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mission0 Ace≠MainCharacter



Access____OK___

Main system startup___

Manupilator operating normally___

Main camera operating normally___

Visibility good___

System all green___

Eurostar activated___.





新暦 131年 最前線地区(フロントライン)【DS9】

04:53:25:98


空は黒く、雨が降ると予感させるような雲が空を埋めつくし、その雲一つ一つの隙間から光が発行する。まるで雷が走ってるのでは無いかと想像してしまうほど、綺麗な光景だ。

だが、この場所が()()じゃ無ければな……。そう、心の中で呟く。


Unknown(アンノーン) II(ツー)。隊長。作戦時間になりました』


ヘッドセットから無線通信が俺の耳に響く。

俺は今、コックピットの中に居る。そして目のディスプレイの前ではドンパチと機関銃やミサイルが飛びあってまるで蛍の光の様に木からユラユラと燃え上がっていた。空の奥は陽炎の様に光っている。

そう。戦場だ。俺は今。戦場にいる。


『こちらオペレーター【レンフィールド=アリウス】です。間もなく作戦当該地区に到着します。帰還用のヘリも戦域外で待機してます、見つけ次第報告を』


「……ああ。了解した。これより作戦を開始する、Unknown III(スリー)からUnknown V(ファイブ)までは味方の援護を。負傷した味方部隊を離脱ラインまで護衛しろ。それと、わかっているだろうがF(フレンドリー)F(ファイヤー)を禁止。敵を見つけ次第、見敵(サーチ)(アンド)必殺(デストロイ)しろ。だけど優先事項は味方の撤退だ。V、予測は頼むぞ。Unknown I、Unknown IIは2機編隊(エレメント)を組め。俺の援護を、敵前線を強制的に引かせる、意義は無いな?」


『任せて!!、Unknown I 。Wilco(了解)!!』

『Unknown II 。 Wilco(了解)。隊長に続きます』

『あいよ、Unknown III。Wilco(了解)

『わかった……Unknown IV(フォー)Wilco(了解)……』

『Unknown V 。Wilco(了解)なのです!』


全員の声がコックピット内を響き渡ると、機体のバーニアを吹かし、足元のスラスターを制御しながら俺を先頭に森の中へと侵入する。

ガタガタと揺れ動く機体、索敵も忘れない様にしながら俺の生い立ちについて考えた。


Ace(エース )or(オア)Aarth(アース)

そう呼ばれたゲームの世界に俺はいつの間にか、転生……?と言うのだろうか、或いは『憑依』といった方が良いのだろうか。何故か、赤子になってこの世界に立っていた。

このゲームは、欲に言う『ロボットゲーム』と呼ばれる奴で、主人公は「アーティスト」呼ばれるロボに乗り、敵国である【フェイド共和国】と主人公が所属する【アースティア連邦】の戦争に巻き込まれながら裏で動く陰謀を止める物語だ。

ロボゲーにしては拡張性が高く、武器だけでも100種類。機体パーツでおよそ250種類のパーツが存在し、キャラクターも数多く存在した。

それで、俺がこの世界だと確信したのは、その作品において【裏ボス】と呼ばれる(みかた)であった。


その裏ボスとやらと戦う為には、チュートリアルの評価を全て最高評価でクリアした後、開放される【Museum(ミュージアム)】と呼ばれるミニゲーム(シュミレーター)に出てくる全アーティスト乗りをランキングごとに評価した物で、挑む事ができる。そして、そのアーティストを倒すとランキングが上がるシステムだ。


それで全てのアーティストを撃破した後、もう一段階上の【Secret(シークレット)Museum(ミュージアム)】。別名【裏庭】ってのが開放される。

製作者達が作り上げたアーティストやコラボ機体なんか色々出てくる裏コンテンツなんだけど……同じ様に倒して行くと現れる真の裏ボス「Unknown小隊」。そのリーダー。


コードネーム【Unknown(アンノーン) Zero(ゼロ)


異名を【黒赫(クロガネ)の死神】とか言う厨二病心くすぐるヤベェ奴で、機体も彼専用の機体パーツで覆われているんだけど。Unknown小隊は基本的に 『Unknown ○○』シリーズと呼ばれる機体パーツを使用していて、番号事にパーツが違っており、中世の騎士の様なパーツもあれば、何処からどう見てもスナイパー特化なパーツなど様々あるが彼のだけはUnknownだけでは無い。

