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13.童貞ですが何か?

何だか、なしくずし的にフェルデンティア行き(ライヒェンベルク経由)が決定してしまった。

熟練者熟練者ってオッサン連呼してたけど、ホントに大丈夫かよ?

ひょっとしてコレ、かなり上級者向けのクエなんじゃ?…大規模な討伐隊が必要なボスとか出てくんじゃね??

ユキノさんの実力は未知数とは言え、初心者2人に生産特化…。どう考えても死亡フラグです。ありがとうございました。


「……なぁ?本気で行くんか?」


エモで失意体前屈を繰り出しつつ、確認してみる。



「あぁ。実はな。昨日ヴォイドが落ちた後、例の鍛冶師の情報を収集してたら、その鍛冶師の住んでたっていう家を教えてもらってさ。」


「おっ!すげえ!マジで?」


「で、早速行ってみたんだ。…でも、もぬけの殻だった。近所の人に聞いて飲み友達だったっていう親爺を紹介してもらったんだがその人の話によると、一足違いで鍛冶師のジジィはまた旅に出たんだと。『フェルデンティアに行く』と言っていたそうだ。」


「…えっ?」


「そんな訳で、俺の目的地もフェルデンティアに変更って訳だ。」


「なんやそれっ!ト○ヌラ王子かっ!」




俺達の会話をじっと見ていたミーアちゃんがくすくす笑いながら聞いてくる。


「ヴォイドさんって、さっきお母さんと喋ってた時と、長船さんと話してる時と全然態度が違うんだね。そっちが地なのかな?」


「あぁ。」



チロッと俺を横目で見て、長船が言い放つ。



「…ま、それは童貞だからだな。」


「へぇー!」



ちょっ!長船 おまっ 余計な事言うなっ !

そして、ミーアちゃん!

そんな哀れな者を見るような目で見るのはまじ勘弁して下さい。

…お兄さんちょっぴり心が折れそうです。



  ◇◆◇



フェルデンティアに向かうにしても、そこまで慌てて出発する必要も無い。

取り敢えずは4人でこの街のクエスト斡旋所に行き、 これから向かう方面の簡単なクエをいくつか受けてから、ユキノさんの自宅にお邪魔しようという事になった。


「我が家はこのパルノイエの首都、パルノの郊外にあるコベントリーっていう住宅街にあるの。

まだ日も高い事だし、せっかくだからミーアのトレーニングも兼ねて歩いて行ってみましょうか。この辺りがどんな風に変わったのかもちょっと見てみたいし。

ミーア、ついでだからこの街周辺の初級クエストも受けときなさいよ。」


「そういや、ミーアちゃんは今日デビューしたばっかなんですよね?大した戦闘経験もせずに、いきなり遠く離れた外国とか行って大丈夫なんですか?」



心配する俺をよそに長船が突っ込む。



「大丈夫なんじゃねーか?ミーアちゃんって転生キャラだろ?リセットされてるとは言え、通常のキャラに比べてステータスもスキルの成長も早いから、ヴォイドなんかあっという間に抜かされっぞ。」





…ううっ、やっぱカムバックユーザーってずりぃ。まじチートやし。



  ◇◆◇



パルノの城門を出てのどかな郊外をプラプラと歩く。

この辺りは街が近いだけあって、弱いノンアクティブモンスターしかいない。


「あ!依頼にあったジャンピングラビットの群れだぁ! ちょっと倒したいんで、待ってて下さいね。」



そう言いながら、トテトテとMOBの方に走って行こうとするミーアちゃんをユキノさんが止める。



「ちょーーーと待ったぁぁぁ!その格好で戦闘するつもり? それはあくまで街着よ。ファッションなの。戦闘するなら戦闘するでちゃんとそれなりの装備に着替えないとね。」


「えっ?でもコレそこそこ防御力高いよ?アクセもなんかいろいろ補正付いてるし。」


「いいからほらっ!これに着替えなさい。」



言われるままにミーアちゃんは俺達の目の前で生着替えをし、(…と言っても、インベントリから装備変更しただけなので、一瞬で切り替わっていただが)戦闘装備になった。



「ねぇ?お母さん…ちょっと聞いていい?……ナニコレ?」




着替え終わった彼女は、何故か半袖の白いポロシャツにタータンチェックのプリーツのミニスカート、黒いニーソックスというイデタチであった。

ヴォイドくんは内弁慶。

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