15 試験
起きてきたみんな、開いた口がふさがらず。
ぽかん顔も素敵です、ロイさん。
どんな非常時でも家事のことを忘れないマクラとミスキさんが用意してくれた朝食をいただいてから、いよいよ試験開始。
「さあ、これからが本番ですよっ。 皆さんが何よりも求めている安全・安心を、自分達の手で確かめちゃいましょうっ」
「はい、ご主人さまっ」
「これはなんだ、アリシエラ」
アリシエラさんがロイさんに手渡したのは、転生者なら見覚えがあるであろうパイナッポー的なアレ。
「新型の手投げ式魔導爆裂弾ですっ。 威力は私の武装魔車を爆散させた謎攻撃に匹敵しますよっ」
「そこのピンを引き抜いたら、おうちに向かってぶん投げてくださいねっ」
「全員、離れてっ」
ロイさん、大慌て。
全員、退避!
おみみをふさいだマクラを抱きしめて、おっかなびっくり拝見。
覚悟を決めたロイさんが、手順通りに投擲。
数秒後、大爆発!
爆発音も結構なものでしたが、腹に響く振動、すごかったです。
お城から衛兵さんが来なきゃいいけど。
おうちは……なんともナシッ!
「あとは皆さんで、思い思いに全力攻撃しちゃってくださいっ」
アイネが魔導銃のリミッター解除モードで全力焼却、
ルミさんがとんでも水鉄砲『マスミ』の最大威力攻撃『ファイナルシュート』、
みんな結構やりたい放題やっちゃったけど、おうち、びくともしません。
「はいっ、そろそろお昼なので、これくらいにしましょうっ」
みんな、結構頑張っちゃって疲れたのか、拍手はありませんでした。




