51 《風を喚び、飛翔する者》 (4)
北の塔の扉の錠は閉まっていたはずだが、マルセルが触れただけでカチリと音がして簡単に開いた。
入ってすぐに、遥か上にある天井を見上げる。
やはり、天井から大蝙蝠がぶら下がっていた。きちんと翼を畳んで、まるで寝袋の中で眠っているような姿だ。
小さく溜め息をついた後、マルセルは塔の扉を固く閉めて、そうっと4枚の白い翼を広げた。
かなり大きめの上の羽と下の小ぶりの羽との重なりあっている部分は、薄い桃色をしている。
その羽の淡い色を、幼い頃のラインハルトがとても好んでいたのを、思い出してしまう。マルセルは、感傷的な気持ちになりかけているな、と自分を戒める。
数度その翼をはためかせただけで、無風の塔の中を静かに縦に飛べるのは、やはり高地エルフ族であるマルセルの強い体幹と筋力の為せる技なのかもしれない。
「…やぁ、いらっしゃい、というべきなのかなぁ?」
気を遣ってくれているのか、下で見た時には大蝙蝠状の羽が黒い色であったのだが、白い色に変化していた。その中から声が聞こえてくる。
「お部屋の中で、お休みになられているのかと思っていたのですが」
マルセルは静かに言った。
「うん…。うん…そうなんだけど…」
とだけ言って、ラインハルトは黙った。
わかっている。…きっと一人で泣くか、それに近いことをしていたのだろうと思う。懐かしい光景だ。昔はよくこうして閉じこもり、ひっそりと泣いている、『ラインハルトになりきれてなどいない!』と嘆くテオドール様をいつも、自分は探していたのだから。
「マスター、」
「うん。あのさ、マルセル。…ごめんなさい、遮って。先日から考えていたんだ。
僕はマルセルにマスターと呼ばれると、どうも調子が狂うんだけど。元々、僕がマルセルをマスターと呼びたいくらいなんだから」
「ラインハルト様は、すでに私を超えていかれた方ですし、離れていた間にこんなに大きくなられ、立派になられたのですから」
「いやだ」
「いきなり…子供みたいにならないでください」
と返したものの、懐かしさについ、頰が緩んでしまう。
常にやんちゃに振舞っていた少年は、本当は繊細で傷つきやすかった。
魔法を使う能力に長けていなければ、ただの《お行儀よくしたら、周囲の大人に優しくしてもらえる》と考えるだけの普通の子供として過ごしていけたのだろうが…。
まだまだ、母親が恋しい年齢の頃から、師と呼ばれる人達に囲まれて、その中でわがままを言える相手が《従者》としてのマルセルとメフィストだったと思う。
「…たまには許してよ。マルセルだってさっき、昔のように僕を抱きしめてくれようとしてたじゃないか」
マルセルは、慌て咳払いをした。
「そうですね、つい…先ほどはうっかりと。
…失礼致しました。
お想いになられていた方との恋が進展する時に、私がハグなんてしたら、過保護に育てられたお坊っちゃんのようにとられかねませんし、台無しになるかと思いまして」
「ううん、全然だよ。…せめてもうしばらくは、ラインハルトって普通に呼んで欲しい」
「かしこまりました。マスター、あ、いえ、ラインハルト様」
「あのさ、…あの、せっかくその姿なんだから…マルセルの羽の根元を久しぶりに触らせてもらってもいいかな…?」
「ええ、良いですよ」
と、つい言ってしまった自分に苦笑しながら、マルセルは最上階のバルコニー部分に降り立った。
さすがに子供の頃のように「わぁい」とは言わなかったが、ラインハルトは大蝙蝠の翼を解きながら急降下して、すぐに空中で反転し、上昇してきた。
魔法を使っているというよりは、本当に元から翼を持っている種族の動きにしか見えない。そして、ふわりとマルセルの側に降り立った時には、もう既に自らの翼を消していた。
さすがの所作を披露したラインハルトだったが、そのまま、マルセルの翼をめがけて懐に飛び込んでくる。それは、今の青年の姿に似つかわしくないほどの、子供の頃のままのしぐさであり、思わずマルセルは目頭が熱くなる。
