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お庭に根付いた雑草どもは今日も元気に咲き誇る 〜ヒーラー、サモナー、ガーディアン、頼れる仲間は問題児〜  作者: 仔田貫再造


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覚醒!!最強パワーの問題児 18

 ルピナスは罠がないか調べつつ、遠くからアセビとマーガレットを見つめていた。


「う……」


 マーガレットは思う存分甘え、アセビはそれを快く受け入れている。

 普段は見られない仲睦まじい光景。ある意味超レアイベントである。


「いいなぁ……ぼくも……」


 ルピナスは思わず口から言葉が漏れた。彼女はアセビのことを心のなかで母親のように想っている。マーガレットを見て甘えたくなってしまったのだ。


「でもぼくは守られてばかりだから……甘えてばかりじゃダメだよね……」


 芋虫と触覚の耳に、愛する契約者の声が届く。2匹は顔を見合わせて頷き合うと、ルピナスの足をぐいぐいと押し始めた。


「ちょっ、芋虫さん!? 触覚ちゃん!? なんでぼくの足を押すの!?」


 ルピナスは動かないよう必死に踏ん張っているが、見た目以上に力の強い芋虫たちには敵わない。彼女たちはアセビとに向かって、愛する契約者を近づけようとしている。ルピナスの喜ぶ顔を見るために。


「ひゃ〜! 芋虫さんと触覚ちゃんやめてよぅ!」

「ん?」


 アセビは芋虫たちによって、強制的に接近させられているルピナスに気づく。異様な光景に思わず吹き出してしまった。


「ははっ! おいお前たち、何やってるんだよ!」


 ルピナスは恥ずかしそうに顔を赤くして、もじもじとすることしかできなかった。アセビは膝枕を堪能するマーガレットに視線を向ける。


「お姫様。お隣いいスか?」

「えへへ、もちろんわかってるわよ! ルピナスも早くこっちにいらっしゃい!」

「う?」


 アセビはルピナスに向かって両手を広げる。芋虫と触覚は、期待通りの光景が見られると予想していた。

 アセビは空いている側の膝を叩いて、ルピナスに向かって手招きする。


「お嬢様、今ならアセビのここ空いてますよ!」

「……う?」

「ほら、ルピナスも早く! アセビにちょっとだけ甘えたくなっちゃったんでしょ? あなたのことぐらいわかるわよ!」

「わぁ……!」


 ルピナスはアセビの前にしゃがむと、膝に向かって頭をゆっくり下ろした。


「よいしょっと……」

「ゆっくり休んでくれよな! まぁオレの膝枕硬いから多分気持ちよく休めないけど」

「あはは……ありがとう」


 ルピナスは本心を見抜かれたことを恥ずかしく思っていたが、ここまで来たら正直になったほうがいいと判断したらしい。照れ臭さを隠すようぎこちなく笑うと、アセビに向かっておねだりすることにした。


「ぼくも頭……なでなでしてほしいなぁ」

「アセビさん、あたしもなでなでおかわり!」

「はは! お前たち甘えん坊か! まぁ今日は好きなだけやってやるよ」


 アセビは思う存分甘える問題児たちを見て、やれやれと肩をすくめる。彼女たちの期待の込められた視線を向けられて、拒絶できるはずもなかった。

 アセビは両膝に乗っているマーガレットとルピナス頭を優しく撫でる。大きく温かな全てを包み込む手だ。

 問題児たちの心が少しずつ癒やされていく。


「あぁ〜……癒やされるわぁ……癖になるわこれ……」

「アセビは……ぼくの……」


 マーガレットとルピナスは瞳を閉じ、幸せそうな表情を浮かべている。ふたりを見て、アセビも自分の心が穏やかになるのを感じていた。

 しかしいつまでも膝枕をしていられない。


「そろそろ足が限界なんですが……もう終わりにしてもいいスかね……?」

「もう少し……ゆっくり……なでなでして……」

「お母さん……アセビは……お母さん……」


 マーガレットもルピナスも、気持ちよさそうにしている。まだまだ膝枕を堪能するつもりなのだろう。


「ダメだ……こいつら自分の世界に入ってるわ……」


 アセビは足が痺れ始めていた。今この場で白い鳥に襲われたら抵抗できないだろう。そろそろ立ち上がりたいと思っているのだが、アセビは素直にどいてくれとは言えなかった。

 膝の上には幸せそうに微笑むマーガレットとルピナスの頭が乗っている。アセビはこれを見てしまった。お人好しの彼は、この微笑みを壊したくないと思ってしまったのだ。


「まぁ……たまにはいいか。お前たち、満足したら膝から頭どけるんだぞ」


 アセビの発言を聞いて、マーガレットとルピナスが瞳を開いた。


「何言ってるの! まだまだ満足しないんだから! アセビ、これからも膝枕やりなさいよね! あたしこれ毎日食後にやってほしいの!」

「アセビの膝枕は癒やされるよ。ぼくが小さかった頃を思い出すの。まぁ今でもチビなんだけど。もう少しこのままでいたいなぁ」

「マジっスか」


 問題児とコミュ障は、すっかり甘えん坊将軍に進化してしまっていた。頭をどける気配はない。まだまだアセビに甘えるつもりなのである。


「しょうがねえなぁ……」


 終わらない物語が始まってしまったらしい。

 アセビは苦笑しながら、マーガレットとルピナスの頭を撫でるのだった。

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