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二十七撃目

結局総理官邸での話し合いは私が避難を求め、総理が難色を示すだけの平行線で終わった。


…2時間、2時間もその繰り返しだけで。

のらりくらりと総理は話をすり替える。


「2時間無駄になったな」

「そうでも無いですよ!自衛隊に警察を使えるんですよ!

大きな進歩じゃないですか!」


田中は楽観的だ。

「やられる前にやれば良いんです!」


…ドラゴン相手にソレが出来たら苦労しない。


日本人は平和ボケしている…と、何かに載っていた。

確かにその通りだと思う。


こういう時は、一番最悪な事を想定しなければならない。


何がタラレバでは動けないだ!

いっそ魔法陣の一つを発動させてやろうかそうすれば信じるというのか?


魔法陣が発動してから逃げようとする方がよっぽどパニックになるのではないか。


「自衛隊と警察を?あんな制約だらけでどう、動かせと言ってんだよ」

どうやら小林も私と同意見のようだった。


総理は、移動と呼びかけをしないという代わりに自衛隊、警察の補助を提示した。


だが、その内容が酷い。

一度小林の父親に依頼を出し、総理が確認。

その後総理が許可を、出したのち各省庁に報告、さらにその後…くそっ!


それではとっさの時に動けぬし、そもそも許可が降りるかわからない。


せめて自由に指示できる自衛官と警察官複数人を武器所持のまま手配してくれれば…まぁ、それも却下されたのだが。


…理由は、私が今回の騒動を起こしている犯人である可能性があるから…との事であった。


本来なら私達3人は総理官邸で拘束される予定だったそうだ。


言いがかりも言いがかりであるが…証明する術のない私達には何も出来なかったが、銃を所持したSP10人を同行させるという事で総理官邸から釈放されたのだ。


そのため車はミニバスになっている。

運転者はSPだ。


むろん、このSPらは何があっても私達3人の車の移動先以外の指示には従わない。

何かおかしな行動をしたら即拘束という事だ。


そのくせ、総理は東京から離れた所に出張だそうだ。

元から決まっていた事だと抜かすが、本来なら日本の長なのだから本部で指示を出すべきなのだ。


だいたい現在11時である。

こんな時間から出張っておかしいと思わないはずがない。


何が総理はいつも忙しいから夜中に移動することもよくあるだ。

1人だけ逃げ出したいだけであろう。


「お前たちは、見捨てられたんだぞ!良いのか?」

私は、SPに八つ当たりをするが、彼らは動じない。

まるで人型のゴーレムだ。


ゴーレム…?ゴーレムか…

昔ゴーレム作りが流行った時に手のひらゴーレムを作り爆弾を中に仕込んでイタズラする輩が増え禁止された事をふと思い出した。


なるほど、1人では無理だがミニゴーレムをたくさん作りドラゴンとの対話の時に仕込んでおけば良いかもしれない。


何せほぼ1人でドラゴンに対峙しなければならないのだ。

たくさんトラップはあった方が良い。


それにもしかするとまだ触れていない魔法陣をなんとか出来るかもしれない。

そうと決まれば…


「田中殿、小林殿!ここから一番近いコンビニで肉まんと唐揚げ等の惣菜、あとプリン等の甘味をできるだけ購入してきてくれ!


炭酸飲料もな!

私は、これから移動中仮眠をとる静かにしてくれ!」


「ハハッ!緊張感の無い人ですね!」

「今からまだ、買うのか!どんだけ腹ペコなんだよ!」


「腹が減っては戦が出来ぬ!魔法にはエネルギーが必要なのだ」


私は、バスの一番後ろに移動し、横になったが…ここは都内である。

あっという間にコンビニについてしまう。


私は、大急ぎで食事を取り1時間ほど仮眠をとった。

SPがどうするかはわからんが他のメンバーにも仮眠をとるように指示をだしてから。

よろしくお願いします

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