幼い頃のラインハルトの言葉によれば、実際の天使の羽の色は様々なのだが、最も多い羽の色は、薄桃色なのだそうである。
甘えるかのように、ラインハルトはそっとマルセルの翼の根元に口づけて顔を埋めた。
「ああ、良かった。…本当に、本物のマルセルだー」
涙の粒が、自分の翼に当たった気がする。が、何も言えなかった。マルセルは、そうっとラインハルトの肩を久しぶりに抱く。
このお方ときたら…。…こういうところは、未だに変わっていない。そして、自分ときたら…。やはり、昔のままなのかもしれない。
ラインハルト様を、自分はとても愛しているのだ。改めて、そう思う。
だから、愛しすぎてはならない。気をつけて行動していかねばならない。
なかなかフィリップの助言のように、冷静に行動出来そうにない自分を反省している。
ラインハルト様のためにも、決して甘やかしてはならない。ここまで来たら、少し距離を置いて、それこそ無闇に導いてはならない。わかっている。自然のままに。
ラインハルトはふっと照れ臭そうに笑いながら、マルセルの翼を離した。
「マルセル、ありがとう。マルセルと再会した後も、なかなか二人っきりになれなかったし。僕は最近、…天使さまの夢を見られなくて、ちょっと落ち込んでたから」
「ええ、まぁ。本物の天使の翼ではないですけどね…お役に立てれば」
と答えて、マルセルはふだんの姿に戻った。
が、ラインハルトの悩みはそれだけではないと思っている。
そのマルセルの心の中の声が聞こえていたかのように、ラインハルトが言った。
「…見かけ上、ユールの儀式に向けて、順調に色々と進んでいるように見えるだろう?
だけど、やっぱり考えてもわからないことだらけだし。困ってるんだ。
それに僕は、夏美に嘘をついているままだし。…ちょっとフェアじゃないよね。
夏美じゃない、僕こそが化け物じみた人間なのに、あの子はまだそれを知らない。
なんか騙しているみたいだよね。かと言って、打ち明けてしまったら、一族に引き込むか、それこそ善蔵みたいに《協力者》になってもらうしかないから…
美津姫の時だってそうだったよね。僕のことをちゃんと知らないうちに、あの子は一人で泣いて、一人で悩んでいたんだ。可哀想なことをしてしまった」
「うーん、それはそうでもありますし、そうじゃない部分もありますよ。
美津姫様には、ラインハルト様以外に、幼い頃から頼りにされている方々がそばにおられたのですから。姉やである後藤すずさん、藤木さん、宮原さんと、あと日本ならではのお食事を作っておられた年配の女中さんも。美津姫様のお幸せをひたすらに願われて心からお仕えされていたではありませんか。
ラインハルト様は、たぶんどこかで懸念されておられたはずですよ。皆さま、ほとんど全員がお二人のご婚約には、反対しておられましたから。
美津姫様の本当のお幸せを真剣に考えるならば、と彼らは言っていましたよね。
ラインハルト様とご結婚するよりも、やはり美津姫様は日本に戻って日本人とご結婚された方がいいと。
すずさんはオットー様の部下の方と結婚されたし、ご一族にお仕えすると決めてくださったので、そこまで日本に帰りたがってはおられませんでしたが、他の方々は、やはりあの欧州の田舎の城には、馴染めてないご様子でしたからね」
「うん、そうだったね。
でも、彼らだけでなく、もちろん自分でもそう一度は考えたんだよ。
僕と一緒に生きていくのが美津姫の幸せなのか、どうなのかって。
最初は、美津姫の中に入ってしまった宝珠を安全に取り外したら、すぐに日本に帰してあげる約束だったのだから。
取り外す儀式を待っていたのに、儀式の出来る年齢よりも若いうちに僕と美津姫が婚約しようとするなんて、彼らは騙されたと思い、ショックだっただろうから」
