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My² Gene〜血を喰らう獣〜  作者: 泥色の卵
第2章 前編 殷獣調査・討伐作戦
47/83

名前

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


【登場人物】

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。


 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。


 [水王(スオウ) 涙流華(ルルカ)

 元名家・水王(スオウ)家の侍で、水の遺伝子能力者。

 プラズマ達に妹を救われた一件で、自分に足りないものを探すため、水王家当主から世界を回ることを命じられる。


 [ラルト・ローズ]

 白色の長髪で、いつもタバコをふかしている政府軍中佐。

 口が悪く、目つきももれなく悪い炎の遺伝子能力者。

 政府軍内の裏切りにより、軍を退官してプラズマ達と旅に出ることを決心する。


 [レモン・ポンポン]

 褐色高身長、彫の深い濃い顔にアフロがトレンドマークの伝説のエンターテイナー。

 娯星テロ事件の後、プラズマと涙流華に強制的に同行させられる。ガタイの割にビビり。



殷獣(いんじゅう)討伐部隊


[アドルフ・グスタフ]

 政府直轄機関、通称十闘士(じゅっとうし)の一員。

 今回の殷獣討伐作戦の統括指揮を任されている。


(ウェイ) 月華(ユエホァ)

 政府直轄機関、通称十闘士(じゅっとうし)の一員。


Master(マスター) LIGHT(ライト)

 本名はレクス・テイル。元大元帥。


[アイリス・ローン]

 ピンク髪の政府軍中将。少女のような風体だが34歳。


[マイアード]

 政府軍少将。若い将校でラルトの元部下。


[ストリーム・アクアレギア]

 名家アクアレギア家からの討伐作戦参加者。

 黒いローブを着ておりフードをかぶって素顔を見せようとしない。テンションが高い。


四暮(シボ)(ダン)

 大道芸人集団を率いる男。

 金髪アフロにサングラスをかけている。

 テンションが高い。


▼危険人物

[マリア・ヴァージニア]

 前回の殷獣調査で行方不明となった元政府軍少将。

 殷獣汚染により、凶暴化している可能性がある。


[元四帝(よんてい)

 一神(いっしん)四帝(よんてい)から離反した元四帝の一人、“女帝”。


 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

【お知らせ】

 明けましておめでとうございます。


 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



▼▼▼▼▼▼


深い闇の中。


抜け出すことのできない闇の淵。


いくらもがいても、その闇からは逃れられない。



▽▽▽▽▽▽


光り輝く夢の中。


どこまでも広がる青い空。


両手を広げて、自由に宙を飛び回る。



▼▼▼▼▼▼


いつまで経っても闇の中。


この力に時間など関係ない。



▽▽▽▽▽▽


解き放たれた光の中。


流れる時間が徐々に私の力を強めていく。




▽▼▽▼▽▼


そうか。


どちらも私なのか。





―――――――――



〜プラズマベース〜



「はっ……!」

 人型殷獣が目を覚ます。

 彼女は周りに人の気配を感じ、すぐ様臨戦態勢へと入った。


「待てって! なんもしてねぇって!」

 プラズマが手を前に出して、今は敵ではないと訴えた。


「私は……?」

 人型殷獣は警戒しながら辺りを見回している。


「いや、気持ちよさそうに寝てたから、声かけられなくてさ」

 プラズマの能天気な笑みに、人型殷獣は少し警戒を弱めた。

「よっぽど気張って疲れてたのかな〜ってさ…」


「………………」

 人型殷獣が警戒していると手負いのラルトと涙流華が帰還する。

「お、プラズマ、帰ってたのか」


 ラルトと涙流華に目を向けるプラズマ。

 その後ろにも人影があることに気づいた。

「あれ、そっちは……」


「どもども、ストリーム・アクアレギアです!」

 ストリームは小さくチョップするように手首を前後に振っている。

 挨拶でもしているつもりなのだろう。

「すいません、《速い》やつ確保しそこねました…」


 ストリームの後にラルトが続く。

「《見えない》やつに連れてかれちまった」


 ストリームは辺りを見回すとプラズマに尋ねる。

「あれ、四暮(シボ)さん達は?」


「殷獣を倒して回るってさ」


 するとストリームがプラズマの背後を覗き込み、声を上げた。

「ややっ! その()は、アっ………人型殷獣じゃないですか!」


「ああ、アンタに言われた通り連れて帰ってきた」


 ストリームはわざとらしくプラズマに尋ねた。

「殷獣連れてくるなんて……い〜けないんだ〜い〜けないんだ〜!」


「こいつとは分かり合えるよ」


「まぁ、だからこそ連れて帰るように言ったんですけどね」

 ストリームは嬉しそうな声色でそう言った。


「それで彼女……えっと…」

 ストリームは人型殷獣の名を呼ぼうとするが、なんと言う名前なのか知らないためか、プラズマの顔を見つめた。


 しかしプラズマも彼女の名前は知らないため、彼女に問いかける。

「お前……名前ないの?」


「名前なんかないよ。私は《人間みたいな》やつって呼ばれてたから」


 するとストリームが突然名を口にする。

「アリシア」


 突然の発言に皆がストリームの方に振り向いた。

「……なんてどうです? 高貴や真実なんて意味があっていいと思うけどなぁ~」


 少し間をおいて声を上げたのは涙流華だった。

「いいじゃないか! 良い名だ」

 彼女は納得するようにポンと手を叩いている。


 その言葉にプラズマは人型殷獣に問いかけた。

「どうだ?」


「うん。いい名前………アリシア、か」

 人型殷獣の顔から少しではあるが笑顔がこぼれる。


「じゃあ改めて…アリシア! 俺たちもボスに話してみるから殷獣達を説得してくれるか?」


「うん……話してみるよ。きっと彼らも人とは戦いたくないはずだと思うから」


 フードで顔を隠しているストリームはそのやりとりを厳しい目で見ていた。


「じゃあもう少ししたら行くか」

 プラズマは、四暮達のバイクに轢かれたアリシアの体を気遣ったのだが…


「大丈夫。もう回復してるから」


「殷獣特有の超速再生か……」

 治療しようとしていたバリスは唖然としている。


 そんな中、ストリームが小さく独り言つ。

「あの子を連れてこいとは言ったけど、殷獣との話し合いによる和解……そんなに上手くコトが運ぶかね」


 独り言などつゆ知らず、プラズマはバリス達に指示していた。

「じゃあ俺はアリシアに着いて行くから、バリス、涙流華、ラルト、レモンは待っててくれ」


「じゃあ、ボスのところに案内してくれ、アリシア!」


「うん…!」



To be continued.....

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