第七話 偽り仮面の現実主義者
「カシャッ」
りりあが天使のような、この世にいるのかっていうぐらいのイケメンを前にして一番最初にしたことは、ポケットから取り出した今時時代遅れなガラケーのシャッターをきることだった。
「肖像権あるから、一枚10円」
「そこ!?どっちにも色々突っ込み所あるけど、まず、肖像権安いなおい!?」
イケメンを前にする女子の反応としては間違ってないはず…?
べ、別にこの写真を現像して売り払おうと思ってた訳じゃないんだよ?300円にするか500円にするか、それとも勝負にでて1000円にするかなんて…ま、迷ってませんからね!?(どちらにしても犯罪)
「ていうか…」
「おっ、りりあ!!やっと突っ込んでくれるのか!?今まで散々スルーされてきたフラグをついに回収してくれんのか!?」
ドゥリィのその期待…もちろん全力で…!
「お腹減りません?」
裏切ってしまうのだ!!!
「…。」
「ご、ごめん!嘘だよ!ちゃんと突っ込むから!?ただ、スイッチがONになってただけで、私突っ込する派だからね!?」
…だから睨まないで?ドゥリィには癒し系になってもらわないと、私フェルとやっていけないよ…。(ちなみにスイッチとは人見知り、コミュ症のりりあが自分の内側と外側のキャラを変えてまで、頑張って他人と話す時に用いる技なのである)
「という訳でスイッチOFFにしますよ?い、いいですか…!?」
「勝手にしろ」
「お、おう…」
…
…
…
「人形が何故人間に変わるんだぁぁああああ!?人形が実はイケメンて何設定だよ!?何、何でなの?流石に一年間世の中と現実から妄想世界…私のパラダイスに逃げていたとはいえ、そんな最新人形なんて造られる訳ねえだろ!?まずさ!ここが乙女ゲー世界っていう話何!?今時安い中古本売り場ですらそんな話売ってないよ!?しかもゲーム主人公が私のチートな親友とか、何なのそれ!?もっと詳しく説明しろぉぉぉぉおおおおお!!!」
「フラグ回収乙」
「よく一回も噛まずに言えたよな?てか色々とキャラ違い過ぎだろ…」
ハァハァ…や、やってやった!初めて知らない人にじ、自分の意見言えた…!ってかOFFモードなんてめったに見せないのに、ある意味あの人形たちすげぇ…!(ツッコミが無駄に長いのは気にしたら負け)
そんな訳でりりあは、自分のキャラを崩壊させた。
ちなみに素は突っ込み属性であり、真面目で自分の妄想以外はわりと現実主義者である。
観察データ7
キャラが急に変わるりりあ
うーん、キャラが変わるっていうよりはただツッコミを結構するようになった感じですよね、すいません(泣)