「ええ、確かに。お仕えしている方々を美津姫様も頼りにされていて、それと同時に彼らに対して、とても責任を感じておられました。だから、美津姫様も悩んでおられましたから…。
でも、そういう昔のことについて、夏美様は一切、ご存知ないご様子ですね。彼らに対してコメントがないようですから」
「うん、本当にそうなんだ。
真凛と花梨の名字が後藤であることにも、最初から何も反応はなかったから、本当にわからないみたいだし。
藤木と宮原の話も出ない。彼らは、美津姫の死後、木藤と内藤という名前にわざわざ改めてくれたんだ」
ラインハルトが、その当時を思い出したのか、長いまつ毛を伏せた。
「ええ、知ってます。美津姫様が本当に生まれ変わってくるとしたら、本物かどうか確かめるために、だそうですね。
『え?、貴方達は…木藤と内藤、ですって?…変ね、藤木と宮原じゃないの…?』
って聞き返してくださる方を、お待ちするはずでした」
「うん。すずさんは、美津姫よりも前に亡くなってしまっていたし。あの二人ならば、その証明をしてくれるはずだったのだが。
僕が眠っている間に内藤は亡くなり、木藤もそれがとてもショックだったのだろうし、気落ちしたのだろう、本当に最近では、薬とか低温冬眠装置を拒否しているようだから。やはり、《協力者》ならまだしも、一族の中に立ち混じりたくない、という気持ちなんだと思う。
今日も、『夏美が家に来てくれるから、どうだい?』と勧めてみたんだけどね、だめだった。
『あからさまに紹介とかしないで、どこかでそっと見てもらってもいいんだよ』と色々言ってみたんだけど、…。
たぶん…もう木藤は辛すぎて、そういうことには、耐えられないのかもしれない。
美津姫が亡くなって、それでも僕を含めて生まれ変わりを期待して必死で命をつないできたのに、生まれ変わりなんてやはり出来ないんだという絶望感と、そして、この僕が…その縁で夏美に恋を始めたと聞けば…。また、僕が裏切った、美津姫様を見捨てたって思ったのもあるんだろうな」
「…木藤たちとラインハルト様は状況が違いますよ。ラインハルト様の人生は、ラインハルト様のものなんですから。何か反対されたとしても、そんなことを気に病んではなりませんよ」
「ああ、ありがとう。木藤のために言っておくけど、木藤は何も反対しているわけではないんだよ。
僕と同じように、心のどこかで夏美の中に美津姫の美しい魂が伝わっていたら、とは思っていてくれてただろうし。ただ、…気をつけて今度こそ相手を傷つけないで、死なせてしまうようなことにはしないで欲しいと願っているということだと思うよ」
「美津姫様の亡くなられたのは、ラインハルト様のせいではないと思いますよ!」
「マルセル、…ありがとう。
でも、僕は誰かがどれだけ、そういう風に僕を庇うように言ってくれても、美津姫への申し訳ないという想いは消すことは出来ないんだ。そうだ、それだけ頑固な気持ちなんだよ。
それは、美津姫とも同じなんだ。僕は、そういうところ、美津姫とも似ていると思うんだけど。
美津姫も、自分の拙い龍力の解放で一人の人間を死なせてしまったことにずっと責任を感じていた。僕が、言葉を尽くして『法律では裁かれない位に、君のせいじゃないんだ』とか言っても、彼女はずっとその申し訳ない気持ち、自分の罪の意識を消すことはなかった。
あの時の僕は、彼女を論理で説得しようとしていた。
彼女を安心させてあげたかった。
もちろん、亡くなった人には悪いけど、自分の命で失われた命の償いをするより、もっと別のことを考えて欲しかったんだ。どんなにしても、既に亡くなった人は戻ってこないのだから。
僕の言動が、美津姫を…逆に追いつめていたのかもしれない、って思ったのは、彼女を失ってずいぶんと後のことだった。自分だって…簡単に自分の心や意識を変えることなんて出来ないじゃないかって思い知らないと、気づかなかったんだ。