機体名【Disaster Z/s0=BB】

災害の如く、作品最凶にして上位陣を完膚なきまでに叩き落とし、やりこんだ人でさえもクリアする事が難しいと言えるほどに壊れた正に初見殺しの機体(ルールブレイカー)

だが、プレイヤーが使い始めると癖が強すぎて逆に弱いと言われる事になったんだがな。武装も弱体化、説明によると再現が難しく本物(オリジナル)とは違う、劣化版(デッドコピー)として作られた物だと概要に書いてあった。だが俺は彼の機体を凄く好み、ただその機体ひとつでオンラインのランクマッチを漁り倒していた。それで辿り着いたは彼と同じく最強の称号に辿り着いた。ただそれは今でも記憶に馴染んでいる。


そんな俺の人生に大きく加担することになった、裏ボス。その彼の本名は『バルファルム・J(ジョシュア)・ゼロ』。ゲーム中では、主人公の部隊の援護をする遊撃部隊の隊長としてボイスのみ乗っていた。

この事実を知ったのは設定集を読み漁ってた時である。


そ、もうわかったでしょ、その彼が今の俺って訳よ。

まぁ、彼について話したし。そろそろ本題に入ろう。

そんな裏ボスになった……俺は知識を持ちながら今まさに戦地に居る。しかも当時は赤子だった。そこから20年の月日が流れても集結が見えない戦いの数々、やになっちゃうね。


ま、俺の仕事は、最前線地区(フロントライン)で負傷した味方の撤退を援護する部隊。

まぁ、俺が所属した際にはもうそこにぶち込まれてた。と言うより……緊急発進(スクランブル)する羽目になったって言った方が正しいか。はぁ……世の中は楽じゃないねぇ〜。


そう思いながら、山を走破する。このフェイド共和国とアースティア連邦の国境沿いにある戦い過ぎてポリエの様にぽっかりと空いた穴のような所に無数にある塹壕と(ひら)けた円形状の地形(エリア)が特徴な【DS9】に向かう。


ゲーム内においては、最前線地区(フロントライン)の中でも最も死亡率が多い場所としてアーティスト乗りの中では【アーティストの墓場】。もしくは【闘技場(コロシアム)】なんて言われてたな……。


どんどんと銃撃戦の音が大きくなる。ガタガタと揺れるコックピットのモニターを拡大して見れば、少し大きな鳥のような機械が飛んでたり、歩兵が塹壕内で機関銃を撃ち合い、泥だらけになりつつあった。


『間も無く、作戦区域に到着します』


「そろそろか、行くぞ俺。気合いを入れろ……」


俺が今乗っているアーティストは、アースティア連邦が扱うアーティストの内、様々な作戦で活躍する万能機として扱われている、【Eurostar(ユーロスター)0(ゼロ) T1-06-0】と言うアーマーだ。アーティストはアーマーとフレームに別れているのが特徴的なロボット、それがアーティストなんだが、こいつは二脚であり、Eurostarと言うアーマーの特徴的なキャタピラを装備してはいない。その代わりにブースターが多く着いており、ホバー移動を可能としている。だが、ゲームでのEurostarはもう少しずんぐりむっくりとした重装甲な機体な筈なのだが……スラッとした軽装甲の以下にも速そうな高機動機である事は目で見える。試作機(プロトタイプ)って言う奴だな。そう言う外装(アーマー)だ。


手元には大型のレーザーブレイドと45口径アサルトライフル【Alpha(アルファ) AR-45-A】を備え、いつでも腰辺りにある投射式マイクロミサイルポットを放てる様に準備して置く。


言っておくが、この世界はゲームじゃない。だから当たり前だと思うけど、俺が使う機体も基本的に配布された機体しか使えないが、それでも上は多分だけど俺達がエース部隊だからか、いい機体を送ってくれる。本当に嬉しい限りだ。

