発達障害者が発達障害者に仕事を教える???
自分が仕事上でしんどいと思うことは、いくつもあります。
その中で悩みの大きさの順位をつけるとしたら、上位に上がるのが「発達障害者が発達障害者(と思われる人)に仕事を教える」ことでした。
というわけで、過去の愚痴を交えつつ、発達障害者と仕事についてのお話をさせてもらおうと思います。
私が仕事を教えていた同僚の男性は、見たところASD傾向が強いように思いました。
相手の気持ちを考えるのが苦手だったり、ぼんやりしていることが多いです(自発的な行動が殆ど無い)。顔もやはり幼く、見た目の雰囲気も「これは……同類か?」と疑ってしまう方でした。私より年上なんですけどね。
入社歴で言えば私の方が後輩なのですが、接客をする部署に来たのはつい最近のこと。
更に彼は、以前に所属していた部署でも、「人と接すること」は避けてきたようでした。
彼は、年齢の上では中年と言える歳であり、ただでさえ変わるのが難しそうだと思います。それでも、部署を移動して明らかに苦手な「人と接すること」に向き合わなければならなくなってしまったのです。
そんな彼に仕事を教えるにあたって、私も過去に自分がやらかしたことと向き合わなくてはならなくなってしまいました。
その中でも、苦戦していたことを書き出してみます。
① 人ごとのように話を聞く/話を聞くことに満足していて、話の内容をきちんと理解することができていない
ASD傾向の人に多いイメージなんですが、説明者が話しているときに、分かってないくせに、まるで理解しているかのように頷くし、返事をするんです。
けれどもう一回自分の言葉で説明をさせてみると、全く意味が分からないことを言うんですよね。そして結局説明者から、「本当は分かってないやんか!分からないなら質問してって言ってるやん!」と怒られる……。
過去の私はこういう場合「分かってると思ってたから質問しなかったんだもん……」とぶーたれてました。
何故こんなことが起こるのか?
それは、自分のために説明してくれていることを「相手が自分に話しかけてくれている話題」として処理していたからです。
別の言い方をすると、説明を「自分がやらなきゃいけないこと」として理解して、「行動に移すためには何をしなければならないか」という想像を働かせることができないから、人ごとのように話を聞いていたからではないかと思います。
当たり前のことだろ?!と思われるかもしれないのですが、私が大学生の時はそんなことも分かりませんでした。
分からないくせに、大学やネットで得た知識をもっともらしく小賢しく振りかざすものだったので、それはそれは憎たらしい女だったでしょう。笑
そういえば私には、「分かっている風の会話術」が一番社会で実践すべき話し方なのだという、強い思い込みもありました。
私に限らず、発達障害者は幼い頃から「なんでこんなこともできないの?!」と怒られて育っていることが多いみたいで、自信がなく分からないことを素直に言えない人も多いのだと思います。
私も何度もカウンセラーの先生に、「周りの人は流してくれるかもしれないけど、貴女が理解していないのはバレてしまっている。分からないのが恥ずかしいのかもしれないけど、分からないことを分からないときちんと伝えないことの方が、後でもっと恥ずかしいんだよ?冷静に考えてみて」と口がすっぱくなるまで言わせましたね……。
今は意味が分かります。そりゃ大学も中退するわ。
② 耳で聞いても何も残らない/目で見て覚える方が理解してくれやすい
これは私自身、教える立場になるまでその感覚を忘れていました。
しかし私も昔は、普通に理解したと思って聞いていたことでも、後になったら「そんなこと言われたっけ……」レベルで何も覚えていない事が多かったのです。
今は(今の職場では)克服しているのですが、それまではかなり細かくメモを取らなければ仕事ができませんでした。
まあ、メモを取ってもその場では忘れてしまうので、覚えるまで何度も復習する必要がありましたがね。
③促されないとメモを取らない
話を聞かなきゃいけないと思って聞くことに集中していると、「メモを取らないと後々仕事にならない」という事を忘れてしまいがちです。
あと逆に、メモを取っていたら話がきちんと理解できていない時もあります。
一つのことしかできない、ASDあるあるってやつですね!
④なぜこのような指示をしているか、理由も併せてきちんと教えて、納得させる必要がある
納得できなければ、自分のやり方にこだわってやりたがるのがASD。
普通の人でも、納得しないと言うこと聞きたくないという思いはあると思いますが、異常に融通がきかないのはASDならではじゃあないでしょうか。
それでも、自分なりに納得ができる説明をしてもらえば、「この場合はこういう理由でやり方があると決まっているから、自分のこだわりは横に置いておかないといけないな」と自分の中で分別がつきます。
分別がつけられることが増えるだけで、意外とASDの人間は普通に働ける場面が増えるのかもしれません……(とはいえ、ASDの程度にもよる)。
また余談ですが、説明をする時の注意の引き方にもや説明の仕方にもコツ?があるようです。
カウンセラーの先生からは、以下の通りやってみて欲しいとアドバイスを受けました。
●「〇〇さん、今ちょっといいかな?(話を聞くように意識を引く)」
●「貴方はさっき××していたけど、いつもやっているんですか?(注意したい相手の行動を、やったその場で確認・説明するように持っていく)」
●「××はお客さんにとって良くないから(なぜ相手の行動を注意しているか説明)、△△してくださいね(できればやってみせる。更に可能なら、相手に何回も体験させてやる)」
※目で見て覚えるためでもある
⑤謝れない・感謝できない
これは……現在でも自分はやらかしていると思います。
人の気持ちがきちんと分かっていないので、周りの人達にきちんと謝ったり感謝してすることができず、不快な思いをさせてしまい、結果孤立するんです。
しかし、やらなくてはいけない「場面」を説明したら、形だけでも言葉をかけることはできます。
私は同僚の男性に、差し出がましいながらも「こういう状態の時にお礼(謝罪)が無いと、ぶっきらぼうな印象を与えてしまって、誤解されてしまうと思いますよ。絶対、一言言葉をかけた方がいいです!」と伝えました。
彼は私と違って(笑)素直で育ちが良いためか、無事他の人ともうまく仕事をやっていけたようです。
ここまで、様々な私の工夫をお伝えしてきました。
けれど結局、発達障害者(疑惑)とはいえ、心が素直で真っ直ぐな人相手なら、そこまで苦労して教える必要はないのだと思います。
ただ、人と違うところが多かったせいで、どう教えてもらったらできるようになるか、分からないことが多かっただけなんだろうな〜というのが、私の同僚男性に対する感想です。
結論:クズが一番救いようが無い!




