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第6話

 家政婦は四つん這いで廊下を移動してリビングにある電話へ向う。

「救急車。救急車を呼ばないと」

 三樹は本棚にもたれるようにしてじっと佳奈を見た。

 救急車が到着し救急隊員が部屋に駆け込んで来ても、三樹は本棚にもたれるようにして立っていた。(あわただ)しく動く救急隊員に気づき、今度は救急隊員をじっと見つめる。

 一人の救急隊員が佳奈の脈を確認する。救急隊員は静かに顔を上げると、周りの救急隊員に無言で首を横に振って知らせた。

 佳奈は、既に帰らぬ人となっていた。

 救急隊員は家政婦に言う。

「申し訳ありませんが、お亡くなりになっています」

「そんな……。でも、いつもなら人工呼吸や心臓マッサージをするじゃないですか。どうしてしないんですか?」

 家政婦はショックが大き過ぎて救急隊員が言った事がまだ飲み込めていないようだ。

「お亡くなりになっているので、申し訳ありませんが……」

「すぐに救急車で病院に運んで下さい。お願いです。早く医者に診せて!」

 家政婦は救急隊員の腕を掴んで揺する。

「申し訳ありませんが、亡くなっているので……」

「どうしてですか? なんで病院へ運んでくれないんですか?」

 取り乱す家政婦に、ほかの救急隊員が近づいて説明をした。

「事故、事件で亡くなった可能性があります。これは警察の管轄になりますので、警察の許可無しに我々が触れる事はできません」

「事故、事件ですって!?!?」

 家政婦は救急隊員の言葉を繰り返すと急に静かになった。予期せぬ言葉を聞いて家政婦の思考が停止してしまったからだ。

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