究極バトル!!三大スーパー問題児 10
「こりゃ見事なもんだね」
ハーピーは巣で体を休めていた。彼女の周囲には食べカスや羽が散らばっている。お世辞にも綺麗ば場所とは言えない。
ハーピーは翼を何度も動かし、痛覚や違和感がないか確認していた。特に問題はなかったらしい。昨日アセビによって傷つけられた箇所は見事に癒えている。体調は万全だ。
巣にいるのはハーピーだけではない。協力者の白い鳥もいた。ハーピーの翼をじっと見つめている。
「姉貴、翼は大丈夫なんですかい? ダメージは残ってないんですかい?」
「問題ないさね。あいつらに昨日のお礼をしてやらないとねぇ」
ハーピーは武器に使う石を削り始めた。準備が出来次第、すぐにでも巣を飛び立つことだろう。
白い鳥は心配そうに見つめている。ハーピーは杞憂だと言わんばかりに翼を動かした。
「アンタも以前最強ちゃんがくれた傷薬、もらったことがあるんだろ? 効き目は完璧さね。心配することは何もないよ。そんな顔するもんじゃないさ」
「しかしねぇ……」
ハーピーは口を大きく開けて笑い出した。巣に笑い声が響き渡る。
「アハハハハ! 大丈夫さね。昨日あいつらと戦ってわかったが、離れてたら問題ないからねぇ! 今度は近づきすぎないようにするさ!」
白い鳥は、アセビ一行と接触したときのことを思い出す。必死に追いかけてきたが、遠距離から攻撃をしてこなかった。ハーピーの言葉は正しい。
しかし白い鳥は安心していなかった。嫌な予感が頭を離れないのだ。
「でも石だけじゃ連中を倒しきれなかったんですぜ。今度はあっしも手伝いやしょう。正直戦闘は苦手だが、おとりぐらいには……」
「安心しな。戦闘はアタイだけでやるよ」
白い鳥はこのまま説得してもハーピーが援護を受け入れてくれないと察し、沈黙した。
「……」
ハーピーは白い鳥が心配してくれていることを嬉しく思ってはいた。しかし彼女には彼女の考えがある。それを伝えるため、石を削る手を止めた。
「アタイたちは最強四天王さ。最強ちゃんに誘われて嬉しかった。でも所詮はぐれ者の集まりさね」
「姉貴」
「ダチじゃないけど仲間ではある。共に戦うことはしないけど仲間の面子のためには戦う。過度な馴れ合いはしないけどたまに会って近況報告はする。アタイはこの付かず離れずな関係が好きなんだ」
「……」
ハーピーは散った仲間たちを思い出しているのか、遠い目をしている。最強四天王のメンバーは、リーダーの最強ちゃんを通して、それぞれ友人の友人ぐらいの距離感で交流していた。
端からみたらぼっちと変わらないかもしれない。それでも繋がりがあるというのは、精神の安定に繋がる。不思議とメンバー全員この関係を気に入っていた。
「もうメンバーは最強ちゃんとあんたとアタイしかいなくなっちまったけどねぇ。死んだあいつらは孤独に戦ったんだ。アタイもそうするだけさね」
「はいはい、わかりましたぜ」
白い鳥は少々苛立っているのか、散らかった食べカスをつつき始めた。
ハーピーは翼をひらひらと動かす。
「そうキレるんじゃないよ。怖いじゃないか」
「キレてないですぜ」
「ならよかったねぇ。そうだ。アンタにちょっとだけ協力してほしいことがあるんだ」
ハーピーは意味深にニヤリと笑う。白い鳥は嫌な予感を覚えたが、拒否せず受け入れることにした。
「で? あっしに何してほしいんですかい?」
「話が早くて助かるねぇ! アンタにしかできない大事なことがあるのさ!」
「嫌な予感がするんですがねぇ」
「あの連中を地獄に送ったら、そうさね。新メンバーでも探しに行くかい?」
「孤独を愛するアンタがですかい?」
ハーピーは白い鳥の皮肉を聞いて、楽しそうに手を叩いて笑った。