僕は、自分の知識と賢さで全て解決できるように思い上がっていた、ただのお馬鹿さんなんだよ。
今でも考えるよ。彼女を助けてあげる行動、言葉はいったい何だったんだろうって。
でも、正しい答えは、見つからない。正しいだろうと思える程度の答えすら、見つからないんだ。でも、めげないようにはしてる。
『その答えをちゃんと探し続けることしか、今の僕には思いつかないんだよ』って、美津姫に頭を下げるしかないんだけどね」
「ラインハルト様…。それで悩んでおられたのですか」
「うん、そうだね。でも、もう一つ自分の言動で打ちのめされる気分になった。
どうしても確かめたかったから、ちょっと嫌な言い方をしてみたんだ。誰かと誰かの価値を比べるなんて、本当に嫌なことだけどね。夏美にね、
『もしも、美津姫が生きていたとしても、役に立つかどうかという観点で、どちらを共に生きていくパートナーに選ぶかと言ったら、美津姫より夏美を選ぶ』
と言ったんだ。
それよりも前に、夏美が、なんか
『この場にいるのが自分じゃない方が良かった。生まれ変わりだった方が良かった。出来るなら、美津姫か里津姫に身体を渡してしまう』
みたいに言ったのが、ちょっと気に障っていてね。
もちろん、…僕の発言は嘘じゃない。本当に本音だよ。
僕は今後、冒険の旅に出る予定だから、もしも本当に夏美さえ良ければ、一緒に過ごせたら嬉しいし、きっと夏美の明るい元気さがすごく助かると思ったんだ。
でも、一つの賭けだった。
夏美の中に、もしも本当に美津姫の魂が宿っているのなら、僕の発言を聞いてショックを感じて、何か反応してくれるのかもしれないと思ったんだ」
「…それで?どうだったのでしょう?」
「うん、美津姫としての反応は何もなかった。あっけないくらいにね。
美津姫が、美津姫の魂が…どこかで聞いていたなら、彼女を傷つけてしまうくらいの、僕は相当冷たい言い方をしているなとドキドキしてたんだけど。
夏美は、きょとんとした感じで。
僕がそこまで言うなんて、全く予想はしていなかったみたいだった。
結局ね、夏美は龍になりたくないので、ギブアンドテイクみたいに、引き換えに僕の役に立ってくれるそうだ。
夏美も、泣いちゃったりはするけど、カラッと明るく立ち直れそうなエネルギーを持っている人で、僕は見習いたいなと思うよ」
「そうですか、…それは…良かったですよ。見習いたいような人と出会って交流できるのが、一番の幸せかもしれません。儀式のことも気にはなりますが、一歩ずつ進んでいくのでよろしいのでしょうから」
と、マルセルは言った。亡くなった方の魂にまで気を遣っているようなラインハルトの不器用な優しさを感じる。
ラインハルトが、柔らかな声で言う。
「聞いてくれてありがとう。やっぱり、マルセルがそばに居てくれるといいなぁ…。もうしばらく、そばにいてくれる?
でも…本当はもう帰りたい?…アルベルトのことも心配だよね…?」
「アルベルトは、たぶん後は回復するだけですので。心配はしておりません。彼が、頑丈な人間で良かったです。
私は、ラインハルト様にお仕えしているのが一番ですし。ユールの儀式をご無事でお迎えしていただくためにも、それまでは、おそばで出来るだけのことをしたいです。
夏美様にも…出来れば夏美様もお支えしたいのです。美津姫様と違ってあの方には従者が一人もおられませんからね。
メフィストは…なんだか少々、頼りなく感じましたし」
「ありがとう、マルセル。
マルセルがそうやって夏美のことを気にかけて、自分から言ってくれて嬉しいよ。
万一の時には、僕から夏美を守ってあげられるのは、もしかしたらマルセルだけかもしれない」
「それは…。それはどうでしょうか。二者択一となれば、やはり私は、ラインハルト様を優先してしまうと思いますが」
「とりあえず、しばらくの間は、夏美を優先して、助けてあげてよ。
マルセルは感じただろう?
