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19 FCよ、さらば

 ファミコン(FC)からスーパーファミコン(SFC)に世代交代し、そろそろ完全に定着したかな、という頃の話。



 当時筆者はSFCと平行してFCでも遊んでいたのだが、あるとき、ついに壊れてしまった。

 電源を入れ直してもカセットを挿し直してもどうにもならず、ダメ元で分解してみることにした。


 FCというヤツはコントローラーの強度が少し弱く、しばしば分解しては内部のパッドや、はんだづけを直したりしていたので、もしかしたら本体でもどうにかなるのではないかと思ったのである。


(当時の筆者は「ラジオ製作」とか、そんな感じの雑誌を買ってきては簡単な装置を作って喜んでいたガキだった)


 外装を取り外して基盤を点検すると、はんだが外れている部分を発見。はんだづけし直して、電源を入れてみたら、なんと見事に復活。


 これに気をよくした筆者は、そこらじゅうのごみ捨て場を巡って捨てられたFCを拾ってきては片っ端から直し、五百円くらいで友人に売りまくった。


 過渡期終焉というタイミングもよかったのか、十台くらいは売ったと思う。


 そうこうしているうちにFCが捨てられていることが完全になくなり、筆者の小遣い稼ぎは、たまに依頼される友人たちからのFC修理に移行していた。


 そんななか、新たに修理を請け負った日のことである。



 いつものように分解し、クリーニング、断線とはんだのチェックと修理を終えた筆者は、最後に動作確認をしようとテレビにつないだのだが。


 見ればコンセントに空きがない。前日に遊んでいたSFCのアダプターが挿さったままなのだ。


 いつもならばFCのアダプターの点検も兼ねて挿しかえるのだが、その時は一度目の試行だったのと、ぶっちゃけ面倒だったので、そのままSFCのアダプターをつないだ。


 さて、この時点でこの先の展開が読めた御仁も多かろうと思われるが、当時の筆者はアホ全力疾走だったので、何の危機感もなく電源をON!


 爆発しました。


 電圧が違うのだ。当たり前である。


 轟く爆音。立ち込める煙。焦げた臭い。慌てて駆けつける親。


 めっちゃくちゃ怒られました。繰り返すが当たり前である。



 もちろん件のFCは完全に壊れている。

 筆者は焦った。


 このFCは、修理を請け負ったモノなのである。

 しかもその日のうちに届けると約束していたモノなのである。


 まずい。

 弁償だ。


 困った筆者は、いかにも直りましたよーなんてな顔をして、自分のFCを差し出した。


 そしてこの事件が、筆者のFCにまつわる最後の思い出となったのである。


 さらばFC。さらば我が輝やかしきFC時代!


 トドメさしちゃってゴメン。

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