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ゲーム会場

 車で走ること何時間か。

 俺は自分を勧誘し今車を運転しているスーツの男に話しかける


「菊地さん、どこに向かっているんですか」

「港です。ゲームが始まる場所は船で行った先の島ですから。」

「島?」

「無人島を開拓して住めるようにしたと聞いています。そのときに私は居なかったのでそこまで詳しくはないんですがね、大きな建物をつくって中にゲーム会場を作ったみたいです。」

「へー、そんな場所が...」


 それからは特に会話もなく車が止まる。港に着いたようだ。先に車から降りた菊地の後を追うと大きな船を人差し指で指し示す。

 船に詳しくないのでわからないが大勢が乗れる豪華客船?だ。これに乗っていくのだろう。


「ほかの参加者様もいますからこの大型船2隻で200人ずつ運びます。船の中では飲み食い自由です。代金は取りません。島への到着までゆっくりするのもいいしほかの参加者様とお話もいいでしょう。私はここまでの案内人なのでこの先へはご同行できません」

「ああ、わかった。ありがとう」

 菊地は乗船口まで案内したあと俺に一礼して去っていく。どうやら彼とはここでお別れらしい。..どうでもいいか

 荷物を持って船に乗り込む。すぐにスタッフと思われる人が近づいてくる


「ゲームへの参加者ですね。お名前をどうぞ。」

「宮田です。宮田詩音」

「・・はい、確認完了です。それでは島まで6時間ほどですがよい船旅を」

 

 改めて船内を見渡すととても広い。400人全員でも入れるだろう。二隻に分ける必要あったのか?それは運営側の自由か。

 外から見た感じ二階三階もありそうだ。

 正面では大勢の人が料理を食べていた。全員参加者なのだろう。それより俺も何か食べよう。近くにいくとスタッフが申し訳なさそうにいってきた。


「いらっしゃいませ。申し訳ありませんが、空いている席がありませんので良かったらお部屋にお持ちしますが?」

「部屋ですか?」

「はい、休まれるためのお部屋となります。あの道を奥に行き突き当り左右どちらでも構いません使用中のランプが光っていないお部屋でしたら空いているので決めてもらえると助かります。部屋の中に電話があるので部屋番号をおっしゃってもらえると料理を持っていきます。メニューも電話のそばに置いてあります」

「ああ、わかった。ありがとうそうするよ。」

「お手数をおかけします」


 その場を離れて言われた場所をまっすぐ歩き突き当りを右に曲がる


「なるほど、確かに光っているな。」


 扉の上部に使用中と書かれた文字が赤く点灯している。おそらくこれの事だろう。しばらく進むと光っていない場所があったのでそこに決める。部屋番号は62番。

 部屋はそこまで広くはなくあくまで寝泊まりをするための部屋のようだ。電話の近くのメニューを見ながら連絡する。念のため料金を聞いてみたが無料だった


「お待たせしました」


 10分ぐらい待つと部屋が叩かれワゴンで料理が運ばれてきた。


「空になった食器類はワゴンと一緒に廊下に出してもらえると助かります。それではごゆっくり」

「ありがとう」


 無料とはいえ元々少食なのでたくさん頼むことはしない。電話で頼んだときに『それだけだよろしいんですか?』と言われたが気にしない。

 食べ終わったあとにワゴンを通路に出しておく。おそらく見回りをしているスタッフが回収するのだろう。

 特にすることもなく他の人とも話そうと思わない。

 トイレも室内にあるので俺は部屋から出ることはなくベッドで仮眠をとることにした。ベッドの横に置いてある時計は目覚ましができるので4時間後にセットする。起きてシャワーでも浴びたらいい時間だろう。では、おやすみ。


 ジリリリと目覚ましの音で目が覚める。時刻は午後2時、船に乗ったのがだいだい午前9時頃。そこから6時間後なので島につくまであと一時間ほどだろうか。

 眼を醒ますためシャワーを浴びることにしよう。


「皆様、お待たせしました。皆様がゲームをする島が見えてまいりました忘れ物の内容にお降りする準備をお願いします」


 と船内アナウンスが鳴った。部屋から外を見ているがこっち側じゃないのか何も見えなかった。

 やがて船が止まり一人また一人と降りていく


「では会場にご案内しますので私についてきてください。」


 メガホンを使って大きくした声がざわざわしていた参加者を静かにさせる。そのままスーツの男が先導をすると皆ついていく。無論俺もついていった


「それではこちらにお入りください。」


 通された場所は東京ドーム数個分といった建物だ広すぎる。


「皆さんにはまずこちらのベストを着ていただきます。真ん中についているゼッケンには現実人生ゲームにおいての持ち金を表します。」


 スーツの男はそのままベストを着る。


「現在を0としもしも何かの出費でマイナスになった場合、試しに100万の借金をしたとしましょう。

するとこのように赤色で100万と書かれます」


 ゼッケンには誰も触れていないが赤文字で100万と書かれている


「また、借金がなくなり持ち金がある場合。とりあえず200万手に入れたとします。すると」


 今度は緑の字で100万と書かれる


「こういった感じでそれぞれ、皆様の所持金が他の参加者様にもわかるのでうまく活用してください。とりあえず皆様ベストの着用をお願いします」


 スタッフから渡されるベストを着る。しかし俺は借金がもともとある。その場合はどうなるのだろう。俺はスッと手を挙げる。

 参加者全員の名前を憶えているのか迷いなく名前を当てられる


「どうしましたか宮田様」

「俺はもともと借金がある。俺はマイナスからのスタートなのか?」

「いえ、全員平等に0というより支度金3000万を貰ってスタートです。もともとの借金はゲームクリア時にクリア報酬と相殺させてもらいます。ただ、ゴールした時に持ち金がマイナスだった場合、その分借金が増えますのでお気を付けください。逆に持ち金がプラスになっていればクリア報酬上乗せでお支払いします。

 他に質問がある方もいるかもしれませんがゲーム時の質問は自分の番が来た時にガイドが付きますのでガイドに向かってお願いします。」


「さて、現在他の三か所でも同じように説明を受けていますそれが終わり次第ゲームスタートになります

ゴール地点は一か所。ゴールまでは200マス。他の場所でも同じになっています。

 しかしクリア報酬は着位順ですので、500人もいるのですからサッとサイコロを振り順番を回さないとクリア報酬は少なくなりますのでそれを念頭に置いておいてください。なお参加者様の順番はこちらで決めさせてもらっています。

 では皆様のガイドを紹介いたします。」


 そういうと指パッチンをする。空中が少し爆発し爆風が消えるとリスの姿をした3メートルほどの人形が立っていた。


「皆様のガイドを担当しますRISSと言います。リスと呼んでください。」

「準備が整ったようなので早速スタートします。」

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