03 日常系
「今日は日常系魔法について、ですっ」
今日の先生は、アイネ。
「本当はお父さんの方が適任なんだけど、モノカとお父さんをふたりきりで個人授業させちゃうのは危険なので、私が先生やりますっ」
なんとなく納得いかないけど、よろしくお願いします。
「モノカって、日常系魔法はどうだっけ?」
『収納』ならそこそこ、他はそれなり、かな。
「それってもったいないよっ」
?
「攻撃とか回復とかと違って、日常系って普段使いするものでしょ」
「普段からガンガン練習しておけば、どんどん上手く使えるようになるし、思いもよらない使い方に気付けちゃったりもするんだよっ」
それってロイさんの受け売り?
「もー、先生に向かってそういうこと言う生徒には、おしおきです!」
なんか、凝視されておりますが、
「ふっふーん、モノカのスリーサイズは、上から……」
あぎゃーっ、なんてことすんのアイネッ。
「『鑑定』をがっつり訓練すると、このような情報まで分かるようになっちゃうのですっ」
もしもし、アイネさん。
「なにかなっ」
それって、『鑑定』をがっつり訓練した殿方からは、乙女の極秘情報も丸見えってこと?
「そういうハレンチな目に遭わないように、日常系魔法をガンガン鍛えてレジスト力を上げましょうってことっ」
なるほど、日常系魔法を大至急鍛えるべき理由、ガッテンです。
「それでは、今日はここまでっ、かな」
ありがとうございました、アイネ先生。
それで、日常系魔法の鍛え方なのですが。
「私はお父さんからステータス隠蔽髪飾りをもらってたんで」
髪飾りはいいので、お父さんをください。
このあと、めちゃくちゃ日常系魔法を特訓しました。