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終わりのお話
12月に起こった突然の大嵐。
強風と強雨と雷で、負傷者死亡者が続出。
大学の研究者達も、この時季の異例な大嵐に頭を抱えていた。
今思えば…
この大嵐は、きっとあの惨劇の予兆だったのだと思う。
もし、私たちがそれを感じて、学校に残らなければ…
すぐに家に帰っていれば…
学校の方が安全だなんて思わなければ…
あんな"コト"にはならなかったのかもしれない。
人が死んだ。
ううん…違う。
殺したんだ。
次々と死んでいった。
目の前で。
大好きな先輩が。
憧れの先輩が。
ライバルだった同級生が。
嫌いだった同級生が。
可愛がっていた後輩が。
みんなの死姿を今でも覚えている。
臭い。
汚い。
気持ち悪い。
あれから一ヶ月。
私はこれから、みんなの元へ向かいます。
ー終わりのお話ー