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お化け屋敷にて遭遇

 「詩音ちゃん、そろそろ入れる?」

「はい、準備オッケーです」


私は今、人間界のお化け屋敷でバイトをしていた。

このお化け屋敷は以前ターゲットに制裁を与えたお化け屋敷だ。

妖怪ギルドからの報酬で生活は出来ているから働く必要はないのだが、時田さんとの関係を築くうえで仕事の話は大事だと思ったのだ。くっちゃんとも相談して、のびのび働けるここを仕事場に選んだ。


「詩音ちゃん、今日もたくさん驚かせてね!」

「まかせて下さい!」


私はガッツポーズをしてから手を振って持ち場についた。


「詩音、今日は大物なお客さんが来たよ」

「大物なお客さん?くっちゃんの知り合い?」

「結論から言うとターゲットだね」

「ターゲット!?」

「うん、ターゲット」

「蠱毒会か、自殺関連かどっち?」

「両方だね」


私は天を仰いだ


「両方か〜それは確かに大物だね」

「情報によると、偽警官の高内正義たかうちまさよしのコンビだった女性だ」

「ああ、あの偽警官の」

「名前は飯田玲子いいだれいこ。飯田も高内と同じで罪のない人々に濡れ衣を着せて取り調べを楽しんでいるらしい」

「最っ低!!私を狙って来ているの?」

「間違えないよ」

「う〜っ、まさか職場にまで来るなんて・・!!」


がっかりする私とは逆にくっちゃんは明るい声を出した


「詩音、これはチャンスだよ」

「チャンス?」

「飯田を制裁すれば平穏な職場を手に入れることができるよ!」

「ーーそうだね!!」


私達は作戦を考えることにした


 「じゃあ、後はよろしくお願いします」

飯田玲子は代わりの警官に後を任せて休憩に入った。自販機でコーヒーを買い一息つく


「ふぅ~やっぱり、この仕事は辞められないわ。無実の罪で圧倒される相手を見るのは最高ね」


飯田は紙のリストを恍惚こうこつの表情で眺める 


「こいつも完了っと!」


リストにチェックを入れて次のターゲットに狙いを定める


「高梨琴音ーー絶対にハメてやるんだから」

 「詩音、準備は良い?」

「大丈夫だよ。臨戦態勢オッケー!」

「間違えてお客さんに攻撃しないでよ?」

「もうっ、大丈夫だよ」

私は頬を膨らませた


 飯田は殺意を隠して何食わない顔でお化け屋敷を訪れた


「大人1枚」

「どうぞ」


飯田はスタスタと歩いてお化け屋敷の奥へと進んでいく


「詩音、来たよ!!」

「オッケー!」


飯田は私の姿を認めると足を止めた


「高梨琴音、ね?」

「ーー今は近藤詩音です。あなたも蠱毒会の人間なら覚えて下さい」

「わけ知りってことね」

「私に何か用事ですか?」

「とぼけたことを。あなたを捕まえてめるために来たのよ」

「私はここを仕事場にして人間界を満喫するんです!負けません・・・!!」

「言ってなさいよ!!」


飯田は蹴りを繰り出した

ジャンプして躱す


「詩音、大丈夫!?」

「うん、平気!」


飯田は身体能力が高く、動きにキレがある

右のパンチを躱して腕をつかみ、投げ飛ばした


「やるわね・・!!」


終始互角に渡り合うが、ついに飯田が詩音を捕まえた


「すばしっこい子猫ね。ここ、お化け屋敷よね?

天井からぶら下がる形で死ぬか、井戸に投げ込まれて死ぬか、どちらが良いかしら?」

「ーーどっちも・・お断り、です!!」


飯田の腹にパンチを食らわせる


「ぐっーー、はっ・・・!!」

「詩音、今だ!」

「うん!」


髪を伸ばす

"さあ、復讐の時間だよ"

飯田の首に髪を巻きつける


「くっ、、、これは、、効くわね・・・!!」


飯田は気絶した


「私は、自由を手に入れる!!」

 後日。

「詩音ちゃん、お願いね!」

「はーい!」


私はお化け屋敷で生き生きと働いている。


「詩音、職場を守れて良かったね!」

「うん!くっちゃんものびのびできるしね!!」


その日、お客さんの中に会いたかった人ーー時田さんがいた。


「喰っちゃうぞ〜!!!」









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