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(3)9月3日お昼休み 中央高学生食堂 PART2

(承前)


 ミフユは立ち去る秋山さんを一瞥した後、姫岡くんの方を見た。彼は凍りついていた。


「姫岡くん、どうかしたの?」

「それがよくわからないんだ。夏休みの終わりから秋山さんが本当によくわからない」


 ミフユ達三人で姫岡くんの話を聞いてみると秋山さんが日向肇と三重陽子が普段から使っているボールペンについて「お揃いじゃない?」と聞いてきてさして意味のない問いかけだと思った姫岡くんが「そうかなあ?」と言っていたら、


「いや、お揃いだよ」

「聞かないとわからない」

「聞かなくても良いの。お揃いなの!それで何か思いつかないのかなあ」

「何が?」


……というような口論になったとの事だった。


 顔を見合わせる肇、陽子とミフユ。


「お揃いねえ。たまたまだよ、それは」と微妙にお茶を濁す肇。

ミフユは肇に少し呆れつつ改めて肇と陽子を問い質した。


「それって1年生の冬頃から愛用してるよねえ。二人とも」


陽子ちゃんの顔が心なしか赤くなってみんなから視線をそらせた。


「ま、まあね。似てるのは肇くんの言う通りたまたまだけど」

なにやら言い方が変。この二人のしらばっくれを追求しても今は意味がないから良いや。ミフユは気を取り直して姫岡くんに確認した。


「ふーん。秋山さんって誕生日が近いよね?」


頷く姫岡くん。


「9月7日だったかな」


姫岡くん、そこは知ってるんだなと三人とも思った。

そこで陽子が気付いた。


「姫岡くん。秋山さんにちゃんとプレゼントとか考えてるよね?ね?」


姫岡くんは何故そういう事を聞くのかと言わんばかりに眉をひそめた。


「いやあ、それは、その、なんというかみんなには関係ないと思うんだけど」


顔を見合わせたミフユと陽子。


「姫岡くん、ちょっと話があるから来て」

ミフユはそういうと学食の隅の方へ連行して小声で思った事を率直に伝えた。


そんな二人の様子を見ていた肇。


「秋山と姫岡ってとっくに付き合ってると思ってたんだが」

「私もそう思ってた」と陽子。


そうすると「そんな事はないよ。誤解だから」そう言って姫岡くんが学食を出て行ったのが見えた。


「冬ちゃん、なんて言ったの?」


陽子はまず考えてる通りだろうけどと思いつつ確認した。


「秋山さんと一番仲が良いんだからあの子の誕生日ぐらいちゃんと祝ってあげたらって言ったら、古城さんと言えど僕と秋山さん二人の間の事だから言われたくないと言われちゃった。余計なお世話だと言われても仕方ないからそこはごめんって言ったんだけど」

「うーん。確かに私達がとやかく言う事じゃないけど心配」と陽子。

「大丈夫じゃないか?いくらなんでも気付いただろうし。古城、良い事したと思うぞ?」と肇。


日向くん、その割に何故最後疑問符なんだか。


「そうなるといいけどね」


あとは二人の問題だしね。あまり効果を期待してないミフユだった。


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