39 ハロウィンは普通に
世間はハロウィンということで、それにちなんだ話を。
以下はアメリカへ留学していた頃の友人の体験談である。
ある年のハロウィンパーティーのこと、基本的にものぐさな友人は「モンスターではないが、とにかく仮装すりゃいいんだろ」と、柔道着にハチマキを巻いて、世界的に有名な格闘ゲームのキャラだと言い張ることにしたそうな。
会場に着いてみれば、やはり女子は魔女、男子はゾンビが大半を占めている。理由は簡単、女子は可愛いから、男子は仮装しやすいからである。
例年のことだが誰もが中々の仕上がりっぷりで、「アメ公は普段めっちゃテキトーなくせに、こういう時だけは本気出しよんねん」とは友人の弁。
まあ、日本でも祭りとなると突然気合いの入る人はたくさんいるので、感覚としては似たようなもんだろう。
そんななか、友人は自分以上に普通の格好をしている男を見つけた。
メイクもなし、衣装もなし、どこからどう見ても普通の兄ちゃんである。
モンスターどもが徘徊するこのパーティーで全く仮装をしないとは、いかなる理由ゆえかと興味をもった友人は、彼に近づいて質問してみた。
「やあ、君はどうして仮装をしていないんだ?」
すると兄ちゃんはごく自然に笑って、こう答えた。
「仮装してるよ。今日はノーマルだ」
友人は一瞬考えて、大笑いしながら「明日は君と会わないように気を付けるよ」と返したという。
筆者は、アメリカ人のこのセンスが羨ましい。
というか正直に言うと悔しい。
こんなふうにワンクッション置いてからの、想像や理解と同時にくる笑いは、筆者の理想の一つなのだ。
ちくしょう、おれも笑いをとってやる!
猛反発マクラ。




