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エンゲキブ  作者: 桂桜
2/2

1話✡約束

「ストップ!」

演出の大きな声が体育館に響いて、キャストは一度動きを止めた。

「加藤ちゃん、もうちょっと声だして!もっかい最初っからいきまーす!」

その指示で佐藤孝幸、加藤薫、近藤清彦の三人は一度ステージからはけ、演出の山田亜実が合図をだして、再び劇を再開した。


「おい!」

中央ドアから勢いよく佐藤が入ってくる。

「お前どうゆうつもりだよ!」

「な、なにが…」

佐藤が近藤清彦の胸ぐらを掴んだ。

「小百合のことだよ!」


劇は、佐藤演じる男の妹、小百合の死を巡った人間らしい嫉妬や裏切りという内容。

一見鬱劇に思われがちだが、内容は濃く、今年こそ優勝できると期待の脚本だ。


「オッケー!」

山田の声に、加藤は安堵のため息を零す。

「うーん、どうしよう。このまま次のシーンにいってもいいんだけど…」

「なんか気になるシーンでもあるんですか?」

山田が台本を見ながら悩んでいると、後ろから桐山淳が声をかけた。

「うん。14ページの野熊ちゃんと国本くんのとこをやりたいんだけど…」

山田は言葉を濁して、時計に目をやった。

夜8時。

夜ご飯も食べず、ぶっ通しで練習していた彼らは…いや、特に言うならば野熊と国本は空腹で一言も喋らず、俯いていた。

「…よし!やっぱりもうご飯にしちゃお!」

山田がそう言うと、国本と野熊は勢いよく顔を上げて、笑顔になった。

「それじゃあ、家庭科室に行くぞー!」


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