二十三撃目
「小林殿かたじけ…もぐもぐ…ない!ゴキュゴキュぷはぁ!」
魔法陣を確認したあと小林の家で、少し早いお昼ご飯を、ご馳走になる事になった。
家には小林の気配しかないが、1人使用人がいるらしい…が…私には全く気配を、感じることができない。
日本には未だ忍者が存在すると言うがどうやら本当らしい。
こんなに気配を消せるのだ私の世界においても素晴らしい暗殺者になるであろう。
「相変わらず小林氏の家のご飯は美味しいな」
田中も口に沢山料理を詰め込んでいる。
こんなに美味しい料理を毎日たべてるから小林はあの体系なのだ。
私がもし田中でなく小林に拾われていたかと思うとゾッとする。
きっとこの美味しい料理を毎日出されたらあっという間に…考えるのはやめておこう。
小林の、家系はどうやらこの土地の有権者らしい。
「もしかして、小林氏の父親の力を借りればもっと他の現場にいけるんじゃないかと、思うのですが…」
「そんな事が出来るのか!?」
バンッ!
テーブルを、叩きながら私は身を乗り出す。
田中は小林をチラ見する。
「ぬほっ!俺にさらに頼み事かい?出来なくもないが…タダで済むと思うなよ?」
「うーん、では例のアレで手を打とうじゃないか」
「俺の父親の権力を使うんだろう?それだけじゃ足りないぞ」
「では…」
こそこそと小林に何やら耳打ちする田中。
「ぬほっ!まさか!いいのか?」
小林は、私をガン見した。
「いいってことですよ、知らなければ大丈夫」
田中がニヤリと笑う。
何だがこっちに被害が出そうな嫌な感じがするが、あえて何も言わない。
他の現場…出来ればあと4箇所、五芒星型くらいの位置の魔法陣に細工をしたいのは確かだ。
まぁ、気休め程度にしかならないだろうが無いよりマシである。
「にしても…魔法陣、魔法陣言ってたからてっきり半径4.5キロの巨大魔法陣なのかと、勘違いしてました」
田中が、お茶をすすりながらそう呟く。
「4.5キロの魔法陣?そんな巨大な魔法陣ドラゴンでも、描けぬぞ」
「魔法の知識が漫画しかないんですからいじめないでくださいよ」
それは知識ではないが…まぁ、訂正するのも面倒なのでやめておいた。
「小さな魔法陣を円状に描いて大きな一つの魔法陣とするのだ。
ただ、普通の魔力ではこの規模大きさで数の多い魔法を発動しないよう保つのは中々人間技ではいかない」
「発動をしないよう保つ?」
「あぁ、1度魔法陣描けば普通ならすぐに発動するからな」
「なら、なんでまだ発動しないってわかるんだ?」
「まぁ、色々細かくはあるが大雑把に言うと大きすぎゆえ、少ないとほとんど効果が得られない。
得られないのをわかって発動するなんて無駄な事はないからな」
「なるほど」
「でも、、悠長にはしてられない。
このペースだと明後日…いや明日の夕方までには完成しているだろう」
「ぬほっ!それはそれで遠くで見てみたい気もするな!」
「コラ!」
そして…その日の夜には五箇所どころか20箇所の現場で同じように魔法陣に細工をする事ができた。
小林の父は始め訝しげにしていたが、小林宅の画像を見せ実際に私が目の前で炎と、風の魔法をミックスしたものを見せたら納得しすぐに動いてくれた。
もちろん、その間田中はカメラを回し続けた。
よろしくお願いします




