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四十一撃目

「おーぃ!田中殿?聞こえてますかー?」

何度目声かけしただろう?

瞬きも、せず動かない。


「どうしたのだ人間よ?動かぬならこのままくってやろうか?」

ハムスター姿のまま冗談なのか本気なのかわからない事をタルッタが呟いた。


「ダメだ!もうこの世界の人間に害を及ぼさないと約束したじゃないか!」


フンと、タルッタが鼻を鳴らし腕組みならぬ毛づくろいを、始める。

うん、この姿だと威圧感が無くて良いな。


「約束、守る」

ルモエラもタルッタをたしなめる。


「それは人間らの協力が実現されたらだ。

こいつらが協力してこないなら我は、この世界を住みやすくするだけだ。


だから、殺されたくなければ早く動くのだ人間よ」


その言葉に田中がピクリと動いた。

そして、タルッタを見る。


「このまま、手で叩き潰す事は…できないんですよね?」


…田中もだいぶ物騒な事を言う。

キャラ違くないか?


「これ、失礼な事を言うな。

見た目はこんなんでもお前ごとき直ぐ消し炭にできるのだぞ」


ハムスターが田中を、脅す。

…いや、ハムスターでは無かった、タルッタだ。


田中がため息をついた。


「協力…とは、どう言う事ですか?説明お願いします」


そう質問され、事の顛末を話した。


タルッタの動機、ルモエラの存在。

火曜日の国際展示場での出来事。

コッコアルットが転移魔法をイベントで仕組んだ可能性がある事もだ。


田中は、頭を抑えながら話を聞いていた。

「なるほど…では、僕と小林氏を通じてコッコアルットに本当のところを聞きたい…だと言う事なんですね?」


「あぁ」


「ちなみに…この1週間はどこで何をしていたんですか?

すぐに、僕のところに来てくれればよかったのに」


「それは、今朝まで田中殿本人や家の周りを監視する人間が居たからだ。

ちなみに…ほれ、この部屋にも盗聴器がこんなにたくさん」


ジャラっと、部屋から発見した盗聴器を田中に見せる。


「え?…こんなに?ってか、今朝まで?」

田中が驚いた様子で目を開いた。


「知らなかったのか?」


「今朝までとは、思ってませんでした。

土曜日には保護…いえ、監視をやめると言っていましたから。

それに、盗聴器なんていつの間に…」


なるほど、敵を騙すにはまず味方からともこの世界でも言うしな。

それに色々な気配に鈍感な田中のことだ仕方あるまい。


「それなら、スマホの…電話の会話も聞かれてる可能性ありますね…マズったなぁ」


「どうかしたのか?」


「小林氏とこの間電話で話をしたんです。

コッコアルットの居場所も政府とかにバレてる可能性が高いと思います。


そうすると…こちらが接近するにしても、危険かもしれませんね」


「なるほどな、今はどこもかしこもドラゴン一色のようだからな。


日本だけでは無く海外もドラゴンの位置を把握したがるであろうし、、


コッコアルットの居場所がバレてるなら我々は、コッコアルットに近づくのも至難の技かもしれんな」


中々情報社会とは面倒なものだな。


「そんな事どうでもよいではないか?

我らならひとっ飛びでどこにでも移動できる」

タルッタが、胸を張る。


「コッコアルットが人間を守護してるって言いませんでしたっけ?


あまり、その人間に、迷惑がかかる事をするとコッコアルットが、協力してくれないかもですよ」


「コッコアルットが、全ての元凶ではないか!

協力も何も奴から転移の、方法を無理矢理にでも聞き出すのだ!」


タルッタが息巻く。


「落ち着け、貴様はどうしてそう攻撃的なのだ?


コッコアルットがイベントで転移魔法を使って我らを呼びだしたとのもあくまでも可能性の一つだし、


そもそも、無理矢理にでもと言うがタルッタとコッコアルットじゃ力の差は歴然なのであろう?


話を聞いて協力を仰ぐしかないのだ」


そう私が言うとタルッタは悔しそうにテーブルをかじり始める。


「ややっ!テーブル噛まないでください!買ったばかりなんですよ!」


「うるさい!」


「小林氏…いえ、コッコアルットに連絡とりませんよ!

連絡とるすべないんでしょう?」


「くっ!」


ハムスターの姿なのでか知らないが、田中はドラゴンに対して堂々としている。


怖いもの知らずとはこの事だな。


「さて…どうしましょうかねぇ?」

田中が腕を組んだ。

よろしくお願いします

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