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My² Gene〜血を喰らう獣〜  作者: 泥色の卵
第2章 前編 殷獣調査・討伐作戦
35/83

知能型殷獣


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【登場人物】

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。


 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。


 [水王(スオウ) 涙流華(ルルカ)

 元名家・水王(スオウ)家の侍で、水の遺伝子能力者。

 プラズマ達に妹を救われた一件で、自分に足りないものを探すため、水王家当主から世界を回ることを命じられる。


 [ラルト・ローズ]

 白色の長髪で、いつもタバコをふかしている政府軍中佐。

 口が悪く、目つきももれなく悪い炎の遺伝子能力者。

 政府軍内の裏切りにより、軍を退官してプラズマ達と旅に出ることを決心する。


 [レモン・ポンポン]

 褐色高身長、彫の深い濃い顔にアフロがトレンドマークの伝説のエンターテイナー。

 娯星テロ事件の後、プラズマと涙流華に強制的に同行させられる。ガタイの割にビビり。


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【お知らせ】

 お知らせ書くの忘れてた。 


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挿絵(By みてみん)



「レクス・テイル……!」

 その名前を聞き辺りがざわつく。


「え、有名人?」

 プラズマが呑気に問いかける。


 バリスが小声で答える。

「Mastersって言えば、元大元帥や一神四帝しか入れないところだって前も言ったろ! しかもあのテイル大元帥は元少年兵でとんでもねえ強さだったから政府軍に引き抜かれたってやつの1人だ」


 レクス・テイルと呼ばれる男はMastersに入る前には若くして大元帥を務めている。

 任期こそ短かったが、彼の前任、後任ともに20代であり、テイルを含めて脅威の世代と謳われていた。


「へぇ〜」

 プラズマの空返事にバリスは興味がないなら聞くな、と言いたそうだった。


 オールがレクス・テイルを見ている。

「レクスさん、作戦への参加ありがとうございます」


レクスは自分よりも二回りほど年上のオールを睨んでいる。

「オール、お前が選んだのか。俺を」


「選任についてはMastersの長に聞いてください。あとMastersは政府軍の助言機関ですが、今回の作戦は政府軍主動ですので指揮下に入ってもらいます」


 2人の会話でホールには険悪な雰囲気が流れる。


 その険悪な雰囲気を打ち破るように、残りの1名が自己紹介を始めた。


「アクアレギア家から参りました、ストリームです!」


 ひょうきんな声の男は黒いローブを着て、頭にはフードを被っている。

 そんな男が自己紹介と共にヒーローのような決めポーズをとった。


 全身黒ずくめの外見からかけ離れたテンションの高さに皆驚く。

 そんな様子を気に留めることもなく、アクアレギアは続けている。

「小川が流れるように舞い、滝が落ちるように……」


 秘書官がストリーム・アクアレギアの話を遮るように一つ咳払いをした。

「では、簡単な作戦の概要についてです。大元帥お願いします」


 オールが作戦について話し始める。

「今回の作戦は殷獣(いんじゅう)の調査・討伐。政府軍、十闘士、Masters(マスターズ)IMIC(遊撃捜査隊)、名家の共同作戦です」


「総指揮官は大元帥の私。そして現場指揮官はグスタフ大隊長。各方面部隊長は(ウェイ)大隊長、ローン中将、Master LIGHT、アクアレギア君、プラズマ君だ」


「おれ部隊長だってさ!」

 プラズマが自身を指差し、ドヤ顔をバリスに向ける。


「わかったわかった」

 バリスは鬱陶しそうだ。


「以上」

 オールは説明を終えると、秘書官が睨むようにオールを見てため息をついた。


 そして手元の資料に目を向け喋り始める。

「なお、記憶にとどめておいていただきたいのが“危険生命体”および“危険人物”です。」


「まず“危険人物”ですが2名おりまして……1人は戦争時に離反した元四帝。前回の殷獣調査報告で深星に潜んでいる可能性があるとわかりました」


「2人目がマリア・ヴァージニア元少将。前回の作戦で行方不明になっており、()()()()の可能性があります」


 秘書官の話の途中プラズマはレクスの顔を見て、つい話しかけた。

「マスターさんなんでそんな怖い顔してんの?」


 バリスが渾身の力でプラズマの頭を引っ叩く。

「バカてめっ、ははっ……すません……!」



「次に《危険生命体》ですが、これは知能型殷獣です」


「知能型?」

アドルフが反応する。


「これまで殷獣はただ本能で行動するだけの生物でした。しかし前回の調査でそれらを束ねるリーダー格の知能を持った殷獣が存在することが判明しました。少なくとも6体」


 アドルフは腕組みをし、ヒゲを触っている。

「それを討伐しろと?」


 オールが秘書官に変わり答えた。

「その通りです、アドルフさん。しかし調査もしたいのでできれば捕獲をしていただきたい。星民の安全のために」


 Mastersのテイルが大元帥の言葉に反応し眉間にシワを寄せる。

「綺麗事を。軍事利用のための調査だろう」


 テイルのその言葉で場に静寂が流れる。


 すると秘書官が淡々とした口調で静寂を破った。

「明日の午前9時にこの星を飛び立ちます。遅れないよう宇宙港政府軍専用口を通って受付にお越しください」


「なお、各部隊長は今日の夕方4時に研星立ホテル第7会議室にお越しください。各部隊の任務をお伝えします」


「では解散としてください」

 そう言って無理矢理終わらせた秘書官。

 殷獣の軍事利用のことは図星なのだろう。


 皆解散して部屋を出ていく。


「オールさんとあのMasterは何か確執がありそうだな」

 ラルトは探偵になった気分で推理をしている。


「確かに。オール大元帥の方なんて50近そうなオッサンなのに、二回りくらい若そうなMasterよりも立場下っぽいもんな」


 バリスはそんなラルトの肩をグイッと引き寄せ耳打ちする。

「おいラルト。プラズマは単細胞だし、涙流華は箱入り戦闘お姫様、レモンは芸能しかできねぇ」


「つまり俺たちがしっかりしねえと、このベースは潰れる……!」


「俺がプラズマにつく。ラルトは涙流華を頼む。レモンは踊らせとけ」


「分かった。だが報告は全てお前に上げる。お前の頭脳はこの中でも飛び抜けてるからな」


「わかった。だが、最終的な判断はプラズマに任せるぞ。」


「それはもちろんだ。」

 ラルトとバリスははしゃいでいる3人をよそに話を進める。


「大丈夫か…? うちのベースは…」



To be continued.....



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