……おっと、説明で忘れていた。


「そう言えば……各、Unknown。今日の飯は何食いたい?」


『はい!はい!隊長!!、Vは隊長特製カレーが食いたいのです!』


『お、良いじゃねぇか。1ヶ月ぶりの隊長カレー』


『確かに。私はVの意見に賛成です』


『僕も賛成かな〜』


『私は……どっちでもいい……』


「そうか。じゃあ、今日はカレーだな。1番働いたヤツにはトンカツもプラスだな。じゃ、気合い入れてけよッ!!」


うちの小隊は、飯は俺がいつも作っている。その為作戦のモチベーションを上げるために移動時もこんな事を話してるんだ。もちろん周りを見ながらな。


俺はスロットルを最大まで押し込む。

背中に着いたブースターの色が赤から青に変わり、とてつもない推進力となって前へ。そして、地を這う機体が空を舞った。黒い影が空へ舞う。大きなクレーターの様な穴へ、黒塗りする機体が落ちて行く。他のアーティストの残骸を飛び越えて_____


「第2スラスター起動、動力系統……安定。System(システム) check(チェック)。OK……password(パスワード)Lasciate(汝等) ogne(この門に) speranza,(入るもの、)voi(一切の)ch'intrate(望みを棄てよ)】」


緋のモノアイが燃え盛る戦場の中で光る。主の声に呼応するかの様に、パァンッ!!と大きな音を立て、アーマーの一部が分離(パージ)されると、フレーム背部に隠されていたスラスターが現れ、轟音を鳴らす。腕部(アーム)のアーマーの隙間が開き、光が溢れ出せば、悪魔の鉤爪のように光が手を纏い、手にしているレーザーブレイドが真紅の色へと変貌する。

そして、無機質な声がコックピット中に響く。


『【承認、System Disaster(ディザスター)。第2封印機能(リミッター)解除します】』


姿を隠した黒い悪魔が、今、戦場に舞い降りた。


「さてと……行きますか!!」





_______

_____

___

_












△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△














「なぁ、知っているか?」


「何がだ?」


「【死神】の噂」


ここは、【DS9】から少し遠くに作られたアースティア連邦、【エレビッツ軍事基地】アーティスト格納庫にて、とあるパイロット達が話していた。

外では、新兵達がランニングをし、メカニックが各アーティストを整備しているところを何処か幼気な青年と青のベレー帽を被り葉巻を吸う、如何にも老兵であろう軍人は見守りながら語り始めた。


「この前、あの悪名高い【DS9】からうちの基地に帰ってきた奴が居てな……」


「なっ!?あの最前線地区(フロントライン)の中でも行けば帰ってくる事の無かったあの【DS9】か…!?、そいつはとんでもない奴だな……」


「ああ、それでそいつに聞いたのよ。【DS9】の話を。俺がそいつが帰ってきたって話を聞いて直ぐさま行ったんだが、そいつのアーティストはボロボロだった。なんせ、右腕は吹っ飛ばされてるし、頭のメインカメラももぎ取られて、コックピットが半分丸出しなんだ。銃弾の跡も酷くてオイルが垂れっぱなし……言葉にならない程に酷い状況だった。でもそいつは頭部の出血、左脚の関節を粉砕骨折した程度の怪我だった。おかしいだろ?普通ならあんなアーティストの損傷を受けて、即死するはずなのにそんだけの損傷で耐えてるんだから」


「……そいつは運の良い奴だな」


「だろ?俺も最初はそう思ってたさ……あいつが話すまでは。」


空に目線を逸らしながら、男は何処か重たい雰囲気で続きを話す。葉巻の煙が彼の胃に、心に重くのしかかるが、上へと視線を向けた。

空にはトンビが獲物を探す様にぐるぐると舞っている。


「……」


「俺はあいつのいる病室に言った時。目が覚めた。あいつは最初、生きてる事が信じれてなかった。何か本能的に恐怖した顔。青ざめて、何かに怖がってたんだ。俺はすぐさま聞いたさ、『大丈夫か!?』と。するとあいつはこう言い始めた。『死神だ。死神が居たんだ。俺達の軍には死神が居る』って言い始めた。訳がわかんねぇからもっと問い質したんだ。ことの初めは、その【死神】って言う奴は、あいつ居た小隊が撤退を始めた際に間を抜けるように現れたらしい。赤いモノアイに、黒に塗りたくられた装甲。血のような赤黒いフレームが特徴的な見たことも無いアーティストに乗って現れたんだとよ。何せ、()()()()のエンブレムは全員違っていた。」


