表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
My² Gene〜血を喰らう獣〜  作者: 泥色の卵
第2章 前編 殷獣調査・討伐作戦
58/83

政府軍少将ジョン・マイヤード

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


【登場人物】

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。


 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。


 [水王(スオウ) 涙流華(ルルカ)

 元名家・水王(スオウ)家の侍で、水の遺伝子能力者。

 プラズマ達に妹を救われた一件で、自分に足りないものを探すため、水王家当主から世界を回ることを命じられる。


 [ラルト・ローズ]

 白色の長髪で、いつもタバコをふかしている政府軍中佐。

 口が悪く、目つきももれなく悪い炎の遺伝子能力者。

 政府軍内の裏切りにより、軍を退官してプラズマ達と旅に出ることを決心する。


 [レモン・ポンポン]

 褐色高身長、彫の深い濃い顔にアフロがトレンドマークの伝説のエンターテイナー。

 娯星テロ事件の後、プラズマと涙流華に強制的に同行させられる。ガタイの割にビビり。



殷獣(いんじゅう)討伐部隊


[アドルフ・グスタフ]

 政府直轄機関、通称十闘士(じゅっとうし)の一員。

 今回の殷獣討伐作戦の統括指揮を任されている。


(ウェイ) 月華(ユエホァ)

 政府直轄機関、通称十闘士(じゅっとうし)の一員。


Master(マスター) LIGHT(ライト)

 本名はレクス・テイル。元大元帥。


[アイリス・ローン]

 ピンク髪の政府軍中将。少女のような風体だが34歳。


[ジョン・マイヤード]

 政府軍少将。若い将校でラルトの元部下。


[ストリーム・アクアレギア]

 名家アクアレギア家からの討伐作戦参加者。

 黒いローブを着ておりフードをかぶって素顔を見せようとしない。テンションが高い。


四暮(シボ)(ダン)

 大道芸人集団を率いる男。

 金髪アフロにサングラスをかけている。

 テンションが高い。


▼知能型殷獣

[アリシア]

 赤黒い肌をした人間の少女のような姿の知能型殷獣。

 人との争いを望んでおらず、停戦のため動く。


[“見えない”殷獣]

 トカゲのような四足歩行の殷獣。声は高く口調は女性寄り。透明化する能力を持つ。


[“速い”殷獣]

 鳥型殷獣。風の能力を持つ。


[“硬い”殷獣]

 ジパニカビートル系の昆虫型殷獣。ストリーム・アクアレギアに一撃で葬り去られた。


▼危険人物

[マリア・ヴァージニア]

 前回の殷獣調査で行方不明となった元政府軍少将。

 殷獣汚染により、凶暴化している可能性がある。


[元四帝(よんてい)

