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My² Gene〜血を喰らう獣〜  作者: 泥色の卵
第2章 前編 殷獣調査・討伐作戦
33/83

殷獣調査討伐依頼


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【登場人物】

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。


 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。


 [水王(スオウ) 涙流華(ルルカ)

 元名家・水王(スオウ)家の侍で、水の遺伝子能力者。

 プラズマ達に妹を救われた一件で、自分に足りないものを探すため、水王家当主から世界を回ることを命じられる。


 [ラルト・ローズ]

 白色の長髪で、いつもタバコをふかしている政府軍中佐。

 口が悪く、目つきももれなく悪い炎の遺伝子能力者。

 政府軍内の裏切りにより、軍を退官してプラズマ達と旅に出ることを決心する。


 [レモン・ポンポン]

 褐色高身長、彫の深い濃い顔にアフロがトレンドマークの伝説のエンターテイナー。

 娯星テロ事件の後、プラズマと涙流華に強制的に同行させられる。ガタイの割にビビり。


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【お知らせ】

 2章始まります。


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挿絵(By みてみん)




〜宇宙船内2階事務作業室〜



「おーい、プラズマ。大元帥からメール来てるぞ」

 宇宙船内のホログラムを操作していたラルト。


 ふと視線を床に下ろすと、スナック菓子の空袋が落ちていた。

「てか食った菓子の袋くらい捨てろ! プラズマお前だろ!」

 “根っこチップス”という激マズと評判の菓子。


 これを好んで食べているのはプラズマだけだ。

 なんでも懐かしい味がするとのことで、彼の幼少時代が野生そのものだったことは想像に難くない。

 

 ラルトは料理から洗濯、船内の片付け、その他事務仕事を担当していた。

 というより他にやろうとする者がおらず、言い聞かせても無駄だったため、仕方がなくやっていたのだ。


 最近では洗濯や片付けはレモンが手伝ってくれているが、幼少期から芸能界に身を置き、身の回りのことはマネージャーにやっていてもらっていた彼ではスキル不足だった。


「おーい! プラズマ! 聞いてんのか!?」


「うるさいわ!」

 返ってきたのは涙流華の怒声だった。

 いつもこんな感じだ。


 するとプラズマが部屋に入ってくる。

「ごめんごめん、何のメール?」


「その前にゴミ捨てろよ」

 プラズマは“うい”と言いながらゴミ箱に空袋を入れる。


「ほら、見てみろ」


「えーっとなになに?」



ーーーーーーーーーーーーーーー


To IMIC



 ご機嫌はいかがかな。IMICの諸君。

 この間も崇神星で大量虐殺を止めたと聞いているよ。

 やはり君たちほど解決能力のある組織はないね。


 ところで、崇神星では殷獣の情報を得られなかったそうじゃないか。

 君たちの様な青年達の苦労が報われないなど、政府軍大元帥としても忍びない。


 そこで今回、殷獣調査討伐作戦に君たちも参加してほしい。

 場所は深星(しんせい)

 討伐とは言うものの、捕獲でもいいんだ。

 この作戦で手に入れた情報は共有しよう。


 なに、心配ない。

 この作戦には政府軍、十闘士、Masters、名家、その他諸々も参加してもらうからね。


 集合は3日後の午前11時、場所は深星近くの研星(けんせい)だ。


 参加してくれることを期待しているよ。



 大元帥 ブラスト・オール



 

 追伸 報酬は弾みに弾みます



ーーーーーーーーーーーーーーー



「面白そうじゃん! 行こうぜ! 行くって返事しといてくれよ!」

 プラズマはそう言って部屋を出ると階段を上がっていく。


「分かった」

 



〜同時刻・宇宙船内3階コミュニティルーム〜



 ソファに座る涙流華とバリス。レモンはソファの縁に腰掛けていた。

 皆テレビに釘付けになっていたのだ。


 それもそのはず。IMIC特集…自分達の特集が放映されていたからだ。


『約2ヶ月前に公認指定された組織、一神(いっしん)四帝(よんてい)直轄惑星間遊撃捜査隊、通称IMIC(イミック)!』


『宇宙を飛び回り、色々な事件などを解決する彼らについて調べてみました!』


 特集では5人が走っている写真が使われている。

 おそらく芸能の星、娯星(ごせい)に行った時に撮られたのだろう。


「なんか私、格好良くないか?」

 涙流華は隣のバリスに問うが、彼はフル無視している。



『ではまず、IMICの経歴についてです。政府発行の官報を参照しています』

 女性の進行役がホログラムに画像を表示させた。

『まず隊長と隊員です。

 【時空】(隊長)

  イヴ・パラム

 【雷獣】(隊員)

  サンダー・パーマー=ウラズマリー

 【猛毒】(隊員)

  バリス・スピア

 【水夜叉】(隊員)

  水王 涙流華

 【獄炎】(隊員)

  ラルト・ローズ

 【伝説のエンターテイナー】(隊員)

  レモン・ポンポン

となっており、元名家や元軍医…さらにはあの伝説のエンターテイナーまで擁する実力派組織です』


 隊長のイヴ・パラムとは、プラズマを捜査隊に誘った高等部の校長であり、捜査隊から出向中の身であった。

 彼女は今も学校に校長として在籍しており、捜査隊の一切はプラズマに託していたのだ。


 現にプラズマ以外はパラムに会ったことも、話したこともない。



「なんだ。美人剣士とか、水王家の令嬢とか取り上げないのか?」

 涙流華は自分が取り上げられないことに不満を抱いているようだ。


 バリスはそんな涙流華をたしなめた。

「お前自分で言うなよ。恥ずかしい。それに令嬢じゃなくて軍団長だろ」



『では次に功績ですが、上から見ていきましょう。

 医星医薬品強奪事件解決貢献

 戦星紛争解決貢献

 政府軍本部高官離反事件対応

 森星王暗殺未然防止

 娯星テロ事件解決貢献

 牢星暴動事件解決及び指定犯罪組織構成員逮捕貢献

 崇神星大量殺戮未遂事件解決

となっており、輝かしい功績ばかりです』


『そして、次は政府軍から“殷獣(いんじゅう)調査・討伐”の依頼がなされたと発表がありました』



「え?」

 3人は同時に声を上げた。


 そしてバリスは大声でプラズマを呼びつける。

「プラズマーーー!!!」




▼▼▼


〜宇宙船内2階事務作業室〜


 事務作業室に集まった5人。

 ラルトが殷獣討伐作戦の参加についてメールを返信したと説明する。


「殷獣といやあ、数年前に政府軍は調査に行ったはずだ」

 バリスが記憶を思い起こす。


 ラルトは頷きながら補足した。

「ああ。その作戦で多くの犠牲を出した当時の大元帥が辞任して、現場で自体を収束させたオールさんが大元帥に抜擢されたんだ」


「再調査か〜」

 そう言うとプラズマが菓子を頬張る。


「報酬はたんまり出るみたいだ」

 ラルトがそう付け加えると、涙流華が目を輝かせた。

「よし、殷獣を叩き潰すぞ」


「ルルカ、お前キャラ変わってきてねえか……」



深星(しんせい)ってとこらしいが、まず先にその隣の星、研星(けんせい)で政府軍やらと落ち合う」


「ということで、しゅっぱーつ!!」

 プラズマがまたいつものようにはしゃぎ始める。


 そして一行は研星(けんせい)へと船を進ませる。


To be continued.....

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