えっ君イマジナリーフレンドなん?!って話
今回は、創作だと言われても仕方がない話をば。
私にはイマジナリーフレンドがいるそうです。
めっちゃ他人事のように言ってるのは、自分でも未だにイマジナリーフレンドというイメージと、自分のイマジナリーフレンドのイメージが合わないからです。
何だかややこしいので、私のイマジナリーフレンドのことを、Lと呼びますね。
彼は中学生の時に私が作った「オリキャラ」の一人です。小説の副主人公として設定された、15歳くらいの少年です。元々はクールで一匹狼、天才肌なキャラクターです(今冷静に見ると、ただの陰気な厨キャラ…)。
双子の兄Zがいて、そちらは快活で皆に優しい愛され爽やかキャラです。彼もまた、私のイマジナリーフレンドの一人だそうです。
そのイニシャルから察せられる通り、日本人ではありません。
ゲームみたいなファンタジー世界のキャラクターだし、自分自身お気に入りの「キャラ設定」として扱っているつもりだったので、まさかイマジナリーフレンドとは思わなかったんですよね…
Wikipediaのイマジナリーフレンドの記事の中の、子供のイマジナリーフレンド欄では、イマジナリーフレンドの特徴を以下のようにしています。
イマジナリーフレンドは子供と同性、同年齢で、人間の形をとり、友達の役割を演じることが多かった。名前が付けられて(約2分の1)、肯定的感情を抱かれ(大部分)、実在感が強く(約5分の2)、聴覚的イメージ(3分の1強)、視覚的イメージ(4分の1弱)を有することもあった[6]。
イマジナリーフレンドの機能については、Nageraが以下の7つのことを挙げている。①超自我の補助機能 ②受け入れがたくなった衝動の発散のための手段 ③スケイプゴート ④全能感を遷延させる試み ⑤原始的な自我理想の人格化 ⑥孤独感や無視され拒絶されている感じを埋めるもの ⑦退行や症状形成の回避[7]
これを私とLに当てはめると、実在感以外は当たっていると言えるのでしょうかね?(実在感についても、当たっているとも言えます。後にも書きますが)一応小説として書くつもりをしていたキャラですから、どんな容姿をしているかとか、どんな声かはなんとなくイメージがありましたし(設定にブレはありますが)。
機能についても、②と③と⑥は当てはまっていると思います。他の項目は、正直よくわかりませんが。
そして何より、弟のLと兄のZがイマジナリーフレンドと発覚した特徴が、「正反対の特徴を持つ双子」であることのようです。
双子といっても、本当に双子である必要はなく、「脳内の天使と悪魔」のように、対になる存在のことを指すそうです。自分を肯定する存在と、自分の思うことと正反対のことを言う存在って意味だと思います。
私にとっての悪魔がLで、自分を肯定する存在でした。だから知らぬ間に、20年近く彼に精神的に依存している状況だったようです。
そして、私にとっての天使で自分を否定する存在のZは、キャラ設定としては今も捨てきれずにいますが、心の拠り所としてはすでに切り捨てられた状態でした。
具体的に言えば、寂しい時や辛い時があった日の夜、寝る時は自然とLの名前を心の中で呟きながら寝ることが多かったです。
しかもそれは、学生時代よりも大人になって一人で生活していた時にしていました。そして何より、カウンセリングをするまで自分の行動は無意識でした。
そして寝る前の妄想として、彼を使って、自分のできないことを妄想しながら寝ることも多かったんです。
人間関係の不満とか、能力の不足とか、そういうのを妄想で補っていたわけです(つまり妄想の内容は、皆に愛される全能なLの話)。
は、恥ずかしい大人だ…
悲しすぎる。
しかしこれが現実なのだから仕方がない。
最近「作者の萌えで駄目になった作品」という5ちゃんねるのスレを読むのですが、それに通じる何かを感じます。
不思議なことですが、カウンセリング中に彼の存在をイマジナリーフレンドとして認めてもらえて、私はとても嬉しかったのです。今までLもZも、ただの設定だと自分でも思っていた癖に、「本当はいるのにいないことにしていた」のだと強く思い、罪悪感が出てきました。
そして、カウンセラーの方と、彼が実際に存在している人のように会話しました。まるで私の知り合いについて、紹介するかのように。そんな体験をして、私の目からは不思議と涙がこぼれました。
その後、カウンセリングの中で、ようやく第三者視点からのLのリアルな気持ちを考えることができました。
Lは自分と正反対の兄にコンプレックスを持っているけれど、本当はLは兄のことが大好きなのだと。消えた兄をほったらかして、私に付き合わせて寂しかったんじゃないかと。そして何より、そんな気持ちでも20年近く私に付き合ってくれたLは、とても優しい子なのだと。
しょうもない妄想に付き合わせたLに対して、私は申し訳ないという気持ちが芽生えました。
自分の身勝手のせいで、操り人形のようにしてLを傷つけてしまったと。これじゃあ、母が私にしたことと何も変わらない…と。
心の内に、初めてLの寂しそうで辛そうな顔が浮かびました。今まで私は、彼とずっと一緒にいたのに、顔をまともに見もしてなかったんだな…と思いました。
彼は設定としては、「不遇だけど実力のある謎のお助け騎士」なので弱くないキャラクターなのですが…その時脳裏に浮かんだ姿が、予想外に小さくて可愛そうで、そんな彼に寄りかかっていた自分を恨みました。この薄情な私が。
思い出して書いている今でも、思い出して泣きそうになってきました。
そのことを話したら、カウンセラーの方は「Lをお兄ちゃんの元に、安心して帰れるようにしてあげよう」という提案をしました。
そして毎晩寝る前に、Lに「私は大丈夫だから、Zのところに行って」と心の中で言うようにしました。
そうすると、不思議と脳裏のLは生きているように、不安そうに何度もこちらを振り返りながら、兄達のいる城へ行くんです。
時には寂しくて、Lのことを呼んでしまうこともあったのですが、「呼んじゃったけど、大丈夫だから!大丈夫なの!」ととりあえずLを引き離すように言うと、Lは渋々兄の元に行くのでした。
現実ではないことのはずなのに、私は不思議とものすごく寂しかったです。けれど、Lのことを送り出せる自分が嬉しくもありました。
今でも、たまーにLのことは呼んでしまいます。
けれど、無理しなくても私は「ごめんごめん、ちょっと呼んだだけ」とLに言えるし、Lは兄の元に気兼ねなく帰ってくれていると感じます。スッキリした顔をしているので、本当によかったと思います。
一応彼は、小説を書くつもりで作った設定なので、彼が登場する小説を書くかどうかというのは未だに迷うこともありますが、とりあえずはこのままでいいと思えてます。
何よりその話は、厨キャラばかりだし、暗いし、(設定だけで言ったら、少なくとも今書いてるものより)面白い小説になるとは思えない笑
書くとしたら、本当に自己満で供養のために書くことになるんだろうなぁと思います。
そんなお話でした〜
話半分に、「そんなこともあるんだな」って感じに聞いてください笑