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ブラック企業が倒産して今日から勇者  作者: 汐留ライス
5th Account 同僚は退社する
96/191

《96》

 なんてのん気に分析してる場合じゃなかった。目の前ではパティとアニーが殺し合ってる。


 メイドAとコボルドたちも、止めたいけど下手に介入したら自分が殺されるから、遠巻きに見ながらただオロオロするばかり。


「死ぬがいい!」


 パティは叫びながら、鎌をアニーへ向けて容赦なく放った。


 まともに喰らえばかなりの確率で即死、運がよくても重傷は避けられない。


「……」


 アニーもそれがわかってるから、軌道を見極めながらギリギリのところでかわそうとする。


 そのとき、パティは手に持ってた鎖のもう一端をふいに緩めた。


 急に鎌の軌道が変わって、変則的な動きでアニーを襲う!


「おっと」


 それでもアニーは慌てず騒がず、手にしたサーベルで鎌を弾いた。


 細身のサーベルとは思えない硬質な音が響いて、弾かれた鎌は地面に深々と刺さる。


「千の風にでもなりなさい!」


 間髪入れずにパティが呪文を唱えると、空中に生まれた光の球が次々とアニーの頭上へ降りかかる。


「あはは、いいね。楽しくなってきたよ」


「ワタクシは全く楽しくありません!」

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