「まて…ソイツら?その【死神】と言うやつは何機も居たのか?」


「ああ、エンブレムのデザインは違うけども共通して黒色に番号が書かれたエンブレム。確か…6機居たとか言ってたな。それで、見たこともない兵器であのフェイドの奴らを蹂躙し始めたんだ…。その後、確認が取れたのかその内の2機が、帰還ラインまでアーティストごと運んで、その移動の際に気絶して目が覚めれば俺と話してた……。って言う話さ…死神ねぇ。俺らの味方にそんなアーティスト乗りが居るのか?」


青年はゲラゲラと笑いながら自身のアーティストを見て、何処か闘争心を燃やしていたが……老兵は、その存在を思い出すかのように考える。いや、心当たりがあった。


「……【死神】か。もしかしたら【イグニスター軍事基地】に居るあの小隊かもしれんな」


「イグニスター軍事基地?」


「ああ、悪名高い軍事基地でもあるんだが……。元々は最古の最前線地区(フロントライン)【R13】、元は極秘の研究施設があった場所でな。戦争開幕時一番最初に襲われた、軍はその【R13】を確実に制圧するために、その施設にいた新米の異端児(バケモノ)共を招集した」


「ふ〜ん。それでその異端児を集めて特攻させました〜って言うオチか?」


「いいや、その異端児どもはたったの6人で【R13】を1週間で戦域確保(エリアクリア)、その後前線を押し進めた」


「……は?待て待て!!今の俺たちでも、撤退を余儀なくされる様な戦況下で、たったの6人!?。おい、冗談にもほどほどにしてくれよ」


「嘘では無い……。実際に、記録にも6人で制圧したと言う話は残ってる。黒いエンブレムに赤のフレームが特徴的だった彼等は、戦争が続いて話は聞かなくなった……その事から正体不明の小隊。【Unknown】なんて味方や敵に呼ばれる事になった。もしかしたら、その【Unknown】達は今は前線を食い止めるボーダーライン的な立ち位置で我々の支援をしてくれるのかも知れん」


「……【Unknown】」



男達は、そう呟いた。

正体不明の化け物たちの真実を男達は後に知るだろう。


「隊長ッ!!30週終えましたッ!!」


「ん?ああ、もう終わったのか。よし!!休憩の時間だ!!この30分後にアーティストの戦闘訓練を開始する!!それまでに休めと全員に通達しろ!!」


「了解です!!」


新米達が走り行く戦場にて。その姿を知る事を彼はまだ知らない。


「フゥ……いくぞ、レオン・フェイタル大尉。その話はまた後でしてやろう」


「……了解、大佐。正体不明(unknown)……きっちり覚えたぜ」


その邂逅は意外と近い事に。

【ちょこっと機体解説①】

Eurostar(ユーロスター)0(ゼロ) T1-06-0

愛称:【零星(れいぼし)

アースティア連邦、アーティストの生みの親「タチバナ・シグレ」が作り出した次世代アーマーその試作品。

現在までに第3世代までのアーマーが作られているが、第4世代と呼ばれる次世代のアーマー、その中間を担う事となったアーマーであり、第3世代の欠点であった整備性と防御性能を大きく見直し、新しい素材を利用して軽装甲ながら重装甲アーマーとほぼ同じの耐久性を確保する事に成功した。この研究結果により、アーマーは様々な形の物が登場する事となるが、後にアースティア連邦はこのユーロスターゼロの後継機である 【Eurostar T1-06-1】を正式量産型アーマーとして使用する事となる。




見た目とすると、一本線を引いたようなまるで某宇宙世紀のサクサクした系のモノアイが特徴的であり、フレームに寄るが、ほとんど白い悪魔のような胴体をしてたりする。ジョシュアの場合は足裏、アキレス腱の部分に合計8つ(足裏に大型スラスター2門、アーマー裏に4門、足アーマー内に姿勢安定用のスラスターが二門、アーマー側面に二門)搭載されている特別仕様になっており、他Unknown小隊メンバーとは少し違ったカスタムになっている。


(一応見た目はご自身の想像でも構いませんby投稿者)


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