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36.ゲリラを屠ってこい、と仰るのですね-今回はゼロフォーと一緒ではないのですの?-

全44話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 カズは会議を終えるとまず二名の新兵にアルカテイル行きを命じた。


「もちろん、向こうでも頑張ってもらうから。アルカテイル基地は絶対に落とされてはならない場所なんだからね」


 これはある意味前線送りという形を取ってはいるものの、実は前線の意味をなしていない。それは今までの戦いが証明している。帝国はアルカテイル基地という存在をおそらく諦めたのだろう。だが、農村一つ挟んで対峙しているのは事実だ。だからにらみ合いになりつつも他の土地で戦闘を、火種をまき続けているのだろう。そして第五弾の火種の見当がついた。それだけでも収穫なのだが、それはアルカテイルの守りをおろそかにしていい理由にはならない。

 しかし、派兵を新兵だけで行うのは非常に危険だ。


 ならば。


 カズは、もう一人の新兵であるシューフイには旧イエメン行きをトリシャと共に行くように命じた。作戦が動くと決まった段階でトリシャは機体ごとエルミダス基地へと移送されていたのである。


 そこで二人には現状の説明を行った。相手は生身の人間なのだ、と。武装はせいぜいがRPG-2(対戦車擲弾発射器)止まりだろうという事も。


「つまりゲリラを屠ってこい、と仰るのですね」


 トリシャだ。彼女だってレイドライバーの武装を生身の相手にぶつけるのは流石に気が引けるのだろうが、ご主人様の命令という事実が反抗を絶対に許さないのである。そしてその狭間で悶え苦しみ、別の快楽へと変質させていくのだ。


「そのゲリラたちの肉は食べてもいいのでしょうか」


 シューフイだ。そう、彼女はそんな癖を持っているのである。自分が殺した相手の肉を食べて自分の体の一部にする。そうする事でより強く、より一体感が増す、らしい。この辺りは命令でそれを禁じたら逆効果なのだろう。


 だから、


「戦闘が終わったと判断出来て、なおかつトリシャ中尉の許可が出たらね」


 と言いながらトリシャを見る。当の本人は何事がを考えているのだろう、明らかに上気しながら、


「は、はい、ご主人様」


 と反応を見せた。


 そんな二人を軍港から見送って、


 ――さて、と。次はっと。


 あらかじめ呼んでおいたクリスとフィリスを会議室に集めた。


「きみたちはこれから旧ギリシャに飛んでもらうよ。まぁ、実際には飛ぶといっても船なんだけどね」


 そう前置いて作戦を説明した。敵の狙いが旧ギリシャだ、という事と、直接ギリシャには向かわないことも。


「そこまで分かっておられるなら何故、直接輸送機で旧ギリシャに向かわないのですか、ご主人様?」


 クリスだ。その疑問は当然だろう。その疑問にカズは、


「情報の出所をまだ特定されたくなくってね。今回の作戦は米州から空母艦隊を派兵する予定になっているんだけど、我々の部隊も海路を通っていくつもり。そして開戦と同時にエルミダス基地から三八FIか三五FDIを出撃させる予定でいるんだ。なので今から出てもらって旧南アフリカをぐるっと回るコースで南大西洋に出て北大西洋を経る感じかな。さっき、直接行かないと言ったけど、実際は[直接行っても間に合わない]が正解かもね。でもそれで良いんだ」


 と答える。そんなカズに、


「という事はそれ相応の被害は想定している、と?」


 クリスが尋ねれば、


「そう、ある程度の被害は想定している。今回のきみたちの遠征も、表向きは米州への派兵という事になってる。それに被害については既に上層部とも織り込み済みだ。言葉は悪いけど[この情報源を守るために犠牲を敢えて出す]と言ったところかな。それにレイドライバー部隊がいなくたって一日二日でどうにかなる訳じゃあない。少しは相手に花を持たせて、最終的には防衛を、という作戦なのさ」


 チラッとクリスを見れば、やはり微妙な表情をしている。トリシャのそれに近いものを感じているのだろう。


「今回は二名での派兵、と考えてよろしいのでしょうか?」


 フィリスだ。その問いにカズは、


「今、ゼロフォーは絶賛囚われの身だからね。その代わり、今回はゼロファイブと組んでもらおうと思う」


 そう言って概略を説明する。


 つまるところのパイロットのみの第三世代型であるクリスと、通常の第二世代型であるフィリスとゼロエイトの組み合わせ、そして無人機であるゼロファイブの組み合わせとなるのだ。


 二人のうちどちらかが異論を唱えるか、と思いきや二人とも[了解しました]という揃った声で答えた。それは[調律]のお陰なのだろう。特にフィリスは。


「じゃあ、今から準備よろしくね」


 そう言ってカズは二人を送り出したのだ。


 ――これで第五弾目までは対処できた、かな。三体で足りなければ、いざという時の輸送機がある。これならもう三体くらいまでならかさ増し出来るし。


 アルカテイルを守りつつ、旧ギリシャへの派兵に備える。だがこれは[現状で]という注釈が付く。相手のレイドライバーの増産体制いかんによっては第六弾も覚悟しなければならないとなる。


「向こうも、それほど余裕はないのだろうし。こちらもそれほど余裕はないのですよ」

 それでも戦争はなくならない。理由は様々であるが、一番大きいのは[戦争で利益を上げる人々がいる]という点だろう。


全44話予定です


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