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五十五撃目

ガタガタ揺れる馬車に揺られ田中がバケツの中に嘔吐する。


王にそれなりの馬車を用意してもらったが、断って荷台の馬車にしてもらって良かったと心から思う。


豪華な馬車でも揺れは変わらないし、何より臭いが篭るからだ。


ちなみに私は、馬車では無く1人で馬に乗っている。


久しぶりの乗馬で、内腿がプルプルいっている。

地球で怠け過ぎたからだ。


途中で宿場に2泊したが、ほぼ休みなく進む。


3泊目は半野宿だ。


本来宿場町のある場所であるが、今は人1人残っていない。

ドラゴンの影響である。


明日は、ドラゴン探しに本腰を入れなければならない。


「田中殿、大丈夫か?」


うーん…と、唸るだけで返事がない。

だから、あれほど待っておれと言ったのに…。


「明日は、ドラゴンに対峙するかもしれんぞ?そんな、状態じゃ足手まといだ。

帰った方が良いと思うぞ」


…返事がない。


仕方ない。

田中はほっておこう。

他のメンバーに明日の指示を出す。


ドラゴンを、刺激しないようメンバーは少人数だ。


2人はこの村に荷馬車と共に残ってもらい食料等の確保をしてもらう。

3日たっても戻ってこない場合は王都に帰る事にはじめからなっている。


残り3人。

騎馬隊で、馬の扱いには慣れている。


この3人と私は、それぞれ別行動を、とり何かあった時には発煙筒を炊く様に指示をした。


2色の発煙筒を、渡してある。

1色の発煙筒は、ドラゴン発見時。


もう1色の発煙筒は、近くの騎馬からドラゴン発見の発煙が確認された場合、もしくは何かトラブルがあった時に炊く様にしてある。


そうすれば、ドラゴン発見後どこに集まれば良いのかわかりやすいからだ。


「とにかく、ドラゴン発見したら全力で逃げてくれ、決して攻撃をしてはいけない。


今回は話し合いに来たのだ。


そして、どうしても逃げられそうにないとき、話し合いに来たのだと叫べ」


「叫んだところで攻撃されたらどうしますか?」


「1人でドラゴンに勝てるわけがない。

逃げ切れなかったら死ぬだけだ。

だから、必死に逃げろ。


怖いなら明日帰ってもらっても構わない。

むしろ、その時はやはり田中も連れ帰ってくれ」


「の…残りますよ僕」


ようやく田中が言葉らしい言葉を発した。


「いえ、自分は残ります!

そのために志願してしたのですから!」

騎士の1人が胸を張る。


ギラギラしているな…ドラゴンに、攻撃しなければ良いのだが…。

不安になる。


「何度も言うが我々はドラゴンと戦闘しに来たのではなく、ドラゴンが何故暴れているのかを探り、ドラゴンの意に沿った行動をとり、暴れるのを鎮める為に来たのだ。


もう幾人も賢者や騎士、農民などがドラゴンの犠牲になっている。


古い文献とは違い並大抵の事がない限りドラゴンには太刀打ちできないのだ。


できるだけ穏便に事を済ませたい。

わかるか?」


3人は真剣な眼差しでこちらを見る。


本来なら指示を出すのは騎士である彼らの方だ。

いち兵士が何を生意気に…と、心の中では思っているかもしれない。


3人の出身は私と同じ底辺の貴族だ。

出世を目指し志願したのかもしれない。

そう思うと複雑な気分になった。

よろしくお願いします

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