夏美の力は相当に大きいと思うし、僕と争いでも開始したら、僕だって凌ぐのが大変そうだよ。手加減してる場合じゃないから、どうなるか心配だよ。
ね?夏美のサポートをしてくれるよね?」
「じゃ、確認ですけど、将来的にお二人が夫婦喧嘩していても、ラインハルト様が尻に敷かれてても、夏美様のお味方をしていてよろしいんですね?」
夫婦喧嘩という言葉に少し顔を赤くして、
「いや、そこまでいったら、…。そういう時は、やっぱり僕の味方をしてくれよ」
とラインハルトが言う。この幸せそうな、照れた笑顔を見られて良かったと思った。
「かしこまりました。龍人族のことは良く分かりませんが、なんとかお力になれるように…」
「え?龍人族…?、マルセル、今そう言ったの?」
「ええ、変ですね…無意識のうちに、なにか変なことを口走ってしまいました」
「うん、ちょっとずつ、みんな変になっていたりして。成長してるんならいいんだけど」
「確かに。メフィストが、なんだか一番変わりましたね。
リスの死を悼んで、庭にお墓を作ってお弔いをする悪魔なんて…見たことがありません」
「あははは(笑)、うん、…確かに。
まぁ、メフィストのこともちゃんと考えておくから。
ああ、そうか…。
マルセルは…もしかして気づいたのかなぁ…。白状しておこうか。
どうやら、色々と僕のせい、みたいなんだよ。
昔から、いつも言ってるでしょう?
僕はどうやら、限度を知らないようだよ。
意識してやっている悪い事に加えて、無意識のうちに何かやっているみたいだ。…だなんて、無責任な言い草だよね。
でも、本当に意識してやっているわけじゃないから、気をつけていないと直しようが無いんだよ。
うん、先日マルセルに打ち明けた通り、スイスの山でアルベルトを助けようとする前に、メフィストの魔力を強制的に奪って、僕の杖に込めたんだけど。それは、僕がわざと意識的にやったことだよね。
でもね、帰国して魔力を杖からメフィストに返す術をして、ちょっと気づいたんだ。
貸してくれた分に利子をつけて(笑)、うん、そういうイメージで多めに返してるつもりだったんだけど。
メフィストの元々の魔力が知らないうちに、何者かによって削られているんじゃないかって思ったんだ。感覚的なもので、きちんとしたデータに基づいて比較した訳じゃないけどね。
かと言って、誰がメフィにそんなことが出来る?
メフィスト本人にも心当たりはないみたいだ。少しずつ磨耗したのか低減してしまったのかで、気づかなかったようだ。
となると…。僕以外、考えられない。
死にかけてた僕が30年間、無意識のうちにメフィストの闇魔法とか闇の魔力を少しずつ吸収していたのかもしれない。そう思えてきた。だって、反比例みたいなんだ。
僕の中では、以前よりずっと沢山の闇系の魔力が膨れ上がっているんだよ。
最初は、メフィストが勝手に僕の中に悪を増殖させていたのかなと考えたりしたんだけど、どうやら違ったようだ。
メフィが心を尽くして僕の世話をしているのに、彼は僕に少しずつ静かに侵食されていたのかもしれない。
悪魔を喰っていくなんて…相当に怖ろしい化け物だね、僕は」
ラインハルトは、ふわふわとした笑みを浮かべたまま、さらりと言った。




