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12 技術


 職人モードでタンクトップ装備のアリシエラさんが、板状魔導具を手にしてにこにこと近付いてきました。



 タブレットっぽい画面には、


 外観は地上二階の一軒家、屋敷と呼ぶほどの大きさでは無い物件。


 家の上の方にやたらと高いポールが伸びていること以外は、普通な外見。



 一階は、基本的には自由空間とのこと。


 メインスペースは仕切りを動かすことで間取りを自在に変えられる空間。


 厨房や各種収納、洗濯場的な洗い場やトイレなどを家の外壁際に配置。


 仕切りを全部寄せると、大ホール的な空間としても使用可。



 二階は、客室と大浴場。


 客室はセキュリティ重視のがっちり個室。


 大浴場は女風呂男風呂と解放感溢れる露天風呂。


 もちろん各種結界でセキュリティは最上級。



「あれ? 私たちの個室は」


 にやりと微笑むアリシエラさん、


「それこそが新技術の見せどころっ、なのですっ」



 新技術その1は、魔導昇降機、要はエレベーターですね。


 地下への行き来も容易。


 地下深くにはシジミ用の工房と、後日追加拡張も可能な倉庫が多数。


「アリシエラママ、大好きっ、なのっ」


 シジミ、大喜び。


 アリシエラさんから、ちゃんと安全面もレクチャーしてもらってね。



「そして、上、ですっ」


 新技術その2は、外観擬装歪曲結界、通称は……無いそうです。


 要は不可視の光学迷彩っぽくなる結界。


 お家の上に伸びているポールは、実は高さ把握用のもの。


 実際は、太くて頑丈なエレベーターシャフトが不可視の状態なのだとか。


 そのシャフトに、外からは見えない個室を鈴なりにくっつけるそうです。



 強度問題は素材で解決。


『絶対金属』複合素材に匹敵する新素材建材の大量生産に成功したおかげで、建材としてはあり得ないほどの強度と柔軟性を誇っているとか。


「進化し続けるシブマテクノロジーにより、上層部でも揺れのない快適な生活をお楽しみいただけますっ」



 そして更なる安全策。


 個室ひとつひとつにシステマの『転送』技術が応用されていて、非常時には個別での脱出が可能だとか。


 建材自体に魔素を蓄積させる新技術で、『転送』に必要な魔法力が常時溜め込まれているそうです。


 個室の広さも、一人用の小型から三人暮らしサイズまで選択可能とのこと。



「まさに、これまでのアリシエラさんの技術の結晶にして完成形ですね」


「何をおっしゃいますかモノカさん、技術には完成など無いのですよ」

「今の私の全力を超えることこそが明日の私の目指す道、なのですっ」



 一同、大きな拍手。


 ロイさん、後ろを向いたって分かっちゃいますよ。


 ひっそりと男泣き、素敵です。



「これほどの建造物となると、落成はいつごろですか」


「そうですね、すでにあちらの地下工房でいろいろ始めちゃっておりますので、分かり次第お知らせしますねっ」



 よろしくお願いします。



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