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十二撃目

ガチャ

ドアの開く音と共に何とも言えない良い匂いが部屋に充満する。


お腹が急にぐーぐー鳴り出し、居ても立っても居られず玄関に滑り込んだ。


「例のアレか!田中!」

田中が笑いながらパンパンに詰まったレジ袋を差し出した。


勢いよく袋を開けると…

ジャーン!

「ハンバーガー!ポテト!コーラ!」

感激で胸がいっぱいになる。


コレめっちゃ美味しいやつだ。

「今回のハンバーガーは、前回のチーズ入りに加えチーズとパテがダブルに入っていますよ」


な…なんですとぉ!

「田中殿は神だな!」

田中は、笑いながら他の買い物したであろう袋を冷蔵庫や棚に片付ける。


私は、待ちきれないと言わんばかりテーブルの上にバーガーやポテトを並べ目の前で正座で待つ。


「まぁ、、色々ありますが、先に食べましょう」

田中は、くすくす笑いながらテーブルの向かいに座った。


「いたーだきぃーますっ!」

はむっ!っと噛むとまだ暖かいハンバーガーの肉汁が口の中いっぱいに広がった。


んーまいぃぃー!

しばらく黙々と昼ごはんを2人で楽しんだ。


「ごちそーさまでした!」

私は、余韻に浸りながらうっとりとした。

うん、元気でた!


「田中殿はいつも私を元気付けてくれるな!感謝する」

私は、思ったことをそのまま口にした。


「何を!…ラファ氏の方こそ僕をいつも元気付けてくれてますよ」

田中は、笑顔で返してくれる。


「いやいや田中殿の方が」

「いやいやラファ氏の方が」

…お互い譲らないとみた。

私がおれようかと思うと田中がポツリ呟いた。


「先ほど少し嫌な物を見たあとなのにラファ氏に会ってから忘れてました」

と、ちょっと微妙そうな顔をした。


「なんだ?何かあったのか?」

「んー?食後で話す話題でもないのですが…もうニュースになってるかな?」


田中がスマホをいじりあっと、声を出した。

「へー、さっきの例の連続殺人事件なんだ」


「連続殺人事件?」

「ええ、先ほどちょっと血みたいなの見ちゃったんです。ここの近くですよ」


そう言ってニュース画面が開いたままのスマホを差し出してきた。


そこには、田中の家から一番近い駅近くで殺人事件が発生したと載っていた。


「朝から誰の目にもつかないのに複数人殺して逃げ果せるとか魔法みたいですよね」

田中は渋い顔をしてそう言った。


「そんな魔法はありませんよ」

「ハハッ、例えだよ例え。普通じゃあり得ないってことです」

田中はスマホをテーブルの上に置くとこう続けた。


「変と言えば…警察いるし、なんか嫌な感じがするのに野次馬精神っていうか、なんか気になって近づいて見ちゃったんですよ。見なきゃいいのに」


「まぁ、野次馬ってそんなものだぞ」

「ですね、しかも血っぽいもの見たら見る前までしなかった血の匂いまで感じて。もう先入観って怖い」

田中はそう言いながら肩をすくめた。


悪い予感があるのに近づきたくなる、感じなかった匂いを認識した途端に感じる…はて、それってもしかして…。


この魔法の無い世界にあり得なさそうな想像をついしてしまう。

しかし、思いついた考えを消すわけにもいかない内容な気がする。

なに簡単な事だ。

要は確かめればいいだけだ。


「田中殿、私をそこに連れて言ってくれ」

「は?」

よろしくお願いします

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