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遊園地のキラーボイス・ピエロ

 「本当にここにいるの?」

「僕の情報収集に間違いはないよ」


私は今、次のターゲットに接触するために遊園地を訪れていた。妖怪ギルドやくっちゃんからの情報によると、この遊園地を訪れた人々が自殺しているらしい。被害者は皆、ピエロにやられたと話している。


「ピエロかぁ〜確かにシリアルキラーの定番ではあるよね」

「うん、情報によると風船を持ったピエロに出会った人達が声をやられたと話しているね」

「声を?ーーよくわからないなぁ・・」

「あっ、風船を持ったピエロ!!」

「本当だ!くっちゃん、隠れて様子を見よう?」

「うん!」


小さい女の子とお母さんがピエロに近づいていく


「あっ、ピエロさんだ〜」

「本当ね」


ピエロは女の子に風船を渡した


「良かったわね。ありがとうございます」


ピエロはそのまま歩き去る


「う〜ん、普通のピエロだよ?」

「おかしいなぁ。もしかしたら他にいるのかも。とりあえず、あの親子を見守ってみよう」

「うん」


私は正直、ピエロを監視した方が良いのでは?と思ったが、くっちゃんの意見に従うことにした。

すると秘密が明らかになった。突然、風船が割れたのだ

女の子が声を上げた


「わっ!!!」

「大丈夫?」

「うん、平気」

「どうしたの、その声!!!」


女の子の声が変わってしまった。私はその声に聞き覚えがあった


「くっちゃん、この声!」

「うん、ヘリウムガスだ!!」


そう。女の子の声はパーティーやショーで使われる変声効果のあるヘリウムガスを吸った時の声になっていた。お母さんが頭を抱える


「どうしましょう、これから歌の発表会なのに」

「え〜ん、この声嫌だよ〜!!」


お母さんと女の子は足早に場を後にした。

残された風船の残骸を回収すると今回のターゲットの手口が明らかになった


「くっちゃん、これ・・・!!」

「おそらく時限装置だね」


極小さいタイマーと針に割れた風船が絡みついている。 


「声をやられたってこういうことか・・」

「タイマーと連動して極小の針が射出される仕掛けになっているみたいだね」

「くっちゃん、もしかして被害者は声を大事にしている人達なんじゃない?」

「え〜っと、確か・・うん、その通りだ!」


そう。あのピエロは無差別に時限装置入りの風船を渡し、あわよくば歌手などの声を大事にしている人達の声をヘリウムガスで変声させようとしているのだ。


「なら、許せない!捕まえて懲らしめなきゃ!!」

「そうだね」


だが、今回は困難だ。調べによるとこの遊園地には複数のピエロがいて誰がターゲットのピエロか分からない。時限装置が作動するまでの時間もあるので判明した時にはすでにどこかに行ってしまっている。

そこで私はこの針を使って貰った風船を割ることにした。中から時限装置が出てくればターゲットだ。


「詩音、ナイスアイデア!」

「へへっ、ありがとう。本物のピエロには申し訳ないけど、人助けのためだよね」


 そんなわけで私はターゲットのピエロを探し始めた


「ピエロいたよ!」

「いたね。すいませ〜ん、風船下さいーーありがとうございます」


風船の中身は空だった

「本当にごめんなさい」


慌てて離れる。その後も同じピエロに出会ったりしてなかなか難航したがついに見つけ出した


「お願い!」


パンッと風船が割れて中から時限装置と針が出てきた。バンダナでガスを防ぐ


「ようやく見つけた!キラー・ボイスピエロ!!!」


ピエロなので表情はわからないが、私を敵と認識したらしい。


「逃さないんだから!!」


ピエロが他の風船を割ると中から小型のナイフが出てきた


「!!ナイフ持ち・・!!」

切りつけてくるピエロの動きを躱す

ピエロは左右に突き刺すようにナイフを向けてくる


「詩音、反撃を」

「分かっているけどナイフをどうにかしないと・・」


流石に道化師だけあって身のこなしが軽く、こちらの蹴りやパンチは軽く躱されてしまう。くっちゃんの予測演算でナイフの動きを予測して掴み、腕にチョップを食らわせた


「!!ーー」


ついにナイフを落とした


「今だ!!」


"さあ、復讐の時間だよ"

キラー・ボイスピエロの首に髪を巻きつける

ピエロはナイフを拾い上げ、髪を切断しようとするが、こちらが絞め落とす方が早かった


「ふぅ・・危なかったーー」

「詩音、お疲れ様。係員さんに報告しよう」

「うん」


 キラーボイス・ピエロは無事に逮捕された。


「一件落着だね。そうだ、くっちゃん!ちょっとこの遊園地で寄り道していこうよ!」

「寄り道?」

「この遊園地に出ているキッチンカーのお団子、すごく美味しいんだって!!」

「良いね!」

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