夫がわたしに夫と別の女性との結婚式の招待状を送ってきた
オレは今…ど緊張真っ只中だ。
なにって、これから結婚する可奈葉のご両親に、ご挨拶するからだ。
優しい両親だから、大丈夫だよって言われてはいるけど…
一生に一度の大切なご挨拶…
しっかりしなくては‼︎
家の前までくると、さらに緊張マックスだ。
「さあ、ドアあけるよ?」
「え、うん。」
ドアがオープンになると同時に、心がしまる勢いで、大緊張だ。
「まあまあ、いらっしゃい。さあ、どうぞあがってちょうだいな」
華やかなエプロン姿の、みるからに優しそうなおかあさんをみて、少し安心した。
そして、居間におとうさんがいらっしゃった。
「おおぅ、ようこそ。わざわざお越しくださいまして」
ニコニコで挨拶してくださるおとうさん。
あー、優しいのオンパレードで一安心です。
終始和やかに過ごしていると、ドタバタと音がして、ガラッと居間にだれかが入ってきた。
「おねえ、夫が結婚するって‼︎ほら、招待状‼︎」
…
シーン
え?
夫⁇
「あっ‼︎ゲッ‼︎今日だっけ⁉︎結婚の挨拶…あはは…あはは…」
一気に気まずそうになった、いもうとさん…
「あ、夫っていうのは…あ、そうそう、名前が夫っていうんだよね。ねー?みんな、ねー。そうだよねー?ねぇ!そうだってみんないいなってば‼︎」
プチ逆ギレする、いもうとさん。
「あー…」
と言いながら一点をみる可奈葉。
「あのさ、可奈葉…ちょっと外に出て少し話さない?」
オレの提案に、頷く可奈葉。
…
「え、うん」
ちょっと失礼しますと、可奈葉と外に出たとたん、こんな時に取引先から電話がかかってきてしまった。
しかも、何度も。
「電話さき出ていいよ?わたし、待ってるから」
「うん、ごめん。そうさせてもらうな」
急いで用件を済まさなければと、慌てて可奈葉のところへ戻ると、庭先で可奈葉がだれかと話していた。
「あ、可奈葉!招待状みた?来いよな?オレの妻さん。」
「ちょっと冬夜!それやめて。今、わたし大事なときなの。彼氏きてて…」
「あー、浮気だー。」
「あんただって結婚するじゃない」
「あはは、だよなぁ。あんなにみんなに祝福されたのになぁ。誓いのキスもしたのになぁ。彼氏に言ってやるか?オレの妻よろしく〜って。離婚は、してないけど、末永くよろしく〜ってな」
「バカ‼︎そんなこと絶対言わないでよね。てか、キスって口にしてないじゃない。勘違いされるからぁ」
…
「…あ」
目があってしまった。
…
てか、冬夜って呼んでるね?
おっとって名前じゃないね?
「あ、どうも…」
とりあえず挨拶したけど…
「あ、ハルト!こ、これは違うの‼︎えと、えと…」
…
「オレさ…今日は、やっぱり帰ったほうが…いいかな」
「ヤダ‼︎帰らないで‼︎」
「あのぅ、オレは…ドロンするな。それともオレが訂正しようか?」
「冬夜は、いい。わたしがなんとかする」
「そっか、じゃあな」
夫といわれる方は、隣の家…に住んでいるらしい。
「可奈葉は、結婚してる…の?」
「いや…して…ないよ?法律上は、なんだけどね。あの、違うの…その、結婚したのは、昔で…てか、そうじゃなくて…えと、」
「離婚…してないの?」
「…うん。できないの」
「なんで?」
「だって…そもそも結婚式したのが、三歳なの。」
「え?おままごと?」
「うーん。そんな感じで、でも友達いっぱいにおめでとうってお祝いしてもらってね、それからずっとあだ名が夫、妻ってなってね…いまだに冗談で言われてたって感じで…でもね、別に付き合うとか、そんなのもなくて…ほんとなの」
可奈葉が泣いてしまった。
「ごめん。泣かないで?」
「でも…昔のこととはいえ、いやなおもいさせて…ごめんなさい。」
「ううん。法律上は、まだ結婚してないんでしょ?なら、一番はじめのほんとうの夫は、オレでいい?」
「うん、それがいい」
「なら、改めまして、結婚してください!」
「はい‼︎はい‼︎お願いいたします‼︎」
「こちらこそよろしくね♡」
「はい♡」
こうして、無事結婚しましたとさ♡
おしまい♡




