04 情報
「今日は、この世界のいろんな情報を雑談気分で楽しみましょ、モノカ」
今日の先生は、ネルコ?
っていうかネルコって、ついこのあいだ異世界に来たばかりでしょ。
「カードゲーム製作の時、いろんな情報をめっちゃインプットしたんすよ」
さすがはアッチ系の勇者、っていうか魔王。
「魔王といえば、モノカが歯を9本へし折った魔族の王子」
ニクル王子だっけ。
って、なんで本数まで知ってるの。
「今は頭の中がきれいさっぱり空っぽな、赤ちゃん状態なんですって」
もしかして私にぶん殴られたショックで。
「いいえ。 王子に魔族王国の実権を握られたときに、極秘案件や激ヤバ情報をいっぱい知られちゃったらしくて、こりゃまずいってんで精神支配魔導具で脳のシワをつるつるにされちゃったんですって」
……エグいね。
「アイネさんが大ピンチだったって考えれば、当然な罰ですよねっ」
安らかに眠ってほしい、赤ちゃんだけに。
「あと、このあいだモノカのニセモノが捕まりましたよ」
ほう、どんな可憐な美少女が。
「いいえ、魔導具オタクのおっさんだったそうです」
どこがニセモノなのさ。
「ヒメサキモノカ名義の出版物で荒稼ぎしてたそうですよ」
まだそんなのがいたんだ。
「確かタイトルは、『オゲレツ大魔王のワンダフルテクニック』!」
うぇっ、なんでそいつがあのこと知ってるのっ。
「元々の罪は、魔導通信機の盗聴傍受、ですって」
脳のシワをつるつるにしてやりたい。
「ツァイシャ女王様に進言しておきますねっ」
お願い、やめてっ。
「それでは、今日はここまで、ですっ」
ありがとうございます、マスターネルコ。
それで、私のスペシャルランジェリーの件なのですが。
「モノカの分はいつでもできますよっ」
うほっ。
「私のと寸法が全部一緒なのでっ」
一緒……
「もちろん、きっちりばっちりモノカを採寸してからですけどねっ」
それ採寸じゃないでしょ。
このあと、めちゃくちゃ採寸されました。