十撃目
家に帰ると田中はすぐパソコンに陣取り朝あげた動画の再生数を確認。
それ同時にスマホでSNSを確認する。
1日で?とう言うほどの再生回数である。
アクセス制限になるほどではないが…。
SNSで、女騎士や、魔法と、検索するとほとんど私の写真が出ている。
昨日ネットで確認した範囲であれば前日私が転移したアニメのイベントで撮られた物がまとめサイトに載っている程度であったのにだ。
そして、ライブの時と違い半分は信じると言った内容だった。
信じる派の意見の大半はイベントで見た人々からの口コミらしい。
どうやらヒールを魔法では?とあの時点で思っても、まさかと流していたみたいだが動画で確信した、嘘をつかない友人から聞いたなどのコメントが大半だった。
「やったではないか田中殿!単純計算では、現状さほどの稼ぎではないが明日明後日と続けばあっという間に10万円、いや、100万円だって夢ではないぞ!」
私は、興奮混じりに田中の肩を叩いた。
「痛っ!」
肩を抑え悶絶する田中。
「ちょ、ラファ氏の腕力半端ないんですから手加減してください!」
そう言う田中は、ちっとも嬉しそうではない。
軽く叩いたのにそんなに怒らなくてもと私は拗ねた。
「喜ばしいものではないですよ」
ジト目でこちらを睨んでくる。
「すまない、軽く叩いたつもりだった」
そこまで怒らなくともと思いつつ謝罪したが田中はかぶりをふった。
「肩を叩いたことではありません、アクセス数でもありません、ただ…貴方の存在が世間を揺るがしそうです」
「ん?どう言うことだ?」
「貴方の想像の半分が、当たったわけです」
ますますわからない。
魔法を使って有名になれば収入が増え食事が豪華になると言う話だ。
ハッピーではないか?
私は、小首を傾げた。
はぁー…
田中はため息を吐いた。
「貴方の存在が世間にリアルとして大勢に認められたと言う事です」
私は、うなづいた。
アレ?それって…
「人体実験…」
私は、田中をじっと見る。
「安全と言ったではないか!」
「まさかここまで一気に広がると想定してなかったんですよ!それに実験台になるのはまだ決定ではないです」
田中は、思案するよう口元に手を当てた。
「一度動画を削除して様子を見ましょう」
「ふむ…仕方ない」
ネット動画で稼ぐ夢は消えた。
よろしくお願いします




