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十六撃目

さて、どうしたものか…。

とりあえずここに居たら危険だ。


もっと遠くに逃げなければならないが…先立つものがない。

そして、この炎天下の中歩き回るのは危険だと判断し近所の公園に向かう。


ここなら日影もベンチもあるし、水もある。

日中ここで体力を温存し夜になってから徒歩で移動しよう。


私は、ベンチに横になると…またいつもの様にぐだぐたと悪い方向に考え始める。


本来なら比較的安全なこの場所で眠って起きたいのだが…どうにも暑くて眠れそうにない。


それに目を瞑ると愕然とした最後の田中の顔を思い出してしまう。


私は、悪くない。

事実を伝えただけだ。


それに…きっと犯人はドラゴンだろう。

ドラゴンの種にもよるが、基本奴らは人間や他の動物に化けることができる。

そして、恐ろしく知能が高い。

もちろん、ありとあらゆる能力もだ。


奴らは元来おとなしい性格だ。

どう言った仕組みか解明されていないが食事を、とらない事でも有名だ。


そんなドラゴンといさかいを起こすことはどの生物も稀である。


だが、ゼロでは無い。

かつて隣国がドラゴンの怒りを買い滅んだ。

一夜にしてだ。


おおよそ今回と同じ魔法陣によるものだろう。


一体どうしてドラゴンかがこの国を壊そうとしているのだろうか?

まだこの地球に着て1週間だ。


いや、もしも転移したのが私と同日であったとしたらたった1日でそのドラゴンは日本を潰そうと魔法陣を描き始めたのだ。


ただ…記録に残っている限りの想像はつく。

ここは…ここは汚いのだ。

人からしての衛生面の話ではないし、見た目の問題でもない。


そう自然がないのだ。

人間が圧倒的に地球を汚している。


確かに便利な世の中だと思う。

だが、その便利さゆえ自然を壊しているのだ。


ドラゴンは、自然豊かな森の奥地に住んでいる事が多い。

あるいは、雪山。海の中…。

とにかく人の少ないところが多い。


ところがここはどこもかしこも人工物だらけだ。

私が驚いた以上にドラゴンにとって衝撃的だったのであろう。


それゆえ、自然を壊す人間らが憎く感じたのかもしれない。


人からすると自然破壊もそこまで悲しみにくれるほどではないが、自然を好む彼らがどう思うかは想像できかねない範囲かもしれない。

よろしくお願いします

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