二十八撃目
こねこねこねこね…
ひたすら深夜の公園で6人の人間が砂場で手のひらサイズの泥団子をこねる。
それを3人のスーツの男性が見守り、それをさらにもう1人のSPがそれをひたすら画像を撮るというかなりシュールな絵がそこにはあった。
通常公園の砂は持ち帰り禁止であるが今の時間ホームセンターは空いていないので、総理に許可を得ているので問題無い。
それにSPを使うことも許可を得た。
全員使うわけにはいかないと断られたので3人残してある。
私は、出来上がった泥団子を次から次へとミニゴーレムに変えていく。
初めはSP達はかなり引いて…いや、驚いていたがすぐに馴染んでくれた。
「コレデカすぎです、もっと小さく。
あ、コレは小さ過ぎです」
たまに私が指示した規格外の大きさのものがあるので排除する。
沢山作るのである程度同じ大きさで無いと操るのが大変なのだ。
「葉っぱはこのくらいで十分ですか?」
「ええ、あとは泥団子よろしくお願いします」
残りの1人のSPには葉を、用意してもらった。
枝になっている新鮮な木の葉も持ってきてもらう。
ここに魔法陣を描き込む。
描く材料の半分はコンビニで買った火薬である。
ここも注意したいが決して普通は火薬をほぐし他の用途に使ってはいけない。
危険である。
だが、今回はその危険が良い。
私の少ない魔力ではドラゴンに対抗するだけの魔法陣をこんなに沢山ゴーレムに入れることはできないが
火薬を使い魔力で増幅させるだけである程度ドラゴンに対しても殺傷能力のあるものに仕上がる。
そして、残りの半分にはコレもコンビニで調達した殺虫剤と漂白剤である。
これらはおもて面と裏面別々に魔法陣をを描き込む。
火薬同様本来と違う使い方をしてはいけない。
だが、緊急自体なのだから目をつぶろう。
「お待たせしました!」田中が、田中の家から持ち帰ってきた私の剣を差し出す。
ドラゴンに、私の剣が通用するとは思えないが、気休めに取りに帰ってもらっていたのだ。
「火薬入りゴーレム100体、殺虫剤と漂白剤入りゴーレム100体、後はドラゴンの作った魔法陣対策用ゴーレム30体」
私の、魔力は今ほぼ枯渇している。
ここまで盛大に使ったことが無かったのでクラクラする。
ちょっと日中から今まで頑張り過ぎた。
私は、プリンを頬張った。
あぁ、、ほどけるこの甘味。
ご褒美感堪らぬ!
「では、先ほど話した通り小林殿にはこれから別行動をとってもらう。
殺人現場に、おもむきその現場で一番血が飛び散った場所ないし、血が溜まったところにこのミニゴーレムを、設置してくれ。
全て設置し終えたらすぐに田中殿に連絡を。
もし何か不足の事態が起きた時も同じように連絡をお願いする」
「あぁ、わかったけどよ。
本当に良いのか?
あんたがいればちゃんと魔法陣の上に置けるし、そもそもズレたら発動しないんだろこのゴーレム」
「少し掛かっているだけでも効果はあるから大丈夫。
そもそも私が上書きしても完全に防げるものではないしな
万が一全然違うところに設置してしまったとしても仕方ないさ。
それに、私の魔力がもうほとんどない。
今のうちに寝て回復して起きたいのだ」
エクレアもなかなか…コンビニスイーツ恐るべし。
「火薬ゴーレムと薬品ゴーレム10匹ずつも忘れるな。
魔法陣の円状に行くのだ何があるかわからん。
だが、決してこれらを人間にぶつけるなよ」
ゴーレムはゴーレムだが、自動で歩くわけではない。
私が魔力を通さないときは動かないのである。
さらに、手元に無いものは動かしようが無いので投げてぶつかれば発動する仕様だ。
「なんだか持ち歩くのも物騒だな」
「普通の衝撃なら問題無いが…事故るなよ。
事故ったら衝撃で発動し死ぬぞ」
「怖いこと言うな!」
小林は涙目だ。
「ドラゴンに殺されるのは良いが、ゴーレムではダメなんだな。
主らにとってはどちらもファンタジーの世界では無いか」
「なんっーか、ザコキャラにやられるのとボスにやられるのでは色々違うんだよ!」
やれやれ理解ができない。
フンと鼻を鳴らすと呼んでいた別の車に乗り込み小林が去って行く。
何もなければ良いのだが…。
私は、一口シュークリームを口の中に投げ込んだ。
よろしくお願いします