 一神(いっしん)四帝(よんてい)から離反した元四帝の一人、“女帝”。


 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


「マイヤード!」

 ラルトはかつての部下であるその男の名を呼んだ。


 ジョン・マイヤード。柔らかで明るい雰囲気を醸す若い男だが、政府軍少将という地位にある強者だ。



 数ヶ月前に起こった政府軍高官離反事件により、上級大将と大将が離反した。

 ラルトはそのとき政府軍中佐であり、その部下としてマイヤード()()がついていた。


 その事件が原因でラルトは政府軍を退官を決意し、プラズマ達と共に行動することとなった。


 少尉から少将へと異例の8階級昇任を果たしたジョン・マイヤード。

 彼は“高官が3人も抜けたから”と周りには話していた。これは謙遜ではなく、彼は本気でそう思っていたのだ。



 そんな彼をラルトは目を見開いて見つめていた。

「お前、その能力…」

 見たことのない能力。

 マイヤードの能力は相手の攻撃を切り伏せるようなものではなかったはずだ。


「マイヤード、お前…AGRY(アグリー)を?」

 マイヤードのように20代前半でAGIS(エイジス)に至っている者は政府軍将校の中では珍しい存在ではなかった。

 しかしそれがAGRYともなれば話は変わってくる。

 AGRYは少将以上の将校に昇任するために必要な条件だった。


 AGRYは戦闘経験やAGISの複数回使用を経て修得に至るものだ。

 そのため早くて30代、40〜50代の修得でも賞賛を受けるほどだった。


「デーモン上級大将、ボルボン大将、ラルトさんが抜けて戦力はガタ落ちしました」

 上級大将のデーモンや大将のボルボンの実力は言わずもがな、ラルトもAGISの能力から単騎対多人数戦での大きな戦力となっていた。


「だからラルトさんが抜けた後すぐにAGRYを修得しました」

 淡々とそう言うマイヤードは、喋りながらも再度鳥型殷獣が発した竜巻を切り伏せた。

 以前にはなかった余裕が感じられる。


「AGRYを修得って…そんなに簡単に修得できるもんでもないだろ!」


 ラルトの真っ当な指摘にマイヤードは深く頷いた。

「えぇ。必死に努力しましたよ」


 そしてマイヤードは柔らかでありながら強かな笑顔をラルトに向ける。

「だって悪いやつを取り締まったり、紛争を仲裁する政府軍が弱いわけにはいかないじゃないですか」


 マイヤードが歩みを進めると、鳥型殷獣は大きく羽ばたき、巨大な風の鎌を放った。

「真っ二つになれ!」


 マイヤードは片目を(つぶ)ると、自身の顔の前で()()()をつまむ素ぶりをした。


 そしてつまんだ()()()を横に投げると、風の鎌も突然方向を90度変えて木々に命中した。


 その光景を目の当たりにしたラルトは思わず声を上げた。

「お前の能力…もしかして」

 

「はい。ラルトさんの考えてる通りですよ」

 敵前だからかマイヤードは自身の能力を説明しなかった。


 マイヤードの基本的な能力は遠近感を逆転させる能力だった。

 近いものが遠くに見え、遠いものが近くに見える。

 使い方によっては相手を混乱させることができるトリッキーなものだ。

 

 AGISは相手の遠近感を操作する能力だが、相手や相手の攻撃に直接あれこれする能力はなかった。


 ラルトは目の当たりにしたその能力から、マイヤードのAGRYは遠近感を無視して相手に干渉する能力だと考察した。


 激昂する鳥型殷獣は羽ばたいて竜巻を発生させた。

 しかしマイヤードが両手でパチンと手のひらを叩き合わせると、竜巻は潰れるように消滅する。


「なんだ…! そのふざけた能力は…!」

 自身のAGRYを完封された鳥型殷獣は焦りと苛立ちで声を荒げた。


 そんか鳥型殷獣とは対照的にマイヤードは落ち着き払った様子でラルトに声をかけた。


「ラルトさん、今ならAGIS通りますよ」

 そう言ってマイヤードはラルトよりも後ろに後退する。


 一度眼を閉じたラルトは、遺伝子能力との同調を宣言した。

「AGIS、「着視引火炎イグニション・オブ・ビジリティ」」


 その宣言を聞いた鳥型殷獣は焦ってその場から離れようとするが、それも間に合わずラルトが目を見開くと一瞬にして殷獣の体から発火した。


「くそっ…! くそが!!」

 半狂乱になった鳥型殷獣は複数の竜巻を発生させるが、それも全てマイヤードによって無力化される。


 何とか少しでも遠くに飛んで逃げようとした殷獣だったが、抵抗も虚しく火を(まと)った状態で墜落していった。


「捕えるぞ。奴にゃ聞かなきゃなんねぇことが死ぬほどある」

 バリスはそう言って墜落した鳥型殷獣に向けて駆け出した。ラルトとマイヤードも彼に続く。


轟唱(ごうしょう)鉄鎖縛(てっさばく)

 ラルトは複合煉術(れんじゅつ)を使って鎖を鳥型殷獣に巻きつけた。マイヤードも同じ煉術を使用してラルトをサポートする。


 基礎的な捕縛の煉術の一種である“縛唱(ばくしょう)”を使用しようとしていたバリスは、彼らの高等煉術に目を丸くした。

轟唱(ごうしょう)なんてよく使えるな。ただでさえジパン族語で宣言名が覚えにくいってのに」


 堅固に縛り上げた鳥型殷獣に対し、バリスは必要最低限の治療を施した。


「ベースに持って帰って尋問だな。処分はその後でもいいだろう。アドルフさんにも連絡しておこう」

 そう言ってラルトはホログラムを開く。


 その時だった。

 捕えられた鳥型殷獣が力無く乾いた笑いを上げる。


「ははっ……俺たちを殺せば……そう遅くない内にお前らも終わりだ…」


「焼き鳥にして今日の晩飯にでもするか」


「馬鹿野郎、聞くことがあるっつってんだろ。するなら明日の晩飯だろうが」


To be continued.....


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