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07 黒歴史ご開帳
棚を整理していたら、むかーーーしのネタ帳が出てきた。
別にこのままポイッと捨ててもよいのだが、せっかくなので供養を兼ねて一つだけ暴露します。
『〈聖羅・無雲〉
春秋時代は盧の国に、月夜の晩に何処からともなく現れて、民を苦しめる魑魅魍魎や盗賊どもを退治する怪僧がいた。
後の文献によれば、その正体は当時名声を極めていた馬曲団の花形役者であり、芸名を月兎という。
しかし彼は決して正体を明かさなかったため、民衆はこの怪人を、雲無き月夜に現れる聖なる羅漢、〈聖羅・無雲〉と呼んで英雄視し、彼がその出現時に必ず口にする「月に代わりて成敗す」は流行語にもなったという。
なお二十世紀末の日本で大ブームを巻き起こした、とある漫画を原作したアニメーションが、この伝説を元に制作されたという事実はあまり知られていないようである。
(民明書房刊「これはびっくり伝説の怪人たち」より抜粋)』
これを読んで、筆者は思った。
「なんだ、考えてることは今と大して変わらないな」