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My² Gene〜血を喰らう獣〜  作者: 泥色の卵
第1章 後編 神に仇なす者たち
17/83

獄炎

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


【登場人物】


 ▼採掘場


 [ルト・ウォール]

 19歳の女性。男勝り。髪はボサボサで鬱陶しいのでポニーテールにしている。基本的にタンクトップと作業衣ズボンで過ごしている。


 ▼国際教団

 [胤減(インゲン)

  ソラル教を信仰する国際教団の教祖。


 [神儡(シンライ)

  胤減(インゲン)の弟子。


 [神途(シント)

  胤減(インゲン)の弟子。鉱山での労働を仕切っている。

  殷獣を放って自分が討伐するという自作自演でこの星の英雄になろうと画策する。


 [サヨ・キヌガサ]

 19歳の女性。ルトと共に過ごしていたが、実は国際教団の高位幹部だった。


 [ジュイス・ブランドー]

 低ランク労働者集団のリーダー。暴力をもって他の労働者を支配している。

 女性を襲ったり、物資を奪ったりと悪行を尽くす。


 [モウラ・ムケシュ]

  背が高く恰幅の良い国際教団の高官。自信家で豪快な性格。


 ▼四帝直轄惑星間遊撃捜査隊

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 薄金髪の青年。ルトを度々助ける謎の青年。

 明るい性格。電撃を操る。


 [バリス・スピア]

 紫髪で天を衝くようなツンツン頭。

 元医者で毒の遺伝子能力を持つ。


 [水王 涙流華]

 没落した名家、水王家の次期当主となる女性の侍。

 青い髪色でポニーテールにしている。性格はキツめ。

 水の遺伝子能力者。


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

【お知らせ】

 特にないです。

 追記:続々表紙更新中!


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挿絵(By みてみん)




〜鉱山・南の拠点〜



 神途(シント)によって拠点に送られた女性団員。

 彼女は手筈通り、殷獣(いんじゅう)を解放するため操作用機器へと歩み寄ろうとするが、その前に一つの人影が立っていることに気づく。


 白い長髪にスーツ姿の男。若く背が高い。

「あなたのことは見たことあるわ。政府軍少佐さん。ラルト・ローズ」


 彼女は彼を見たことがあった。

 政府軍の少佐と呼ばれた男は、若干気まずそうに目を逸らした。

「もう今は少佐じゃねぇ。っていうか政府軍ですらないんだが」


「ふぅん。それで? 政府軍を辞めたあなたが今更なんの用?」

 

「ここを正しにきた」

 そう言って白髪の男は手に炎を(まと)った。


「ここを正しに? 思い上がりね」

 女性団員は政府軍少佐と呼ばれるラルト・ローズという男に軽蔑の目を向けている。


「だから俺はもう政府軍辞めたんだって。それに少佐少佐って、俺は最終階級中佐だ」


「あら、あれから出世したわけね。すごいじゃない」


「あんたのことは調べさせてもらった。アンタの息子達のこともな」


「ハウラ・ロランさん」

 名を言い当てられた女性団員は被っていたフードを取る。

 白髪混じりの黄緑色の髪は後ろで結ばれており、少しくたびれたような中年の女性だった。


「アンタ、この前生贄に捧げられたんじゃなかったか?」

 ラルトは含みのある笑みを浮かべている。


「労働地区のことをよく調べているようね。ならあの時のことも思い出した? 政府軍()()さん?」


「アンタの息子さん2人が死んだ事件か」

 ラルトは即答した。


 ロランはそのラルトの対応に表情を曇らせていく。

「“2人が死んだ事件か”って、何を他人事のように…! あなた達政府軍は私の息子2人を殺したんだ!!」


「それをなかったことにして…事故死…? ふざけないで!!!」


 それでもラルトの口調は変わらず抑揚はない。

「あれは仕方がないことだ。あいつらは政府軍に反した」


「自分たちにとって都合の悪いことだから力で潰しただけでしょう!?」


 ラルトは“やれやれ”と首元をさすっている。

「埒があかねぇな。とにかく俺はあんたがそのボタンを押さないようにしなきゃなんねぇんだ」


 その言葉で我に返ったロランは落ち着きを取り戻すと、警戒心を露わにして構えた。


 ラルトは余裕な表情を浮かべている。

「能力は知ってる。アンタは風の能力だろ?」


「そういうあなたは炎の能力でしょう? 吹き消されないようにね」


 ラルトは手に纏った炎をロランに向けて放出した。

 しかしロランも負けじと突風を発生させ、炎をかき消す。


 炎は燃え上がることなく、空中に霧散されるように掻き消された。風が炎に酸素を供給する速度よりも、炎を吹き飛ばす風速の方が速かったのだ。

 それはつまりロランの言う通り、彼女の風がラルトの炎の威力を大きく上回っていることを意味する。

AGIS(エイジス)を使わなくてもいいの? そんな火力じゃ私の風は上回れないわよ」


AGIS(エイジス)を使う必要はない」


「舐められたものね。これでも神途様の弟子に選ばれた1人なのよ? AGIS(エイジス)なしで戦えるとでも?」


()()()()()の弟子だから使う必要ないって言ってんだ」


 その言葉を聞いたロランは大きく目を見開きフリーズすると、(うつむ)き震える声で言葉を発した。

「あの御方のおかげで私は救われた……今の言葉は訂正しなさい……」


 ロランの髪や服が風に揺られゆらゆらと(なび)いている。

「今の言葉は訂正しろって言ってるのよ!!」


「叩き潰してやる……」


 彼女の感情の爆発とともに、周囲に突風が吹き荒れた。

AGRY(アグリー)…」


 彼女が口にした言葉は遺伝子能力の第二段階目。遺伝子能力の破滅的解放と呼ばれる能力上昇。

 政府軍の将校ですら使える者は多くない。


 AGIS、AGRYを発現、修得するには心に大きな変革が起きなければならない。

 それは悲しみなのか、喜びなのか、誰かを殺したいと思う心なのか、誰かを守りたいと願う心なのか…

 その条件は人それぞれ。


 だからこそ、ただ単に訓練をして、もしくは死線を乗り越えて強くなれば修得できるようなものではなかった。


 そんな強者の代名詞とも呼べるAGRYをロランは修得していた。

 彼女の怒り、悲しみは乱風となって体の周りを渦巻いている。


 そして彼女の周りを渦巻く風は一瞬にして彼女の中へと吸い込まれ、静寂が流れた。


刃の暴風域トンペット・ドゥ・ラ・ラム


To be continued.....


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