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10 対策


 まずは、ミスキさんと相談。


 敷地内なら自由に使ってくださいとのお許しを得たので、次は予算の確認。


 チームモノカのお財布担当はノルシェ。


「今って、いくらくらい貯金してるの」


 耳打ちされて驚いた。



 これまで頑張ってきた特使活動には国難に関わる案件も多数、報奨金やらなにやらで、いつの間にやらかなりの額に。

 

「もしかして、アリシエラさんへのシブマとかの魔導具のお礼、ちゃんと出来ていなかったんじゃ」


 アイネが、首をふるふる振って否定してくれました。


 良かった。 仲間だからって、そういうところは甘えてられないよね。



 そしてやっぱり、建築といえばアリシエラさん。


 魔導通信機マツカゼで、アリシエラさんとお話し。


『お任せくださいモノカさんっ、このアリシエラが皆さまのおうちを全力全開で素敵にビルドしちゃいますよっ』


 もちろん、ロイさんともお話し。


『アリシエラに独断先行させる前に、しっかりと話し合ってくださいね』


 アリシエラ姐さんをお借りします、ロイさん。



 三人娘とシジミは、システマでアリシエラさんを迎えに。



 ミスキさんに、ひとつ質問が。


「王都の城下町って、もしかして家を建てるときに建築許可とか必要ですか」


 首を傾げたミスキさん、詳しそうな人に相談してみますとお出かけの準備。


 護衛のアイネと共に、いそいそと出発。




「痴漢や変質者には一切の人権はありませんっ」


 ノルシェ、乙女関係の事案なので相当に気合が入っています。



 確かにこの世界は剣と魔法の異世界。


 犯罪者たちは、武器や魔法や魔導具などで武装済みの可能性が非常に高い。


 その危険性は銃やスタンガンどころじゃないわけで、こちらだって被害者にならないためにも情け容赦無用。


 以前、私もノルシェも冒険者成り立ての頃に変質者に襲われたが、かなりエグい返り討ちをしてもこちらが報奨金がもらえるような世界なのです。


 そういう命のやりとりが絡むような事態にミスキさんたちを会わせないためにも、しっかりと対策せねば。



「おじゃまします、皆さん」


 ミスキさんが連れてきた建築関係に詳しい人は、メイジ・セルマ夫妻でした。



「何なりと、ご質問ください」


 セルマさんは巡回司法官時代に土地絡みや商業関係の事件の担当が多かったとのこと。


 そして努力と手腕により、その手の案件を優先して任されるようになったとか。


 さすが、見た目通りの才女なのです。



 そのセルマさんですが、相変わらず見目麗しくて素敵です、と言いたいところですが、全然相変わらずでは無かったのです。


 元々素敵なお姉さんだったセルマさんに、新妻オーラ追加とでも言うのでしょうか、雰囲気というかなんというか、とにかくもの凄いことになってます。


 このあいだアランさんがメイジさんの屋台におじゃました時は、残念ながらセルマさんとすれ違いだったそうですが、もしふたりがちょっとでも顔を会わせていたら、またアラン家でひと悶着したのだろうなと、深いため息ひとつ。



 もちろん真面目なお話しもしましたとも。


 結論から言えば、要塞でも建造するのでなければ特別な許可は不要だそうです。


 むしろ特使勇者のお屋敷ともなれば、それなりのものが求められるのでは、とのこと。



「私の経験上、防犯に凝ったお屋敷ほど腕自慢の悪党たちから狙われちゃうよっ」


 アイネから、実感のこもったお言葉。



「外観も仕様もまだ何も決まってはいないけれど、見る人も住んでる人も安らげる感じにしたいです」


 皆さんに、うなずいてもらえました。



 ぷしゅぅん



 表から聞こえてくる衝撃吸収魔導装置の着陸時の作動音。


 配達魔導車システマのご帰還ですね。



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