表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
叛逆の魔術師〜属性が無いと蔑視されたので開き直って金持ちになることにした〜  作者: シロナガスクジラ
第2章 学院劣等生の家庭教師〔前編〕
21/38

21.大丈夫大丈夫!明日からホンキ出すから!

すいません。

昨日は忙しくて投稿出来ませんでした。

今日は二話投稿ちゃんとしますので、ご安心ください。






「わかった、わかりましたよ……。それで?具体的に俺は何を教えれば良いんだ?」

「……やっとその気になりましたわね」

「じゃないと話が進まないからだろうが……」


全く……。

ルラキがただの貴族ならばここでハイさよなら、という感じで事なきを得るのだが……。

こいつ、何処までかは知らないが少なくとも『灰色の原石カーヌス・インサニティ』の事を多少なりとも知っているみたいだからなぁ。

あまり下手に抵抗して藪蛇でも困る。

ここは素直に依頼を受けるのが良いだろう。


「そうですわね。とりあえずやっとレイトさんが素直になったところで……まずは王立学院の存在はご存知で?」

「あぁ、この国の貴族やら偉い人やらを一挙に集めて育成してるっー、所だろ?」

「えぇ、やはりご存知でしたか。その学院生の家庭教師をして欲しい、というのが今回の依頼の趣旨ですわ」


『レーグナム』国、王立学院。

名称はアルブム学院。

初等部六百、中等部六百、高等部六百の計千八百人。

魔術や魔技といった魔法関連の技能はもちろんの事、騎士に必要な剣術や礼儀作法、会計の仕方や文官を目指すための道標。

果ては研究者など幅広い才能の育成に力を入れている超実力主義学院、との話を聞くが……。


「実際は貴族やそれに連なる確かな身分を持った、この国で言う所の“高貴な”方々しか入れないと聞いている……。内部が腐ったミカンみたいだ……とか?」

「……ま、まぁ………………否定、出来ませんわね」

「ふーん……それで?何で俺みたいな何処の馬の骨とも知らない輩にその高貴な身分であるところの学院生様の家庭教師をする必要があるんだ?家庭教師として雇うんだったらそこら辺の下級貴族でも雇えば良いんじゃないか?」

「ぇ、えーとですわね……それには少し深い事情が………………」


俺の質問というか詰問に、目を逸らしてあからさまに冷や汗をかいてみせるルラキ。

貴族には二種類の身分に区分けされている。

上級貴族と下級貴族だ。

ここ王都の(貴族が主に暮らしている区間)中央区には基本的に上級貴族しか住んではならないことになっている。

当然、例外というのも存在していて、下級貴族でも金持ちだったら住んでも良いらしいが……。

ルラキが教えろと言っている例の学院生ルベル・マリス・ウィリディスが下級貴族されてだとしても、王都に住んでいる以上は大分金持ちなはずだ。

ましてや上級貴族の場合は、下級貴族の数倍以上の税金をとっているのだから尚更金欠不足という事はないはずだ。

……試しに聞いてみるか。


「貴族を雇わない理由はアレか?金銭的な理由なのか?」

「いいえ、そんな事はありませんわ。彼女の家は王都でも格式が高い家でございますので、持っているお金の量は、わたくしの様ななんちゃって貴族とは比べものにならないレベルですわ」


やはり金銭的な理由ではない。

……するともしかして人格的な理由か?

あり得るかもしれない。

貴族はなんだかんだと言って礼儀やマナーがなっていない者を嫌う。

そのルベル・マリス・ウィリディスさんとやらはもしかしたら相当な粗暴な方なのかもしれない。

ルラキのなんちゃって貴族という発言にも興味はあるものの、とりあえずは俺の雇い主がどんな人間なのかだけは把握しておきたい。


「じゃあ何か?ルベル・マリス・ウィリディスさんという人は何かしら人格的に問題がある人なのか?」

「いいえ、そんな事はありませんわ。むしろ人格としてはそこらの上級貴族よりも素晴らしいぐらい、素敵な感性をお持ちの方ですわ」

「へー……」


上級貴族を『そこらの』と一括りにできるあたり、やはりルラキは普通の貴族じゃなさそうだな。

もしかして公爵に連なる身分の人間なのか?

いやいや、それはあり得ないか。

公爵って言えば、確かこの国の国王様の親戚しかなれない位だと俺は聞いた覚えがある。

となれば、ルラキ・ファン・キュアノエイデスという女の子は、王族ということになってしまうのだから。

それはマズイ。

だって俺もうルラキに対して大分タメ口で話しちゃってるし……。

この国の国王様の親族にタメ口とか……下手したら切腹ものだぞ。

まぁだからと言って貴族にタメ口をきいて良い理由にもならないんだけどな?

とりあえずルラキの正体については置いておくとして、今はそのルベルって人の話が先だ。

人格としても問題ないっていう話ならば、一体何があって平民()なんかを雇おうと思うのか?


「ルベルっていう奴さ……人格的にも問題がないんだったら、何で貴族の教師を雇わないんだ?言っちゃなんだがな、俺なんて学院で習う様な頭の良い授業ができる自信なんてないぞ?」

「まぁ、ルベルについては追々説明させていただきますわ。……それよりも、レイトさんは家庭教師の件を受けてくださるということでよろしいのですわね?」

「ん?あぁ……」


よろしいっていうか、お前が無理やりさせてるんだけどな?

灰色の原石カーヌス・インサニティ』なんかマイナーなモン持ち出してきやがってよぉ……。


「では、今から顔合わせに行きますわよ」

「あぁ、うん……って、今から!?」

「はい、明日には家庭教師の授業が始まりますので……」


えぇええええッ!?

明日!明日から俺、家庭教師すんの!?

もうちょっとスケジュールに余裕持てないのかよッ!

俺は一応貴族の家に行くということもあって、多少身なりを整えてからルラキと共に冒険者ギルドを後にしたのだった。









ブクマ、ポイントありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