズ様の為……俺も命を掛けて、地上へ行くか」


 天上界の者にとって、地上のマナは毒になる。

 それは、人間にとって空気が全て二酸化炭素に変わるようなもので、長く留まる事ができないのだ。

 だからこそ、バルビエルはこんな手段をとっていた。


「大蛇よ、お前は戦えればそれで良いのだろうが、俺はそうではない。その先が無ければ、俺には意味がないのだ」


 バルビエルは、決意を秘めて地上へ赴く。

 最後の戦いが、幕を上げようとしていた。

 


イクスさんからFAを頂きました。

この場でご紹介させて頂きますね。


挿絵(By みてみん)


ウロボロス十傑、漆黒の刃"奏音"ですね。

200話記念ありがとうございます。

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