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37.神崎所長もこんな気分だったのかな-研究所から?-

全44話予定です


私は挿絵は描けませんが曲ならなんとか作れたりします

という訳で、現在連載しているこの小説に曲を付けてみました


曲名は小説と同名の「レイドライバー」です

もしよろしければ一度聴いてみてください


▼Youtubeのリンクはこちら▼

https://youtu.be/N4ueViHp3SM


▼ボカロの声が気になる方はインストもあります▼

https://piapro.jp/t/RBLl



ちなみに他にもオリジナル曲をアップしています。もしもご興味がありましたら、ゼヒ聴いてみてください

▼以下が私のYoutubeチャンネルになります▼

https://youtube.com/@JohnD_72



曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 カズはそのまま研究所へ向かう。道中でも書類や資料映像の類に目を通しつつも、次なる一手を考えつつ行動する。ここまで来ると、本当にやっていることは同盟連合の軍事補佐官のようなものだし、向こう側の人間をして[我々の側に引き入れる]と確約してもらったという事情もある。


 しかしカズの本業は研究者だ。


 ――神崎所長もこんな気分だったのかな。


 カズはふとそんな事を考える。神崎といえばカズが日本に、生体応用工学研究所という場所で実験をしていた頃の所長である。


 いつも微笑みを絶やさず、それでいて違うものはちゃんと違うと言う。それは決して[事なかれ主義]から来る微笑みではない。


 ………………


「所長は何故いつも笑みを絶やさないんですか?」


 以前にカズはそう尋ねた事がある。


 それに対して神崎は、


「人間、泣いたり怒るという事はとても簡単なんだ。ただ感情の赴くままに爆発させるだけでいい。だが、それでは周りの状況やかすかな変化といったものに気付きにくくなる。笑みは、微笑みはね、人に向けるものではないんだ。笑みは自分自身に向けるものなのだよ」


 そう言われてからカズは人に対する態度を変えた。


 確かにその通りだと思ったからだ。怒るのではなく笑みを浮かべる。微笑み、と言い換えるべきかもしれない。決して笑うのではなく[微笑む]のだ。


 そんな神崎もカズが就職して非道な実験に手を染め、世界情勢がきな臭くなり始める頃には既に研究者というよりは管理者になってしまっていた。


 ふとした時に神崎と二人で休憩するタイミングがあった。いや正確に言えば神崎がタイミングを見計らって訪ねてきたと言ってもいい。それほど休憩時間というのはセクションごとに細かく決められていて互いが互いに会わないようになされていたのだ。だからセクションの違った千歳や恵美とは所内で会ったことは殆どないのが現実だったのだから。


 当然、そんなだからカズは神崎が訪れたことに驚きを見せた。そんな神崎は[一緒に一服、良いかね?]と言ってコーヒーを二杯用意して、


「たまには意見でも交換しようと思ってね」


 と言ってきた。そこで他愛のない話から研究成果まで一通り話をした記憶がある。特に研究の話をした時は、それは目を輝かせていた気がする。まるで自分が出来ない分を任せているような、そんな風にも捉えることが出来そうな、そんな表情だった。微笑を絶やさない神崎にしては珍しいことだ、と思ったものである。


 そんなときふと、


「所長は、研究職から遠のいてやはり嫌ですか?」


 とカズは尋ねた。そんな彼に神崎は[ははっ]と笑ってから、


「ちょっと寂しいかな。実務に当たっているきみや他の職員が羨ましくもあるよ」


 と答えた神崎の表情はどこか寂しげに見えた。


 ………………


 カズだって、神崎だって、自分がしている所業がいかに非道なものかくらいはわきまえているつもりでいる。だが、それでも研究者というのは動かしているその手を止める事のできない生き物なのだろう。そして手を止めるのを立場上強要された研究者というのは、やはり神崎のような表情を見せるのだろう。


 ――オレはこれからどうすべきなんだろうか。


 ふと立ち止まって辺りを見回すと、今自分が置かれている立場というものに気が付く。そしてそれは研究者とは程遠い存在である事も。


 しかし、カズには神崎と唯一違う点がある。それは千歳や恵美の存在である。自分が研究に手を染められない分、千歳が頑張ってくれている。恵美だって、脳核だけの存在、つまりはサブプロセッサーになってからも自分の脳に埋設された生体コンピューターを使って理論実験をし、それを実際の研究者に伝えて研究を続けている。


 ――オレはオレのやるべき事をやる、それだけなんだよな。でもそれって少し寂しいような気もする……のは、感傷的過ぎるか。今は立場を固める時だ。そして自分にかかわっている多くの者を守らないと。それが出来るのは自分しかいないんだよ。


 と言い聞かせる。


 ちょうどそんな時だ。研究所から無線通信が入った。


「研究所から?」


 それがまずありえない事ではあるのだが、聞けばエルミダス基地を経由しているという。


 ――それはつまるところの、研究所からの相談事か?


 そんな考えがよぎりつつも通信に出る。


 相手は[襟坂]だった。


全44話予定です


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